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木の棒の裏話  作者: 木の棒
第3章 目指せ!新人大賞!
40/49

第14話 神のネットゲーム

 真っ白な世界。

 雲の上? 雲の中?

 それとも天国?


 真っ白な道を進んでいくと、真っ白な木で建てられた家があった。

 誰もいないのにドアが開いた。

 入っていいのか?

 中に入って見ると……ん? なんか真っ白な髪の毛のお爺ちゃんがパソコンゲームしているぞ? なんだ? なにしているんだ?


「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ! またか! またか! また何も落さないのか! これで10回連続だぞ! いったい確率をどれだけ絞っておるのじゃ!」


 お爺ちゃんの怒りの声はまさに天を震わす。いや本当に震えているのよ。

 う~ん、関わっても碌なことが無い気がしてきた。帰るか。


「待つのだ。どこへ行く気じゃ?」


「え?帰ります」


「どこへ?」


「家に」


「無理じゃ。お主死んだから」


このお爺ちゃんはパソコンゲームのやり過ぎで、ちょっと頭がおかしいのか?

僕が死んだ? 死んだ? ……あれ? そういえば確か……。


「思い出したか? お前はネットゲームでPVPをやり過ぎて、恨みを買い、ついには殺されてしまったのじゃ。残念だったの~」


「あ~……思い出した」


 そうだった。僕はPVPが売りのMMORPGで、対戦相手から恨みを買って殺された。

 いや、PVPやり過ぎって、そういうゲームだったからね。

 PVPされるのが嫌なら他のゲームやればいいのに。まったくなんてこった。


「それじゃ~ここはあの世ってわけですね」


「うむ、そうじゃ」


「それで貴方は?」


「隠居した神じゃ」


「はぁ~」


「なんじゃ面白くないの~。ここはもっと驚くところではないのか?」


「ま~それは人それぞれってことで」


「むむ、「小説家になれちゃうかも!」で読んだ小説の展開とは違うの~」


「え? もしかしてその展開通りに転生ですか?」


「え? ないよ。ないない。転生なんてないよ」


「あ、そうですか……。え? じゃ~なんで僕はここにいるのですか?」


「うむ、お主に頼みがあっての。ちょいとお主の魂をここに呼んだのじゃ」


「はぁ~頼みってなんですか?」


「うむ! お主に「ラグナロク」をプレイして欲しいのじゃ!」


 こうして僕は、隠居した神と共に「ラグナロク」をプレイすることになった。


♦♦♦


 さて、僕の自己紹介なんてどうでもいいよね。


 まず「ラグナロク」が何なのか。

 これはあの世で流行しているネットゲームみたいなもんです。

 プレイしているのは、神様、天使、悪魔だ。

 あの世では、ネットゲームが大流行。

 天使と悪魔も、今では本当の戦争なんてしないでネットゲームで競っているらしい。


 ジャンル的にはMMORPGに近いようだ。


「とにかくログインすればいいのじゃ!」


 隠居神は強引だな。


 いま僕は隠居神の家の隣に建てられた家にいる。

 家は隠居神が一瞬で作った。

 さすがは神様。


 部屋に置かれたパソコン。どこからどう見てもパソコンだ。

 起動して「ラグナロク」にログインする。

 IDとパスは必要ない。このパソコンから起動すれば自然と僕のデータになるらしい。


 初めてのログイン。

 画面から機械的な音が聞こえてくる。


木野樹聖きのいっせい様。ようこそラグナロクへ。まずはこのゲームに関して説明させて頂きます」


 よろしく頼む。


「このゲームは、神界のとある場所を実際のフィールドとしたゲームでございます。木野様がお造りになられるキャラは、実際に創造されます。木野様のキャラが得た成果は、実際に木野様の物となります。

 創造されたキャラはパソコンの画面を通して操作することも可能ですし、木野様の精神を実際にその創造キャラに移して操作することも可能です。

 パソコンの画面を通して操作していても、創造キャラの五感を木野様が感じることも可能です」


 ここらへんは隠居神も言っていたな。


「ゲームで何を目的とされるかは木野様次第でございます。ゲーム内で最高神を目指されてもいいですし、のんびりと畑を耕して生活されてもかまいません」


 隠居神の目的のために手伝いはしなくちゃいけないが、それ以外は自由にしていいって言われているからな。僕の目的も考えよう。


「それでは早速でございますが、キャラクターメイキングをしたいと思います。木野様の情報を表示いたします」


名前:木野樹聖  性別:男  年齢:18歳  種族:人間

神P:0  天使P:0  悪魔P:0

闘気:1 魔力:1

職業:

装備:

スキル:



 これが僕の情報か。本当に弱いな。

 仕方ない。ただの人間なのだから。本来人間がプレイするゲームではない。

 

