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万象のアルカディア  作者: 藤崎悠貴
アルカディア
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アルカディア 13

  13


 大輔は数名の指揮官とともに、兵士たちよりも一歩遅れて戦場へ急いでいた。


 その足は、もちろん馬である。大輔は硬い筋肉が盛り上がった馬の首にひしとすがり、できるだけ前以外を見ないようにして馬に乗っている。というより掴まっている、というほうが正しいが、ともかく、馬によって戦場までの道のりを進んでいた。


「革命軍はもう数日で到着するという話だが」


 指揮官のひとりは、大輔のようにみっともなくすがるのではなく、しゃんと背筋を伸ばして馬の動きに身体を合わせている。


「こう先手を取れるとなると、罠のひとつでも仕掛けたい気分になるな」

「巨大な落とし穴でも作っておくか」


 別の指揮官が笑いながら答える。


 彼らはそれぞれに指揮部隊を持つ老練な軍人で、この状況でも恐れのようなものはまったく感じさせなかった。


「三十万人を一気に倒す落とし穴だ。うまくいけば気分もいいだろうな」

「まあ、落とし穴は冗談にしても、なにかいい罠はないものか。大輔殿、どう思う?」

「捨てるための罠なら作ってもいいと思うけど――わっ、ゆ、揺れるなあ……」

「捨てるための罠、とは?」

「罠に頼った戦略はちょっとまずい。なにしろ、向こうはこっちがなにか仕掛けるであろうことを知ってるわけだ。日時と場所を指定したのは向こうなんだからね。つまりこっちは先手を取ってるようで取れてなくて、いまのところ後手後手に回ってるんだよ」

「ふむ。ならばいっそ、日時と場所を無視して革命軍の側面を突いてもよかったのかもしれんな」

「いや、報告を聞くかぎりではそれも不可能だろう。革命軍はなにやら、えらく臨戦態勢で進軍しているらしい。途中にある町の住民は避難させてあるし、食料のたぐいはすべて捨てるか焼き払っているが、やつらはそれで腹の虫が収まらないらしく、破壊できるものはとにかく徹底的に破壊して進んでいるそうだ。聞いたか、東の森がほとんど壊滅的な被害を受けたのを。やつら、動物とみるやとにかくすべて殺し、食料にしているのだ。そんな連中の側面に、補給線も伸びきった前線が到達してみろ、まるで飢えた獣の前に投げ出された餌のようなものだろう」

「結局、向こうの言うとおりに動くしかないということか」

「そういうことだな、不愉快ではあるが――」

「勝てばよいのだ」


 ひとりが凛とした声で言った。


「相手の作戦に乗せられようが、最後に勝てばよいのだ」

「なるほど、もっともだ」


 軍人たちの思考は単純明快だった。


 勝てばいい。


 それが至上命令であり、絶対条件でもある。


 革命軍を討ち果たし、勝つ。そしてこの世界の秩序を守る。そのために自分たちは命を投げ出すのである。


「――しかし、ここで革命軍を討っても、この世界は元通りにはならんだろうな」

「それはそうだ。革命軍はこの世界をめちゃくちゃにした。それを再建するのはとても楽ではない」


 この世界に、まだ全世界的な統計はない。しかし革命軍の侵攻により、実に全人類の半数以上が死に、残りも家を失い、家族を失い、あてもなく世界のどこかを彷徨っているのである。


 その規模からいっても、革命軍はもはや病原体といってもよかった。一国の敵ではなく、人類全体の敵だ。


 ここで負ければ人類全体が敗北する。勝っても、失われた人間たちが戻るわけではない。しかしこれ以上に失わないために、絶対に勝たなければならない。


「不思議なのは、あいつらも人間だということだ。残虐非道の限りを尽くし、ありとあらゆる罪を背負い込んだ人間だということだ。われわれと同じように親から生まれ育った人間なのだ――」

