第20話 師匠の小説の話
こんにちは、木の棒です。
師匠の無職転生の本が発売となりました。
おめでたい!
さて、なろうでの無職転生はものすごいことになっており、謎や展開の予想で出会いと別れの2番地の酒場は大盛り上がりです。
私も連日酒場での議論を盗み聞きしては、自分なりに考察しています。
そこで、今日は私なりの無職転生の謎や展開について考えてみたいと思います。
特に“私はこんなすごいことに気付いているのだ!”なんてものはありません。
また理路整然と書ける自信もありませんので、支離滅裂な感じになると思います。
作者でない読者の予想であっても、そのようなことを読みたくないという方は読まれない方がいいでしょう。
以下、間を開けておきますので、読みたくない方は閉じてください。
私が無職転生の謎や展開を予想するにあたって、最重要人物としているのが“ナナホシ”です。
ナナホシシズカ、漢字で書くと「七星静香」だそうです。
ルーデウスの世界では「七」は縁起の良い数字で使われているそうです。
七英雄、七世界とか。
逆に六が不吉な数字だそうです。
そんな縁起の良い「七つの星」な彼女は転移者であり、ルーデウスがニート界の覇王として君臨していたころ、最後に命を賭けて助けた女性であります。
と書いたのですが、実はちょっと違います。
ルーデウスはナナホシを助けていません。
ルーデウスが助けたのは、言い争っていた男女二人を落ち着かせようとしていた男性です。
ナナホシはケンカしていた男性に抱きしめられており、ルーデウスはナナホシとその男性を助けることなくトラックにぶつかっています。
そしてトラックにぶつかる直前、何かが後ろで光った気がした、という一文があるのですが、この光がナナホシ達を異世界に転移させた光だったのでしょう。
さて、ナナホシが異世界に転移したのは間違いありませんが、残りの男性2人。
恐らく名前は篠原秋人と黒木誠司です。
どっちがどっちなのか分かりませんが。
この2人はどちらも転移したのか? 片方だけなのか? それとも転移していないのか?
ナナホシはケンカしていた男性に抱きしめられていたはずなので、転移するならその男性も一緒に転移するのではないか?
さて、そもそもルーデウスが転生したのはなぜでしょう?
理由は分かっていませんが、ルーデウスの転生に人神は直接的には関係していないけど、間接的には関係しているらしいです。
ここから推測すると、ナナホシ達を転移させたのは人神だけど、その時にルーデウスが巻き込まれて転生してしまった……と仮定します。
もしくは人神曰く「転生なんてものは悪い龍神の得意とするところ」らしいので、人神の力に干渉して、悪い龍神がルーデウスを転生させたのかもしれません。
では、なぜ人神は転移者を必要としたのでしょうか?
ここで転移者の特徴をおさらいです。
・不老
・魔力がない
簡単に書いちゃいましたが、これもちょっと違います。
まず不老ではなく、死体のような感じです。
歳を取らない、髪や爪が伸びないということからして、ナナホシはあの世界では“生きていない存在”として世界に扱われているのではないか。
そして魔力がない。
あの世界では死体でも微かな魔力を持っているそうです。
それなのに魔力0。
やはり“生きていない存在”という扱いに思えます。
そんなナナホシさんですが、最近“ドライン病”であることが分かりました。
太古の昔、魔力を持たずに生まれてきた子供がかかった病気です。
魔力を持たない者は、魔力を中和する力が弱く、10年ほどかけてゆっくりと魔力を溜め込み病と化す、そんな病気です。
ドライン病は魔界大帝キシリカから“ソーカス草”を飲めば溜まった魔力が体外に排出されることを教えてもらい、ナナホシは助かります。
このソーカス草、何でも美味しくて、飲むと“長寿”になるらしく、さらに“不死魔王の血族”はみんなソーカス草を飲んでいるそうです。
幻の都マイオから行くドラゴンテイルという洞窟の奥深くに群生していたソーカス草を“キシリカが命じて各魔王の城の地下で栽培”していたらしいです。
ドラゴンテイルの洞窟は、第二次人魔大戦の終わりに龍神と闘神の戦いで大陸に穴が開いて消滅したようです。
魔族が長寿であることと関係していそうですね。
さて話を戻して、人神はなぜ転移者を必要としたのか?
