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万象のアルカディア  作者: 藤崎悠貴
天空の魔法都市
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天空の魔法都市 9

  9


「おーい、なにか見つかったかい?」

「いや、なんにもないですね。ほんとに家なんですかね、ここは」


 蜂の巣のように穿たれた無数の居住区のひとつから顔を出し、ジッロは首を振った。

 一段低い位置にある、公園か広場のようなものらしい開けた空間の真ん中にどかりと腰を下ろしたベスも、ちいさくため息をついてうつむく。


 ベス、シモン、ジッロの三人組アレグロ盗賊団がこの町へ着いたのは、いまから数時間前のことである。

 死に物狂いで山を上りきった先にあったのは、シモンの言ったとおり、ひとつの町だった。


 三人は崩れた山肌から町へと上がったのだが、あたりを見回すまでもなく、そこがごくありふれた町でないことがわかった。

 地面がそもそも、異様なのだ。


 普通なら土か、あるいは石でできているはずの地面だが、その町の地面はすべて銀色の奇妙な鉱物だった。

 家のなかではなく、通りからしてその鉱物が敷き詰めてあるのだ。

 銀のような、しかしそれよりもさらになめらかな質感で、石のような継ぎ目もなく、まるでひとつの鉱物をそのままぺたりと張り付けているかのような地面だった。


 それだけでも、地上の町では見かけたことがないものだ。

 持ち帰れば高く売れる、とどこかのだれかのように考え、その鉱物を砕こうとした三人だったが、その試みはすぐに挫折した。

 手持ちの錆びた鉄釘や木槌で、果てはベスが持っている一丁かぎりの拳銃で狙ってはみたが、砕くどころか、そんなものでは傷ひとつつけられなかった。


「まったく、いったいなんなんだろうね、この町は」


 自分の顔が反射する地面をぺちぺちと叩き、ため息をついた。

 一方、居住区らしいものの調査をしているジッロは、ひとつの穴を出て別の穴へ入る。


 地面の鉱物にしても、なんとなくすっきりとした町並みにしても、信じられないほど高度な文明による町なのはジッロにもわかっていた。

 しかし一方で居住区は山をくり抜いて作ってあるだけという簡素なもので、金目のものでもないかと探しているのだが、なにも見当たらない。


 壁に沿って無数に存在する家は、どれも同じ作りをしている。

 入ったところがいちばん広い部屋で、奥にひとつ、風呂場と便所のような部屋があるだけ、といういかにも簡単な作りだ。

 そしてそれらの部屋には棚もなければ人間の生活を思わせる家財道具は一切なく、がらんとしたただの空間なのである。


「うーん、せめて台所くらいないと生活できないと思うんだけどなあ。やっぱりここは家じゃないのかもしれないな」


 地面と同じ、白銀のつるりとした鉱物でできている壁を手探りながら呟く。

 すると突然、背後のほうで、がしゃん、と音がした。


「わっ、なんだ?」


 振り返ると、先ほどまでなにも存在していなかった壁に、なぞの台が出現している。

 その台はジッロの腰ほどの位置にあり、壁がぬっと生えているが、壁との付け根を見ても継ぎ目がわからず、はじめから壁と一体となってそこに存在していたかのようだった。


 ジッロは知るはずもないが、それがまさに台所なのだった。

 ジッロはしげしげと台を眺めたあと、また先ほどと同じあたりを手探りする。

 案の定、台はまた音を立てて壁のなかに消え、また触ると、出てくる。


「ははあ、こういう仕組みなのか。ほかにもこういう仕組みがあるのかも」


 ジッロはひとまず部屋中の壁という壁を触ってみることに決めた。


 そのころ、先に通路を進んでいたシモンは、ある壁の前で首をかしげていた。


「なんだ、こいつは?」


 町は基本的に、槍のように伸びている山の周囲をぐるりと囲むようにできている。

 通路は大きな螺旋状で、歩けるだけの土地がある分、棒の上に皿を乗せたような形状ではあるが、町そのものは山に沿って発展したらしいことが伺えた。


 そのため、町の中央というのは常に山であり、山肌がそのまま露出している部分も多い。

 しかしその山肌に、明らかに人工的な赤いものがあった。

 丸く、なにやら出っ張っていて、その上に文字が書いてある。


「んんー?」


 シモンは目を細めて文字を眺めたが、そもそもシモンは文字が読めなかったし、読めたとしても現在地上で使われているものとはちがう文字だったから、意味はまったくわからなかった。


