そう、体は悲鳴をあげてたのさ
AYAMIの方も荷物が多いために、自宅への直接配送とセッティングの手続きをする。
ゲームユーザーが増えるのは良いことだ。
「色々教えてくださいね?」
カリカリとセッティングのための書類を書きながら言われた言葉に自然と笑みがこぼれる。
「もちろん!手取り足取り教えます」
オンラインゲームの初心者さんが辞めやすい理由の7割が『ゲームのやり方がよくわからない』が離れる原因だと思う。
先輩ユーザーが教えられる機会があれば、それだけで『ゲームのやり方がよくわからない』という理由で離れていく初心者さんが減るのではないかという私論だ。
書類の手続きも済み、セッティングの日取りも決まればまだまだ暑い店の外に出た。
暑いねー、などと他愛の無い話をしながらどっか喫茶店でも入る?と話していればドンッと背中に衝撃を感じ振り替える。
「…ニノちゃん?どちら様?その人…」
後ろから抱き締められるような感じで体に手を回され、少し低めの声で言われたその声にゾゾッと背筋に悪寒が走る。
「あ、あかりちゃん」
ついさっき家を出るって電話口で言っていたから完全に油断していた。
いや!別に浮気とかしているわけじゃないからやましい事は無いんだけどね?!
「どちら様…?ニノちゃん」
「ちょ、まっ、痛い痛い痛いっ!!」
体に回された腕はギリギリとしまっていき、あかりちゃんの質問に答える前に痛みと苦しさに抗議の声を上げる。
「や、やめてあげてください!」
私とあかりちゃんのやり取りを困ったように見ていたAYAMIが、私の「ぐぇ…」という潰れた蛙のような声を出したと同時にあかりちゃんの腕を掴む。
驚いたのか腕の力は若干弱くなったが、肩越しにあかりちゃんの視線がジロリとAYAMIを見た。
「あの、ニノさんが痛がってます。やめてあげてください」
あかりちゃんに睨まれてるのだろうがAYAMIが私を助けようと声を上げてくれている。
なんて優しい子なんでしょう…。そう思っていれば、何を思ったのか、あかりちゃんの腕を掴んでいたAYAMIの手が私の首に回されグッと引き寄せられた。
「むんぅっ?!!!」
「な?!離してよ!!」
「あなたこそ離してください!!」
ぎゃいぎゃいと頭上であかりちゃんとAYAMIが言い合う声が聞こえる。
もう視界は塞がってるし、AYAMIのまぁまぁ柔らかくて豊かなおっぱいで口も塞がってるし、みぞおちは圧迫されて息はできないし、肋骨はメリメリと軋む音がする。
死んでしまうかもしれない…。
遠のいていく意識の中で、ぴぴぴぴぴーーっ!と警笛の音が聞こえた。