あくまで転移を起こしたのが人神であるという前提ですが、魔力0である転移者をこの世界に呼び寄せて何がしたかったのか?
ここでまた話がちょっとずれますが、どうしてルーデウスは人族の身体ではあり得ないほどの魔力を有しているのか。
これは転生者として生前の記憶を持ったルーデウスが、幼児の頃から魔法を使えば倍々ゲームで魔力が増えていくことに気付いた、という転生ではよくありそうなテンプレ的展開でルーデウスは膨大な魔力を有している、と私も思っていました。
実際にこんな展開で魔力が増える小説が他にあるのか、思い浮かびませんが。
ですが、キシリカやバーディガーディの言葉からすると、人族がラプラスを超える魔力を有していることが異常なことらしいです。
ルーデウスの魂はあの世界からすると“異世界の魂”です。
人神と会う時に、ルーデウスが覇王だった頃の姿になりますが、その姿はトラックにひかれる時のままです。
ナナホシと同じく、ルーデウスの魂は変わっていないのです。
もしかしたら異世界人は、あの世界の理を無視した存在として、本来ならあり得ないことを成せる存在なのではないでしょうか。
異世界の魂とルーデウスというあの世界の人族が混じり合ったことで、本来ならあり得ないことを成せる存在が生まれたのではないでしょうか。
人神が転移者を必要とした理由として、“精神を宿らせる器”であるとします。
宿らせる精神が人神自身の精神なのか、または“使徒”と呼ばれる者なのか分かりませんが。
ルーデウスとは状況が逆ですが、それでも本来ならあり得ないことを成せる存在となれば、人神のあの世界での目的を達成することができることになるかもしれません。
人神のあの世界での目的が何なのか知りませんがね。
太古の昔、七つの世界がありました。
龍神と五龍将によって、世界は次々に滅ぼされ、ついには人の世界だけが残りました。
太古から生きる唯一の世界神である人神からすれば、本来自分の世界の住人ではない者達が、自分の世界に来て好き勝手暴れるのは許せないから滅ぼして自分の世界を取り戻す、なんて考えても不思議じゃないとも推測できます。
とりあえず、人神は転移者を何らかの精神が宿る器として必要だとします。
ですが、ルーデウスというイレギュラーな存在まで転生してしまったことで、自らの計画に支障が出たとします。
人神が未来をどうやって視ているのか分かりません。
未来人であるという説もありますが、未来の知識というよりも、未来はこうなるはず、というビジョンが視えているように思えます。
肉体があの世界の人族であるルーデウスに関する未来も視えるのでしょうが、ルーデウスの魂は異世界人の魂のため、“異世界人の魂が考えて選択する”未来は完全に視ることは不可能なのではと思っています。
魔大陸に転移した時に、リカリスの街でルーデウスに“ペット探しの依頼を受けなさい”と助言して、その結果ルーデウスのとった行動を後に“予想外だった”と人神は言っていますので、ルーデウスの行動全てを完全に視ることはできないのでしょう。
さて、イレギュラーな存在であるルーデウスの未来を視た人神は困りました。
どうして困ったのか。
100年後に成そうとしていたことが、ルーデウスが関係することで失敗に終わるからでしょう。
ちなみにこの100年後に何かが起こるというのは、大森林で会った聖獣様から推測できます。
聖獣様は世界に危機が訪れた時に、英雄と共に世界を救う存在です。
その聖獣様が大人になるまであと100年なのです。
すでにかなり支離滅裂となっている考察ですが、人神は100年後に“人の味方”なのでしょうか? それとも“人を滅ぼす側”なのでしょうか?