「それがひとりやふたりというならまだ理解できるが、三十万もの人間がそのように成り果てるとは、すこし前では想像もできんことだな」

「やつらは人間として生まれたが、もう人間ではないのかもしれん。理性のない動物のようなものだ。人間として見れば情も移る。しかしそれが隙になる。戦いきるしかない」

「む、そろそろ見えてきたな」


 前方からの風に、潮の匂いが混じっている。


 八頭ほどの進む先に黒山の人だかりができていた。野原のなかで唐突に現れた野営は、テントもなく、ただ食事を作っているのかあちこちから細い煙が上がっている。


 大輔もほっとした顔で馬を降り、兵士のなかに紛れながら、ふと空を見上げた。


 いまにも雨が降り出しそうな曇り空だった。



  *



 曇り空を見上げながら、その男は頭に巻いていた白い布を解いた。


 すでに砂漠を抜けている。前方には深い森があり、その向こうには山が控えていた。


 なんにせよ、厳しい道のりにはちがいない。しかもその道を越えても間に合わない可能性も高いのだ。


 それでも男はまっすぐ前を見て、寝る間も惜しんで進んでいた。その背後にはぞろぞろと同じような男たちが続き、ラクダから馬へと乗り換え、さらに進行速度を上げる。


 先頭をいく男は、馬を走らせながら空を見上げた。


「――なんとか間に合えばいいが」



  *



 焚き火がぱちぱちと音を立てて爆ぜていた。


 ひとりの男がその焚き火に向かい、腰を下ろしている。


 夜が近づいていた。空はうっすらと雲が這い出し、まだ雨が降る気配はないが、今夜遅くか明日には一雨あるかもしれない。


 今日は単日である。夜は真に暗く、星々が輝く。


 そんな夜を思いながら、男は赤々と燃える焚き木を見つめている。


「なんかこうやってると、まるで人生に破れた旅人みたいだな」


 男は呟き、ひとりでくすくすと笑った。


 周囲に険しい岩山が立ち並ぶ、ちょっとした広場のような空間である。


 男の周囲にはだれもいない。ただ草花だけがゆるい風に揺れている。そして赤い炎が、その葉の表面を舐めるように赤く照らしていた。


 ここは俗世間から切り離されたような場所だった。ひとの足音も聞こえてこないし、うわさ話が聞こえてくることもない。変化していくのは自然のみで、そのなかに埋没していると、自分も自然の一部なのだと自然と理解できるようになってくる。


 空は動き、植物は育ち枯れていく。人間も同じだ。日を追うごとに年を取り、成長したり、ゆるやかに枯れていったりする。いつかはこの世界中のすべてのものが朽ち果て、新しいものに変わられていく。それが自然のなかに流れるいくつもの時間のおかげで容易に理解できるのだ。


 男は、もともとそんなことを考える性格ではなかった。自分でもそれを不思議に思い、焚き火に向かって笑う。


「おれもずいぶん哲学者じみてきたもんだ。地球にいたら、こんなことは絶対に考えなかっただろうな」


 男は、自分を詩人や哲学者とはかけ離れた人間だと思っていた。しかしいまは、詩人の考えがよく理解できてしまう。それがおかしくて、ひとりで笑っているのだ。


 詩人はなにかにつけて植物を好む。その意味が、いまなら理解できる。


 あの有名な哲学者が言ったように、人間はものを考える植物なのだ。


 詩人はおそらく、その本質を知っているのだろう。だから植物を好む。人間と植物という一般的な関係における好意ではなく、植物と植物、つまり同じように生存している相手に対する親愛だ。


 植物は喋らない。しかしなにも考えていないとは限らない。


 人間もまた植物のように生きれば、様々なことを考えざるを得ないだろう。なにしろそのように生きるなら、考える以上にやるべきことはなにもないのだから。


 じっと考えることが苦手な人間でさえ、そうやって考えていればいろいろなことが浮かぶ。それなら生まれてからずっと考える以外になにもしていない植物たちは、人間では到達できないほどの叡智にたどり着いているのだろう。


「――人間、頭がよくなるってのも考えもんだな。丸くなっちまったら人生がつまらねえ」


 男は枯木を投げ込み、そのままどさりと後ろに倒れた。


 時間をかけて雲が流れていく。それを飽きることなく見つめている。


「いまごろ、世間はどうなってんのかね。革命軍は、ついに世界中を征服したか?」


 それほど簡単なことではないだろう。人類は、普段はいがみ合っていても、いざというときには強く結束する。革命軍はその結束を相手にしなければならない。達観しきった植物とちがい、人間はおとなしく殺されたりはしないものだ。


 革命軍とそれ以外の人類の戦争は遠からず起こるだろう。あるいはもう起こっているのかもしれない。その結末は、まだわからない。革命軍が勝ってもおかしくはないが、それはこの星における人類の滅亡を意味しているはずだった。


「ああ、そうか、神だ――」


 聖書にそんな記述がある。罪の町を、神が破壊するのだ。


 もしこの新世界にも神がいるとすれば、その神は革命軍ばかりになった地上を許しはしないだろう。彼らは悉く神の教えに背いている。どちらにせよ、革命軍の勝利した先に人類の繁栄はない。


 いま革命軍と戦おうとしている人間たちは、まさに人類の将来を背負って戦う戦士たちなわけだ。男は自分の過去を思い返し、笑ってやろうと努めたが、どうしても笑うことはできなかった。


 なにかの使命を帯びた戦士たち、というのは、どうにも映画的すぎる。軍のプロパガンダとして使われるたぐいの映画だ。そこでの軍人は、神に選ばれた戦士たちのように描かれる。しかし実際は、そうではない。