 とりあえず、シモンは自分の頭より高い位置にあるその丸いものを、背伸びして押してみた。

 赤いものはぐっとなかに押し込まれて、どこかで低い地鳴りのような音がする。

 同時に、本能的に恐怖を覚えるサイレンが鳴りはじめた。


「わっ、し、しまった、押すとまずかったか?」


 しかしシモンが見える範囲には変化も起こらなかった。

 しばらく赤いスイッチに指を当てたまま待っていたが、サイレンも鳴り止み、変化もないので、首をかしげつつ手を離す。

 そのスイッチがなんだったのかといえば、


「なな、なんだいこれは!」


 町の外周にある広場に座り込んでいたベスは、慌てて立ち上がって町の中央に駆け寄った。

 というのも、ベスが座っていた地面が急に傾斜しはじめたのである。


 山を中央とするなら、外側から内側へと傾いて、地面が折り畳まれようとしていた。

 ベスはつるつるとした地面を半ば滑るように走り、居住区の外にある通路に飛び込む。

 その瞬間、先ほどまでベスが座っていた地面がぱたりと紙のように折りたたまれ、かたん、かたん、と音を立ててさらに細かく折られて、通路の下にするりと入っていった。


 あとにはただ、青い空が広がっているばかりである。


「あ、危ないところだったわ……」


 もうすこし遅れていたら地面といっしょに折り畳まれていたか、あるいは宙に投げ出されていたにちがいない。

 ベスは冷や汗を拭い、髪を掻き上げる。


「突然なんだっていうんだ、いったい」


 もちろんそれがシモンのせいだとも、シモンが押したスイッチは「拡張式広場開閉スイッチ」だったとも知るはずはないのだった。


「まさか、盗賊撃退用の罠か? ううむ、侮れないわ」


 ベスは真剣な顔で、ごくりと唾を飲み込んだ。


「シモン、ジッロ、この町には罠があるよ、気をつけな!」

「へーい」


 遺跡には罠がつきものだが、それは決して悪いことばかりではない。

 つまりここには、罠を張るべきなにかが眠っているということだ。


「くそ鳥を追って、思わぬところにたどり着いたもんだけど、まだツキは離れちゃいないわ」


 ベスはにやりと笑い、町のどこかにあるはずのお宝を求めて歩き出した。



  *



 五人が入った建物は、なにもない小屋のように見えた。

 円形の空間で、部屋はそれひとつしかなく、直径は四メートルほどしかない。


 そこになにがあるかといえば、なにもない。

 家具もなにもなく、ただ円形の空間が広がっているだけなのだ。


 壁は、地面と同じ白銀の鉱物めいたものだった。

 やはり継ぎ目のようなものは見当たらず、そのつるりとした表面が怪訝そうな顔の五人を映し出している。


「ここが、中央管理室?」


 大輔は部屋のなかを見回しながら呟いた。


「なにもないように見えるけど、施設にあったものは全部持ち出されたのか?」

「いえ――」


 とミラが答える。


「これがこの部屋のあるべき姿なの。ここは基本的に、人間が出入りすることはない場所だから」

「それじゃあ、町を管理しているのは、いったいなんだ?」

「わたしよ」


 ミラははっきりと言った。


「わたしであり、わたしと同じ存在。ルネ、わたしをこの部屋の真ん中に下ろしてくれる?」

「あ、ああ、わかった」


 円形になっている部屋のちょうど中央に箱を下ろした。

 その瞬間、それまでと同じようにミラから発せられた光が地面を伝い、それが壁へと広がって、丸くなった屋根の頂点に集約される。


 心電図のようなその光の波形はさらに何度か続き、やがて、床がかすかに振動しはじめた。

 泉が紫にしがみつき、燿は目を輝かせてあたりを見回す。


 不意に、屋根が動いた。

 みかんの皮でも剥くように中央から離れ、日差しが強く差し込む。

 屋根は垂直になり、そのままするすると壁のなかに消えた。


「すこし揺れるわ」


 ミラが言った。

 次の瞬間、そのとおりに床がぐらりと揺れ、そのままふわりと浮き上がって、開いた天井から外へと出ていく。


「す、すげえな、これは」


 大輔も思わず恐怖を忘れて呟いた。

 床は屋根の上、十メートルほどのところで止まった。


 それで終わりかと思いきや、今度は床の端が開いて、同じ質感の、銀色の物体がぬっと現れる。

 それは周囲を壁のようにぐるりと覆ったあと、内側へ展開し、人間用のコンソールとなった。


 無数のボタンやスイッチが配置され、銀色の壁に青白い光の線が走って図形となる。

 そしてそこに、なにか文字らしいものが表示された。

 ルネにもわからない言葉で、首をかしげていると、後ろから大輔が、


「管理権限のことを言ってるみたいだな」

「おに――おじさん、わかるの?」

「そこは言い直さなくてもよかったけど、だいたいのことはわかる。このあたりの言葉の元になった古語との関連性が強い。完璧にはわからないけど、言いたいことくらいはなんとなくわかるよ」