この2つのどちらでもない、とも考えられます。
人神の目的は分からないのですから。
上の2つの問題は“ルーデウスとロキシーの子供はどちら側なのか?”ということになります。
人神はルーデウスとロキシーが出会うことを阻止しようとしていたはずです。
魔族とのハーフとして生まれるルーデウスとロキシーの子供は100年後も生きている可能性は高いですし(そもそもロキシーも生きていそう)、もしくはルーデウスの孫が人神にとって問題だったのかもしれません。
さて、また話は飛びます。飛びまくりです。
フィットア領転移事件。
あれはサウロスがいた塔にあった“赤い玉”が関係しているようです。
時空の亀裂みたいなものだったそうです。
そして“条件が揃ったので自動召喚が行われた”ようです。
しかし術者がいなくて、魔力消費の整合性を世界が合わせようと周囲を勝手に吸収して、無機物から順に召喚コストとして利用され、残った分は世界にばら撒かれたと。
酒場で盗み聞きした内容もあるので、師匠の感想返しから全てを見つけ出しているわけではありません。
まず条件が揃ったことで自動召喚。
条件が何なのか分かりませんが、オルステッドの言葉から本来の歴史とは違った出来事だったはずです。
なら本来の歴史ではどうだったのか?
あの時空の亀裂である赤い玉から召喚が行われるのが100年後だったのでは?
本当なら100年後に条件が揃うはずだった。
でもルーデウスがいることで、歴史が狂い、条件が揃ってしまった。
ここで再び同じ疑問を書きますが、どうしてナナホシだけなのでしょうか?
残りの男性二人は?
元からナナホシだけ転移する予定だったのか、それとも歴史が狂ったことでナナホシだけになってしまったのか。
赤い玉は世界にまだ他にもあって、男性はそちらで100年後に転移してくるのか?
転移事件を起こすことなく、異世界から人を召喚する“術者”とは誰か?
その術者は当然膨大な魔力を有している必要があるはず。
ここで私の中でちょっとした矛盾があります。
転移者=器という前提でいくと、転移者の身体を乗っ取るのは人神か……ラプラスなのでは? と思っていました。
膨大な魔力を有しても耐えうる身体に入る必要があるのって、ラプラスぐらいですからね。
闘気も使ってなかったみたいですし、ルーデウスの状況とも合致します。
でも赤い玉から異世界人を召喚する時に、フィットア領転移事件みたいなことを起こす前提でないなら、膨大な魔力を持った術者が100年後にいるはずです。
そんな魔力持った存在なんて、そもそもラプラスぐらいなのでは? と思ってしまうわけです。
なら、異世界人召喚前にラプラスは復活している?
そもそもラプラスの封印状態がどんな状態なのか不明です。
ペルギウスもラプラスを探しています。
自分が封印したはずなのに、どこにいるのか知らないようです。
いや、本当にペルギウスがラプラスを封印したのかも怪しいです。
人神=ラプラス、という推測もあります。
ラプラス戦役が勃発した時、ラプラスはミリス大陸を攻めませんでした。
聖ミリスの結界や屈強な騎士団に地形、それに獣族と魔族の同盟など理由が上がっていましたが、そもそもミリスを攻める意思がないとしたら、人神か、もしくは人神の使徒の可能性もあるかな~と思いますが、よく分かりません。
ミリスに住む人だけ特別で、それ以外の人を滅ぼす意志が人神にある、という推測はちょっと無理があるかな?
あの世界に住んでいる人族が、“原住民”と“原住民でない人”に分かれるとかあれば、人神が原住民だけの世界を築こうとしているとか、あるかもしれません。
第一次人魔大戦の頃、人の魔力は強くなりドライン病は根絶したそうです。
“人”に何らかの変化があったのは間違いないでしょう。
ところで、こうして自分の考察を改めて書いていくと、書いているうちに気付くことがあります。
太古の昔、世界は7つあったそうです。
人の世界、魔の世界、龍の世界、獣の世界、海の世界、天の世界、無の世界。
ですが、フィットア領転移の直後にルーデウスが人神と会った時、人神はこういっています。
まさか、六面世界以外の異世界には、僕にだって送り返せないよ
六面?
自分のいる人の世界以外の六個の世界を指して六面?
それとも、世界は六個だった?
