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異世界最強の魔術師は包丁を手に (旧作 世界一の魔術師 大幅リメイク版)  作者: クリップキラー
少年期 前座 学校に行こう
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地理

 いやしかし。昨日の歴史に関しての授業は面白かった。

 父さんの話と同じところや、ちょっと違うところもあって、なんだかんだ言ってそんなに飽きなかった。

 算学とかなら学ぶ必要がない、むしろ先生を教えれるレベルだから、正直言って結構つまらなかったんだけど、知らないことを学ぶっていうのはやっぱり新鮮だな。

 俺の学校生活の中(前世も含め)でも割と面白い方に入る授業になりそうだ。


 なんて思いながら今日もまた教室へ向かう。

 今日は、簡単な地理の授業を先生がしてくれるようだ。

 これも個人的にかなり気になる。


 この世界、365日、12か月、ひと月4週間、1週間が7日、1日は24時間と元の地球と一緒。

 うるう年とかについてはよく知らないからあれだけど、ここから考えるに、この世界が星で、球体なら、この世界の太陽と、この世界の距離や、この世界の大きさは、地球とほとんど変わらないはずだ。

 

 まあ、異世界だから、そもそも星とかじゃなくて、なんか全く違った何かがある可能性はあるけど。

 太陽も、月もあるし、夜空には星も光ってるから、それはないとは思うんだよね。


 とにかく、どんな国があって、どんな大陸があって、ぐらいは知りたい。


 いつも通りに席につくと、先生の話が始まる。


「みなさん。おはようございます。今日は、この星のことについてを学ぶ日です」


 あ。今星って言ったな。やっぱ星は星なんだ。


「星というのは、この世界そのもののことです。そしてこの星は、このような形をしています」


 先生は、魔法板(黒板のようなもの。魔力をチョークの代わりに使う)に、丸い円を…と思ったら、半円を描いた。


 球体じゃないのか?


「このように、この星は球体を半分に切ったような形をしています。なぜこんな形になったのかは、未だにわかっていません。この半球には、全体の5割程度を占める海洋と、陸地があります。陸地は、大きく分けて4つに分かれていて、それぞれがそれぞれの発展をして行っています。この学校があるのは、この世っての大陸の中でも最も新しく発見された大陸、第四大陸です。又の名をエルドラド」


 それぞれの大陸には一応正式名称があるので、覚えておくと良いとのこと。第一大陸がシャングリラ、第二大陸がアヴァロン、第三大陸はユートピア。そしてここ、第四大陸がエルドラド。

 大陸の見つかった順で番号が付けられているようだが、結局、番号の若い大陸の方が進んでいると言って間違い無いようだ。

 第三大陸だけは、なぜか文明の発達が遅く、第四大陸とトントンらしいが、そこらへんはどうでもいい。

 これ以上言うとそっちの大陸の国の人に怒られるから割愛だ。


 それぞれの大陸にそれぞれの国があり、同じ大陸同士の国で議会を開くこともしばしば。

 それぞれの大陸には、その大陸を代表する国家があり、その国の王を、覇王と呼ぶ


 現状、国民は自国の王に逆らえないし、それぞれの国の王も、覇王の前では頭が上がらない。

 覇者こそが最強。と言ったような感じだ。

 常任理事国みたいなもんだな。


 ただ、覇王も好き勝手威張っているだけではなく、自分の大陸で他の王が独裁政治などお行っていた場合などの粛清なども仕事としている。そして逆に、自身の大陸の国々の四分の三以上が承諾すれば、覇王その人を粛清することも可能。


 覇王は王に、王は覇王に、それぞれ歯止めをかける役割を持っている。


 どちらも正常に作動しているおかげで、世界の均衡はしっかりと保たれているとのこと。

 まあ政治に関して難しいことはわからないし、わかっていなくてもいいだろう。


 閑話休題。

 今回の本題は公民じゃあない。地理だ。


 王が居ない土地もある。

 誰も公式に管轄していない土地。

 未開の地、無法地帯と呼ばれる。

 自然環境的問題や、生息する生物、位置や予算の都合で、手付かずになっている土地だ。


 そのせいで、危険な生物や、犯罪者がどんどん集まり、中には、犯罪組織のアジトになっているケースもあるようだ。

 絶対に近づくな。近づいていいのは軍隊ぐらい。と、先生は言った。


 そして先生は、次の話へ。


「国を新たに建国するには、覇王からの承諾を得る必要があります。土地、資金、国民が揃えば、建国可能とされますが、ここ130年は新たな国が生まれていません。今後も、めったなことがなければ新しい国はできないでしょうね。できたとしても、非文明発達圏扱いですし」


 先生は、文明発達圏について教えてくれた。

 文明発達圏は、文字どおり文明が発達した、世界経済、技術、軍事力の中心である国家と、その周囲の国や属国の呼び名で、文明圏として認められると、より多くの権限と名声が得られる。

 

 覇王の国ももちろんそれに入る。

 と、いうよりも、覇王は、文明発達圏の国々が、多数決で決めるものなので、基本的に文明発達圏に入っていなければ覇王国家にはなれないわけだ。


 さらに、覇王の四席に、各大陸からの代表国をさらに四席加えた八つの国を、八大列強国家、うち、第一、第二大陸の四カ国を、四天王国と呼ぶようだ。

 ここからわかるように、第一、第二大陸は、その大陸であるというだけで優位な立場に居られるようだ。

 少しずるい。戦前のヨーロッパのようだ。

 ずるいというか、圧倒的国力で他国の追随を許さないといったところか。


「これらの対応に不満を持った第三大陸、第四大陸の国家も、時々一、二大陸の贔屓を撤廃してくれと頼み込んでいるのですが、なかなかうまく事が進まないようです。まあ、皆さんは今の所、国に尽くすような仕事をしているわけでもないので、不平等がどうのっていっても、直接的な関わりはないですけどね」


 もうこれは本格的にヨーロッパvsアジアだな。

 結局強い国には逆らえないってか。

 俺だったら長いものには巻かれちゃうかな…?


(だらし…な…やつだ。この…よ…虫が)


 ん?なんか聞こえたような?

 気のせいか?

 

 最近変な夢も見るし(内容は覚えてない)、その上幻聴まで聞こえたら世も末だぞ。

 何も異常がないことを祈ろう。

 最悪脳神経外科に直行だ。精神科ではないぞ。


 今日の授業もまた終わり、夕食を食べ、シャワーを浴びてすぐに寝た。



ーーーーーーーーーー



(随分と腑抜けた人間に宿ってしまったようだ。俺は復讐しなくてはならないというのに、こんなだらしのないやつが器じゃあ勝てる戦いも勝てやしない。これだから精霊ってのは…。つくづく不便な生き物(?)だ。とっとと抜け出したいが、それにはまだ魔力が足りない…。復讐はお預けになっちまうか?)


「ん…んんん…」



ーーーーーーーーーー


「おはよ〜。ガリュ〜君」


 必ず自分から起き、ソニックを起こすのが日課だった俺が、今日に限ってソニックに起こされた。

 なんだかよく眠れなかったみたいだ。

 まだ眠い。昨日夜何かしたっけな?


 というより最近、なんか変な夢見てるような気がするんだよなぁ?


 

 


 

 


 

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