 軍人にも様々いる。本当にまじめに、映画の主人公になってもおかしくないほどまじめで国家に献身的な軍人もいるが、それは一部だ。まじめなやつもいれば、ごろつきもいる。軍に入る以外なんの手もなかったような人間が、国家のために喜んで命を投げ出すわけもない。軍役を終えるのをただ待っているだけの人間たちだ。


 男自身、そうした軍人のひとりだった。だからこそ栄光の戦士たちという像を笑いたくなったのだが、そうして選ばれた戦士たちは至ってまじめであり、本心から国家のために行動しているのである。それがおかしくもあり、なにか平手打ちでも喰らったような気分にもさせられる。


「ま、なんにせよおれには関係ない話だ」


 地球のことも、いまでは知りようがない。母国はいまもどこかと戦争をしているのかもしれないし、いくつかの苦い記憶に懲りてもう戦争はやめているかもしれない。


 男はぼんやりと空を見上げながら、やがてまどろみのなかに落ち込み、いつしか夢のなかへと進んでいた。



  *



「ううむ、どうします?」

「どうするもこうするも、なあ」


 とある辺境の町の、とある酒場の片隅にあるとある席である。


 酒場にはいつものように陽気な連中が集まり、酒を飲みながら歌い騒いで踊り狂っている。


 この地上にまだそんな場所があったのかというほど陽気な場所だった。それは、町自体があまりに辺境にあり、あまりにちいさく、またあまりにものがすくないため、革命軍の攻撃をまったく受けていないせいである。


 そんなちいさな町にだれが暮らしているのかといえば、立派な町から爪弾きにされた人間ばかりだ。


 犯罪者、浮気者、自称冒険家、盗賊、酒飲み、そういう人間が集まる町だけに、酒場はほかのどんな家よりも巨大で、ほかのどんな施設よりも立派だった。


「さっき〈赤ら顔のジャック〉が言ってたのは、そもそもほんとなのか?」

「いや、そのへんはわかりませんけど……」

「本当さ!」


 こそこそと話しているふたりに、赤ら顔のジャックが近づいて大声を張り上げる。


「おれの言うことはいつも正しい! 賭けをするならおれに聞け、おれなら百発百中だぜ!」

「おい、ジャック、じゃあこのコインの裏表はどっちだい?」

「表だ!」

「――残念、裏だ。よし、おれの勝ちだな。酔っぱらいなんか信用するもんじゃねえぜ」

「おいおいてめえこそ酔っぱらいじゃねえか」

「てめえよりマシさ」

「お、なんだ、やるのか。表に出ろ」

「へへ、ここで勝負つけてやるぜ」

「まあ待て、もう一杯飲んでからにしよう――で、おれのなにが嘘だって?」

「あんたの言ってるうわさ話さ。ほんとのことかって聞いてるんだよ」

「ああ、おれの話か。そりゃあ本当さ。嘘じゃねえ、この目で見て、この耳で聞いたんだ」

「てめえの目は片方見えちゃいねえだろうがよ」


 全員がどっと笑う。赤ら顔のジャックもいっしょになって笑っていた。


「ちがいねえ、ちがいねえ――で、なんの話だっけ?」


 ふたりの男はため息をつく。


「だから、あんたの話だよ。見たんだろ、革命軍を」

「ああ見たさ! そりゃあすげえ大軍だったぜ。あんな大軍は見たことねえ」

「それが北へ向かってたって?」

「北だか南だか知らねえが、どこかには向かってたな」


 まったくあてにならない話だった。ふたりの男が揃ってため息をつくと、赤ら顔のジャックは誇りを傷つけられたような顔になる。


「たしかに、北だった。ああ、間違いねえ。北に向かってやがった。それで、その男と会ったんだ。なんでもデュランダル王国とかいうところの男で」

「グランデルじゃなくて?」

「いっしょだろ、話の腰を折るんじゃねえよ。デュランダル王国とかいうところの男でだな、このおれに、このジャックさまにこう言ったのよ。あなたは革命軍の暴虐を許せますか、とな。おいてめえら、おれがどう答えたか当ててみな。正解はな、そんなことより金をよこせ、だ。そしたらやつは、金ならデュランダル王国にいくらでもあると言いやがった。腹が立ったんで追い返してやったさ」

「よくやった、それでこそ赤ら顔のジャックだ」

「いやいや、そうほめるなよ、おれは当然のことをしたまでだ。しかしまったくばかな男だぜ。デュランダル王国っていやあ、ここからはるか北の――南だったかな? とにかく、遠い国じゃねえか。そんな国からこんなとこまでやってきて、言うこと欠いて仲間にならねえか、だぜ。笑われにきたとしか思えねえなあ、まったく」