「すごいのね、異世界人って」


 ミラの声が、箱ではなく、部屋全体に響いた。


「わたしたちの言葉を理解できる人間が残っているなんて」

「じゃあ、きみはその時代の存在なんだな?」

「そう、これがわたしたちの言葉」

「いったい何千年前のことやら――人間ってのは侮れないよなあ。それで、管理権限は?」

「わたしに戻ったわ」


 ディスプレイのようになった白銀の壁が、一斉に発光をはじめる。


「ようこそ、わたしの町へ」


 ミラはそう宣言し、発光パターンに歓迎の意味を込めた。

 燿たちにそれが理解できたわけではなかったが、どうやらここがミラの生まれ故郷であり、生きるべき場所なのだということは理解できる。


 紫はぐるりとコンソールを見回し、すこし笑った。


「なんだか宇宙船のなかにいるみたいね。それか、秘密組織の司令室とか」

「わあ、すごい、このスイッチなんだろ?」

「こら、燿、勝手にあちこち触らないの」

「あ、もう押しちゃった。でもなんにも起こんなかったよ?」


 ほら、と燿はコンソール上のスイッチをかちかちと押す。

 たしかになんの変化も起こらなかったが、だからといって手当たり次第に押してよいわけではなく、紫は燿の手をぎゅっと握ってその好き放題を押さえた。


 そのあいだ、大輔はといえば、部屋のなかを何度も見回してぷるぷると震えている。


「先生? どうしたんですか、症状が悪化したんですか?」

「こいつはすごいぞ、ゆかりん」

「マジでここから突き落とすぞ」

「こいつは本当に失われた古代の魔法文明なんだ。なんてことだ。こんなものが、こんな完全な形で残っているなんて。こんな場所にあるからいままで盗掘もされずに残ったんだろうな。こいつはすごい発見だぞ、もともとぼくの名前は人類最高の天才として歴史に残るはずだったが、同時にこの遺跡の発見者としても歴史に名を残すかもしれない。いやいや、そんなことはどうでもいい、それよりもここで使われている魔術を解析すれば、いままでよりはるかに効率よく魔術が組めるかもしれないし、いまではどんな書物にも書かれていない魔法だって見つかるかも――」


 言っていることのほとんどは理解できないし、そのつもりもなかったが、この発見に興奮していることは確からしい。

 一方、ルネはといえば、魔術にも魔法にも興味はなかったから、ミラはこんなところに住んでいたのか、と不思議な気持ちで表示される文字や図形を眺めていた。


「なんだか、信じられないな――こんな町が、自分の家の真上にあったなんて」

「でも、わたしたちが出会ったのは偶然ではないわ」


 いまや部屋そのものとなったミラがやさしく言った。

 心なしか、ルネにはその声が大人びて聞こえた。


「この町のすぐ下にあなたの家があったから、わたしたちは出会うことができた。そしてわたしはここへ戻ってくることができたの」

「うん……ねえ、ミラ。いま、きみは幸せなのか?」

「ええ」


 ミラは、ルネの心情には気づいていないような朗らかな声で答えた。


「あの端末だけでも最低限の機能は果たせるけれど、本格的な演算をするには能力が足りないの。いまはその能力を取り戻した。といっても、根本的に魔力が不足しているから、完璧とはいえないけれど」

「――よくわからないよ、きみが言うことは」


 ルネはふと視線を落とした。

 今度は、ミラもそれに気づく。


「ルネ? どうかしたの?」


 あの暗い採掘抗で聞いていたミラの声は人間そのものだったのに、いま部屋のなかに響く声は、まるで別人がミラのふりをしているように聞こえて仕方なかった。

 もちろんそれは気のせいなのだろうとルネは理解している。

 しかし、ミラと別れなければいけないことと、ミラをこの不思議な町に取られてしまったように感じることは、消しがたい不快感としてルネのなかに残っていた。


「きみは、ここでどうやって暮らすの?」


 ルネは自分の気持ちをごまかすように言った。


「どうやってって?」

「町にはだれもいない。この町で生きているのは、きみひとりだけだ。それでも、寂しくないの?」

「寂しい、という気持ちがわたしにはわからないの、ルネ」


 その声は、別段寂しいふうでもなかった。

 採掘抗で聞いていた、ルネを引き止めようとしているような声とはまったくちがった響きだった。


「わたしはここで生まれた。この町を管理するために生まれたの。人間とは感覚として異なる部分も多いわ。基本的に、わたしには感情と呼べるようなものはない」

「感情がないだって?」

「それは人間の相手をするときに必要な自己表現のひとつに過ぎないわ」


 壁に、ミラの姿がぽんと現れる。

 それは箱のなかに囚われていたちいさな妖精の姿ではなく、ルネと同じ身長の、どこにでもいるような少女の姿だった。


 ルネは言葉ではなく納得する。

 ルネが友だちだと思っていたミラは、あの箱のなかにしか存在していなかったのだ。

 こうして生まれた場所に戻り、自由になったミラは、もはやルネが好きだったミラではなかった。


「人間と同じ姿を持ち、人間と同じ表情を浮かべ、人間と同じ思考をする。そうすることで人間は安堵する。わたしは人間と共存するものなの」

「だったら、余計に変だ。ここにはもう人間なんていないんだよ、ミラ」


 等身大のミラはゆっくりと首を振った。


「人間が存在しなくなっても、町は存在する。わたしは人間と共存する。でも、人間がいなければ生きていけないわけではないわ。わたしの使命は人間の世話をすることではなく、この町を維持することなの。だから、わたしはここに帰ってこられて幸福よ。自分の使命を果たすことができて」

