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芦の三姉妹 15

『お兄ちゃん』


日曜日の夕方。リビングで詰め将棋をやっていると、雪葉が声を掛けて来た


『ん? どうした、雪葉』


『バナナ頂戴』


『食べたいのか? なら後で散歩がてら買って来てやるよ』


『今、頂戴』


『今って言われてもな……じゃ、急いで行ってくるか』


『今、頂戴』


『待ってなって。10分で戻って来るからさ』


『今、頂戴』


『だから今は無いんだって。急いで買って来るから』


『此処に一本あるだろうがぁあ!』


『ギャアアアアアアアアアア』


「あああああああ……あ?」


目を開けると辺りは真っ暗で、いつもとは違う寝心地に気づく。ここは……


「叔父さんの部屋?」


そうだ、俺はあの後直ぐに寝ちゃったんだった。それにしても凄くリアルな夢だったな、今も股間を捕まれてる感触があるぐらい……いっ!?


「ぎゃあああ!?」


リアルに捕まれてるぅうう!


「起きたんだ」


「げげっ!?」


ベッド横から人の声があった。そちらに目をやると……


「な、なにをやってるんですか楓さん!?」


ベッドの端に座っている楓さんが、布団の中に手を突っ込んでいた


「夜這い。君は寝てて、私がしたいだけだから」


「よーし、それなら寝るぞーって寝られるか!」


「そう? なら起きてれば」


楓さんは布団をめくり、そのまま俺にのし掛かった。絡ませてきた足の艶かしさにこの人が寝巻きの下を履いていない事に気付く


「ちょ」


「君が嫌い」


「ぃっ!」


俺の首を甘噛みし、キスをする。背筋がゾクッと寒くなり金縛りにあったように動けなくなった……ってか本当に動けない!?


「でもそんなの君だけだから」


起き上がり俺の下腹を跨ぐ様に座った楓さんは、寝巻きのボタンを下から一つずつ外してゆく。引き締まっては居るが細すぎないその腹は、呼吸する度に小さく膨らみ、女性特有のなめらかで柔らかそうなラインを強調した


「君が欲しいよ」


そしてボタンは全てが外される。締め付けから解放された胸は寝巻きを浮かし、ご立派な下チチを作って下さりまして……


「…………あ」


や、ヤバい、見とれていた。このままでは俺のビッグなダディが痛快な事になってしまう、止めなくては


「楓さん、いい加減にしてくれませぎゃー!?」


俺のダディをわしずかみ!


「あれ? 君、意外に……少し準備してくれば良かったね」


「離して、その手を離して!!」


「参ったな。私、少し高揚してる」


確かに僅かだが楓さんの呼吸は乱れていた。しかし俺の方が乱れまくりで息苦しい


「初めてだよ。見て欲しい、触って欲しいと思えるの」


楓さんはそう言って腰を軽く浮かせ、下着を太ももまで下ろした。そして自分で股を触り、少し意外そうな顔をする


「……これなら準備いらないね」


濡れた指で俺の頬を撫で、再び腹に体重を乗せた。さっき迄とは明らかに違う感触に、心臓が爆発しそうなぐらい高鳴った


「一緒に気持ち良くなろう?」


「はい……って、何が『はい』だよ!? マジで駄目ですって楓さん! 俺、今までわりと健全な生き方して来たんですから!!」


雪葉や春菜達の兄として、最低限守らないといけない境界線があるのだ!


「駄目。言ったよね、逃がさないって」


「今日は何もしないって言ったじゃないですか!」


「さっき、日付変わったよ」


「そ、そんな子供みたいな屁理屈を」


「嫌なら私を突き飛ばして逃げなよ」


「動けないんですって! って止めて、寝間着を脱がさないで〜」


「君うるさい。私の指でも噛んでれば?」


「モゴモゴ!?」


絶体絶命のピンチ。だがその時、部屋のドアが開かれ光の救世主が現れた!


「待ったー!!」


「つ、椿!?」


「騒がしいから何だろうって思ったら……恭の意志を無視して無茶したら駄目だよ姉さん!」


救世主椿はベッドに近寄り、膨れっ面で楓さんをキッと睨み付けた。余り迫力ないが頑張れ!


「……二時間ぐらい部屋に戻ってる。後は好きにして」


それに対して楓さんは軽く受け流し、とんでもない事を言う


「え!? そ、そんな……うん」


「うんじゃねーよ! 俺の意志は無視か!?」


「……私もする」


そこで梢がひょっこり登場!


「っていつから居たー!? 良い子はもう寝てなさい!!」


「……めんどくさいな。もう四人で良いよ」


「良くねー! なーんも良くねー!」


「椿」


「あ、姉さん、ち、ちょっと、どこ触って! うぁっ! や、やぁ」


「お前らとっとと部屋から出ていけー!!」


「あ、恭介が怒ったの」


「う、うん……ご、ごめんね恭。いこう姉さん」


「……ふふ」


椿と梢に引っ張られ、楓さんも部屋から出て行った。数十秒前が嘘の様に部屋は静かになり、俺はホッと息を吐く


「ふー」


楓さんが最後に見せた笑みが気になりまくるが、とにかく助かったようだ


「……まったく」


酷い目にあったな


しかし、いつになったら金縛りが解けるんだ? 下がスースーして気持ち悪いんですけど


「……今日はもう寝れないか」


目を閉じて時計の音でも数えよう


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