「しかし仲間になりゃあ金がもらえるんだろ?」

「そうさ。傭兵なんだとよ。革命軍とどんぱちやるらしい。ま、おれたちにゃ関係ねえ話さ。おれたちに関係あるのは酒と金と女だけ、あとは世界がどうなろうと知ったことか。滅びるなら滅びちまえ、それを肴に一杯飲もう」


 げらげらと笑う声が広い酒場に響き渡る。笑い声はあちこちから放たれ、やがてそれがいくつかの怒号になって、喧嘩がはじまる。喧嘩は絶好の賭けの対象だから、みんなで輪を作り、殴り合うふたりに声援を送ったり罵ったりして騒いだ。


 それでもまだ、酒場の隅でむっつりした顔をしている男たちがいる――いや、女もだ。女はその長い金髪をカーテンのように垂らし、机に突っ伏していた。


「どうします? やっぱりこの話、黙っときますか」

「それに越したことはねえだろうな。もし知られたら、いったいなにを言い出すか――」

「だれに知られたら困るって?」


 不意に女がむくりと起き上がった。男ふたりはびくりとして姿勢を正す。


「い、いや、別になにも? なあ?」

「そ、そうです、なんにもないです」

「こっちが二日酔いで苦しんでるってのに、さっきからうるさいんだよ、あいつらは――」


 女は青い顔のままふらりと立ち上がった。喧嘩を囲む輪をかいくぐり、ふたりの男が殴り合うリングに上がり込む。


 殴り合う男たちが女のほうを向いた瞬間だった。女の両拳がふたりの男の顎を的確に射抜き、男たちは膝から崩れ落ちる。


 一瞬静寂があり、喝采が上がった。札と小銭と男たちの声が飛び交うなかをくぐって戻ってきた女は、わずかに顔色もよくなっている。


 女は席に着くなりだれのものかもわからないグラスをぐいと呷り、なかに残っていた酒をすべて飲み干して、にやりと笑った。


「いくよ」

「は?」

「デュランダルだかグランデルだかって国さ。金が出るんだろ?」

「い、いや、でも、遠いですよ、ここからだと」

「馬を飛ばせばすぐさ。そこに金があるんだ。それに、グランデルってのはでかい国だ。お宝のひとつやふたつは眠ってるに決まってる。ついでにそいつも頂いて帰ってくればいい」

「いや、しかし……」


 とは言いながら、ふたりの男はすでに諦めていた。その女が一度言い出したら周囲の意見など聞く女ではないということをいやというほど理解しているのだ。


 女は立ち上がる。仕方なく男ふたりも立ち上がった。


「代金はつけときな!」

「つけなんか効くか、ばか女め。ちゃんと払っていけ」

「うるさいよ、ハゲ店主が。グランデルから宝を持って帰ってすぐに払ってやるさ」


 こうなっては、もうだれにも止められない。


 二日酔いはどこへいったのか、女は溌溂とした顔で酒場を出ていった。



  *



「聞いたかい、革命軍の話を」

「ああ、聞いた聞いた。なんでも北へ行ってグランデル王国と戦うんだろ?」

「うちにも要請がきていたらしいね」

「要請?」

「グランデル王国から、戦力を貸してくれって要請さ」

「ああ――で、どうしたんだ?」

「さあ。でも、貸さないんじゃないか。考えてごらんよ、うちは大陸の外れだから革命軍の被害も大して受けてないし、戦争に駆り出されたら死者だって出る。しかも、負けたときにはうちも目をつけられる。戦争に行ったっていいことはひとつもないよ――あ、姫さまだ」


 呉服屋の軒先から、うわさ話好きの主婦ふたりが顔を出した。


 その前の街道を、ちょうどひとりの少女とひとりの青年が歩いている。少女が前を歩き、その三歩後ろを青年が続いていて、少女はかけられた声にも応えず歩いていくが、青年はいちいちに頭を下げ、返事をして通っていた。


「姫さま、今日の散歩はどうだい? なにかおもしろいものは見つかったかい」

「なにもないわ。無礼な言葉遣いの一般人以外」

「ああ姫さま、そのような言い方をしては――申し訳ございませぬ」

「いいんだよ、別に。そういう性格なんだろう」


 少女はふんと鼻を鳴らし、笑う主婦の前を通り過ぎる。それからふと足を止め、青年が追いつくのを待った。


「イオリ」

「はっ、姫さま」

「例の準備は?」

「進んでおります。しかしいかんせん、この国の警備もありますので、すべての戦力というわけには。せいぜい、自由に動けるのはわれわれ四士くらいかと思われます」

「ふん、まあ、いいわ。とにかく、今日、明日中には出発しなさい」

「はっ――」


 空は薄く曇っている。この空の下で、いままさに人類の行く末を決める戦争が起ころうとしている。


 少女はまた歩き出した。背筋を伸ばし、颯爽と風を切って、この国の姫として美しく歩くのである。


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