「――そう、それなら、よかったよ」


 やっとのことでそれだけ言って、ルネはうつむいた。

 いますぐ、あの無限に続く畑に、水路がつけられた小川に、なにも変わらない日常に帰りたかった。

 これではまるで、悪夢のようなものだ。


「おじさん、いつまでここにいるの?」

「ん、そうだなあ」


 大輔はすこし考えて、


「いろいろ町の様子も見て回りたいし、参考として書き残しておきたいものもあるし、まだもうすこしいようと思うけど――ルネ、きみだけでも先に下へ送ってあげようか?」

「いや、別にいいよ」


 投げやりな声に、大輔はその心情を察した。

 しかし挫折した少年にかける言葉はなにもない。

 それはすべての少年が経験する現実に対する挫折で、だれかに手を引かれて立ち上がるべきものではない。


 むしろ、その差し伸べられた手を、少年は嫌悪するだろう。

 時間がかかっても、そこからは自分の力だけで立ち上がるしかないのだ。


「ミラ、この町について、いろいろ教えてほしいことがあるんだ。かまわないかな?」

「ええ、もちろん」


 映像のなかのミラは、愛想よく微笑んでいた。

 ルネは自然とその奥の、ミラの本心と呼ぶべきものを想定していたが、実際は、ミラには本心などなかった。

 笑顔を浮かべているのは、機械的な反応にすぎない。

 その裏で大輔を蔑んでいるわけでもないし、心の底から笑顔を浮かべているわけでもない。

 ただ、笑顔を浮かべるように作られているから、笑顔を浮かべているにすぎないのである。


 大輔は、ミラのことをそう理解していた。

 それは、機械だ。

 人工知能といってもいいが、要は思考の自由度を狭められた知性ということになる。


 この都市に暮らしていた人間たちは、何千年も昔に魔力を動力源にした人工知能を作り上げていたのである。


 その技術は、いまではすっかり失われている。

 この新世界にも、そして地球にもそんな技術は存在しないが、うまくすれば魔法から再現する道が見つかるかもしれない。


「――それにしても」


 これだけ栄華を誇った文明が、なぜ地上では跡形もなく消えたのか。

 そもそも、魔法を使えないはずの新世界の人間が、このような魔力を生かした都市を作り上げられたのはなぜか。


 使用されている言語を見れば、地球文明が関与していないことは明らかだった。

 むしろ、と大輔は思う、かつて新世界には現在の地球文明を凌駕する文明が花開いていて、その種子が、地球に行き着いたのだとしたら。


 あるいは、地球の失われた古代文明がこの新世界で一大勢力を築いていたとしたら――。


 それは、現時点ではひとつの妄想にすぎない。

 しかし真実に近い妄想だと大輔は直感する。

 新世界と地球とは、親密な関係にあるはずだ。


「ミラ、この町に暮らしていた人間たちは、魔法を使うことができたのか?」

「いえ。あなたたち異世界人が使う力を魔法だとするなら、彼らは魔法を使えなかったわ」

「魔法を使えなかった? 町にはこんなに魔法が使われているのに?」


 そんなはずはない、と大輔が言いかけたときだった。

 部屋に、ブザーのような耳触りな警告音が響く。

 大輔はとっさに燿を見たが、燿は無実だというように両手を上げ、首をぶんぶん振った。


「どうした、なにかあったのか?」

「侵入者のようね」


 ミラの映像が消える。

 代わりに、幾筋かの光が図形を作り出した。


 どうやらそれは、この町の見取り図らしい。

 壁の表面を複雑に光が這い、図形が回転して、山に沿って螺旋状に作られた町の全容が映し出された。

 その町の下部、家々が密集しているらしいあたりに、点滅する光点が三つあった。


「侵入者って、どういうことだ? ぼくたちのほかに、この町にだれかいるのか」

「この町に暮らしていた人間たちではないわ」

「でも、ここは空の上だぞ。どうやって」

「わからないけれど、なにかがいることはたしかね」


 大輔とルネは顔を見合わせる。


「それで、どうするんだ、ミラ」

「わたしの使命はこの町を維持すること。町に危険があるようなら、侵入者を排除するわ」


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