第4話 悲しい物語
武器強化システム。
またの名を裏の集金システム。
私は嘆きました。
どうしてこうなのかと。
R〇では、強化に失敗すると、武器そのものが消滅しました。
AI〇Nでは、武器こそ消滅しなかったのですが、レベルが上がる度に新しい武器を求めて彷徨い、手に入れたと思ったらまた強化。
やっと至高の1品を作ったと思ったら、魔石セッティングで複数武器確保。
おまけに裏につけるPVP武器のためにAP溜める作業。
私の心は削れていきました。
私は武器が成長すればいいのにと思いました。
たった1つだけの武器。
でもその武器が成長していって…いろんな顔を見せてくれる。
そして閃いたのです…これだ!
武器だよ!武器!
武器を主人公にしよう!!!
これが伝説の木の棒の第1歩となりました。
さて武器を主人公にすると決めた時…どんな武器にしようかと悩みました。
いろんな武器を考えましたが…ある悲しい物語を思い出したのです。
そこにいる冒険者達は、みんな勇者を待っていました。
世界は魔王に脅かされています。
そんな時…冒険者達の中である噂が広まりました。
酒場にいると勇者がご指名してくれる。
冒険者達は我先にと、その酒場へ向かいました。
その冒険者は勇者に選ばれました。
冒険者は喜びました。
自分は世界を救う英雄になれると。
勇者は冒険者と一緒に、一番近くのお店に向かいます。
きっと自分の装備を買ってくれるんだろうと思っていました。
勇者は、冒険者が持っている棒を自分に渡せと言ってきました。
冒険者は疑うこともなく、勇者に棒を渡します。
勇者はその棒をお店に売った後、冒険者と別れ、すぐにまた別の冒険者と一緒にお店に向かっていきました。
この悲しい物語を思い出した時…あれ?棒じゃなくて布きれだったか?と記憶が曖昧でしたが、それはどうでもよいことでした。
あの悲しい棒を…主人公にしよう。
素敵な棒を描こう。
みんなが笑顔になれるような、そんな物語になるはずだ!
私の妄想は次から次へと溢れてきました。