太古の歴史は何かが曲げられている?
大陸に穴が開いたのも、黄金騎士アルデバランと魔界大帝キシリカの戦いで黄金騎士アルデバランの大技が穴を開けたと書かれていましたが、当人であるキシリカ曰く龍神と闘神の戦いで穴が開いたそうです。
正確な歴史が後の世に伝わるのは難しいですが、何らかの意図的な力が作用して捻じ曲げられている可能性もありますよね~。
さらに書きながらふと思ったことです。
ロキシーが患うことになる「魔石病」
これは妊婦の中にいる胎児だけがかかり、胎児を作り替え、さらには母体も魔石としてしまう病気です。
ルーデウスの子供を身に宿し、その子を感染源として魔石となったロキシーですが、その魔石にはいったいどんな力があるのでしょうね?
ルーデウスの子供が、異世界人の魂から何らかの影響を受けるのか分かりませんが、仮にルーデウス同様にラプラスを超える魔力を有しても問題ない器だとしたら、そんな子供を感染源として出来上がったロキシー魔石には、とんでもない魔力を溜め込めることができるのでは?
それを何に使うのか分かりませんが……単にふと思っただけです。
さて、完全に支離滅裂な考察になりましたが、次で最後です。
老デウスは未来からやってきました。
過去に転移することはできるのです。
オルステッドは未来人である、と推測できることが多いです。
そしてオルステッドが現れたのは100年ほど前だそうです。
老デウスの過去転移と、オルステッドの過去転移が同じ理論で同じ魔法なのか分かりませんが、老デウスは日記を起点に過去にきました。
つまり、何らかの起点が必要なはずです。
オルステッドの起点は何だったのでしょう?
オルステッドの前に龍神の名を持っていたウルペンとの関係は?
オルステッドは百代目龍神だそうですが、百代目に意味はある?
さらにルーデウスとナナホシの話でこんな文があります。
―― 引用開始 ――
「あのね、私達はこの世界では異物なのよ。あまり歴史を大きく変えるような事をすれば、世界に排除されるかもしれないわ」
「世界に排除? なんですかそれは」
「SFとか呼んだことないの? 要するに、本来の自然な歴史に戻そうとする力のことよ」
本来の自然な歴史に戻そうとする力。
そういえば、昔そんな漫画を読んだ記憶がある。
因果律とか言ってたか。
「……そんなもの、本当にあるんですか?」
「わからないけど、注意はすべきだと思っているわ」
彼女はそう言った。
そういうものは、過去にタイムスリップした奴が気にするべきことで、俺達のような異世界人はあまり気にしないでいいんじゃなかろうか。
……まあいい。
誰がどう行動しようが自由だ。
―― 引用終了 ――
世界の因果律が排除しようとするのは、過去にタイムスリップした奴だそうです。
もちろんこれはルーデウスの考えですが、師匠はこういう何気ない会話の一文を伏線にすることが多いと思います。
そしてルーデウスも、老デウスとなって過去にタイムスリップしました。
オルステッドが過去にタイムスリップした龍神とすれば、人の世界の因果律かもしれない人神がオルステッドと敵対するのも分かります。
未来人であり、老デウスとは違い完璧な過去転移魔術によって、本来あるべき歴史を変えようとするオルステッドと、それを阻止して本来あるべき歴史に世界の流れを戻そうとする人神。
オルステッドがどうして4つの呪いを持っているのか?
完璧な過去転移には呪いの代償が必要だったのか?
人神がオルステッドに呪いを与えたのか?
そもそもオルステッドが過去転移までして歴史を変えようとするのは、人神がオルステッドに何かしたからのはず。
それは100年後に起こる何かなのか。
まだまだ他にも謎はいっぱいです。
そして次章の16章ではいよいよ、我らが狂犬様の登場です!
楽しみで仕方ありません!
老デウスの日記の内容も気になりますが、狂犬様の暴れっぷりに期待しましょう!
以上、無職転生ファンの木の棒の勝手な考察でした。
久しぶりの投稿で、投稿の仕方が一瞬分かりませんでした!




