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雪の妹大会 14

セットに上がり、最初に俺はベッドへと近く。そう、まずはここからだ


六百個以上ありそうな俺を注目する目と、三台のカメラ。以前演劇をやった時とは較べものにならない緊張感と、吐き気が俺を苦しめる


「…………ふー」


息を思い切り吐き、震える足をごまかしてベッドへ入り込む。よし、頑張るぞ!


「ぐーぐー」


ジリリリリリリ


始まった! ドアがガチャリと開く音がし、止められる目覚まし時計。そして


「お兄ちゃん、起きて」


甘ったるい声で俺を呼ぶリサ


「ぐーぐーぐー」


「起きてー」


リサは俺を軽く揺すり、一生懸命起こそうとしている


「ぐーぐーふがふが」


……寝たふりも結構難しいな


「もーお兄ちゃんたら、はやく起きないとー」


ぎしっ。スプリングの音が鳴った。どうやらリサがベッドの上に乗ったらしい。何をする気だ?


「……踏むわよ?」


「ぐえ!?」


奴は冷たく言い放つ! ってか、腹!?


「あら、ごめんなさい。もう踏んでたわ!」


「ぐ、こ、この」


「え? なぁに、お兄ちゃん。お顔も踏んで欲しいって? 変態さんだぁ」


「ち、ちよっ! それ違っうげ!?」


「うふふ。ねぇ、どうなの? 嬉しいの? 妹にこんなことされて嬉しいの? ねぇ! ねぇ!! ……あは。あははははははははは!!」


「こ、こら! いい加減に」


「あ、起きた。じゃ〜あご褒美。あげるね?」


リサは履いている靴下を脱ぎ、俺を冷たく見下ろして言い放つ


「ほら、舐めて良いよ。美味しくお食べ、豚」


「…………おいこら」


起き上がり、リサの頭を掴んで縦に振る


「あ、あ、あ〜〜! やめて〜」


「まだ会って間もないけど、お前には少し説教をする必要があるようだ」


このままほっといたら、夜の女王様が誕生してしまう


「はなせ変態〜」


「少しは反省しろって」


更に倍。はらたいら!


「あ〜バターになる〜。ご、ごめんなさいぃ、調子にのってました〜」


「……よし。もう人の顔を踏もうとするなよ?」


頭、解放


「ううぅ……わ、分かったわよ」


リサは俺を睨み、スカートのポケットからコンパクトを取り出す


「あ~もう、人の頭を勝手に掴んで。髪が乱れちゃったじゃない、乱暴なんだから!」


「悪かった、悪かった」


しかし、これはもう駄目だな。周りの観客も引いて……


「……踏まれたい」


「はい?」


「ナイスツンデレ!」


「最高だ、最高だよ、あんたら!!」


パチパチと拍手が鳴り響き、俺達は大歓声に包まれる。てかなんで?


「ほら見なさい。所詮、豚なんてこんなものなのよ? うふふ」


このへんてこな状況にリサは満足し、唇を軽く舐めて妖しく微笑む


「さぁ、最後の決めゼリフを言ってくれぃ! 妹ちゃ~ん!!」金色オッサンが興奮気味に叫び、その叫びを受けたリサは、俺をじっと見つめて最後の言葉を言った


「でも、私はそんなお兄ちゃんが大好きです! えへっ♪」


「………………」


だめだこりゃ

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