 神Pとは神ポイント、天使Pは天使ポイント、悪魔Pは悪魔ポイントだ。

 このゲームはこの「ポイント」を奪い合っている。


 神様がこのゲームに初めてログインした時に、自分の神力を消費して神Pを得るのだ。神Pを消費して、自分のキャラを強くしていくのだ。


 闘気とは物理的な戦う強さ。

 魔力とは魔法的な戦う強さ。

 どちらを上げても、体力や俊敏とかは上がるそうだ。


 職業は戦士、格闘家、魔法使い、商人の4種類から選ぶ。

 後に上級職業に転職出来る。


 スキルは職業によって決まっている。

 職業に関係なく取れるユニークスキルも存在するらしいが、それはポイントで取ることは出来ない。

 ゲーム内の超レアドロップアイテムで取得可能らしい。


 隠居神から例のものが届くまで、ぼ~っと待っていると、約束のものが届いた。


 ぴろ~ん。システム音が鳴る。


「クロノス様より、木野様へプレゼントが届きました」


 クロノス。隠居神の名前だ。

 元最高神だったらしいが、息子のゼウスにその座を奪われてしまった。

 このラグナロクを使って、再び最高神に返り咲くことがクロノスの狙いだ。

 そのために、死んだ僕の魂を引っ張ったのだ。


 このラグナロクで神が神Pを消費すると、本当に神力を取られる。

 取られた神力はゲーム内に貯蓄されていき、様々なイベントや大会の賞品となる。


 PVPエリアで神のキャラを倒すと、神Pを一定値奪うことが出来る。


 またレアアイテムを神力交換で取引する裏マーケットまで存在している。

 RMTみたいなものです。

 

 クロノスが欲しているのは神力。

 つまり、天使Pの天使力や、悪魔Pの悪魔力は別にいらない。


 天使は天使Pを貯めていけば、実際の天使としての階級を上げることが出来る。

 悪魔もそうだ。


 しかし、天使や悪魔は神力が欲しくて堪らないらしい。

 上手く神力を得ていけば、神になれるのだ。


 神力と天使力を交換する裏マーケットも存在しているけど、レートは1:100らしい。

 超レアアイテムを裏マーケットで売り、神力を得て実際に神になった天使がいる。

 それが噂となって、一気にこのラグナロクは天使と悪魔の間で人気爆発したそうだ。


 神にとっては、天使と悪魔に人気があるネットゲームを戯れで遊ぶ程度だった。

 しかし、次第に熱を帯び始めた。

 これはゲームである。

 全知全能の存在である神ですら、そのルールには従ってもらう。

 つまりゲーム内では全知全能ではいられない。

 天使や悪魔に負けることがある。

 神である自分が!

 このスリルが神の中で人気を得ていった。

 神力を消費してまで、有料アイテムに手を出し、裏マーケットで取引をしていったのだ。



 さて、クロノスからプレゼントが届いたところで、自分の情報を再度見る。


名前:木野樹聖  性別:男  年齢:18歳  種族:人間

神P:100  天使P:0  悪魔P:0

闘気:1 魔力:1

職業:

装備:

スキル:



 クロノスから神Pが100送られてきたのだ。

 神P100とは、キャラクターメイキング時点で得られる神Pの最高値である。

 実際にはどのくらいの価値なのだろうか。


「最下級神の神力を全て神Pに交換した場合、神P500ぐらいとなります」


 親切に教えてくれた。

 結構すごいのではないか。

 最下級神の神力5分の1相当のPなのだから。


 とりあえず、闘気と魔力をそれぞれ10にする。

 これは、いまゲーム内での上限値だ。


 闘気と魔力はいわばレベルのようなものだ。

 この強さの上限値を決めることで、全知全能である神の強さを制限することになっている。

 後は職業とスキルの使い方によって勝敗が分かれていくのだ。


 さて職業だが、これはクロノスから指定されている。

 商人だ。

 契約違反をすれば、僕の魂なんて一瞬で消されてしまう。

 僕は商人を選択した。


 装備もPを消費することで、初期装備より良い装備を得ることが出来る。

 僕は「大地のメイス」と「エレメントローブ」を選択する。


 最後にスキル。

 商人のスキルを取れるだけ取った。

 商人の上級職である「鍛冶職人」になってからが本番だ。



名前:木野樹聖  性別:男  年齢:18歳  種族:人間

神P:50  天使P:0  悪魔P:0

闘気:10 魔力:10

職業:商人

装備:「大地のメイス」「エレメントローブ」

スキル:商人スキルコンプリート



 よし、僕のキャラメイク終わりだな。


「木野様のキャラクターメイキングはよろしいでしょうか?」


 YES。


「では部下を作成致しますか?」


 YES。


 Pを消費することで、己の部下を作ることが出来る。

 さすがに神を作ることは出来ないけど、天使と悪魔は作ることが出来るのだ。

 僕は天使と悪魔を創造していった。



名前:アーシュ  性別:女(F)  年齢:18歳  種族:天使

神P:0  天使P:0  悪魔P:0

闘気:10 魔力:5

職業:戦士

装備:「雷太刀」「黒装束」

スキル:刀術 電光石火


名前:ベニ  性別:女(G)  年齢:18歳  種族:悪魔(鬼)

神P:0  天使P:0  悪魔P:0

闘気:10 魔力:2

職業:格闘家

装備:「炎のグローブ」「セクシーチャイナドレス」

スキル:拳術 肉体強化


名前:マリア  性別:女(H)  年齢:20歳  種族:天使

神P:0  天使P:0  悪魔P:0

闘気:2 魔力:10

職業:魔法使い

装備:「聖なる杖」「神聖法衣」

スキル:回復魔法 魔力強化


名前:リリア  性別:女(J)  年齢:20歳  種族:悪魔(淫魔)

神P:0  天使P:0  悪魔P:0

闘気:2 魔力:10

職業:魔法使い

装備:「闇の杖」「闇の法衣」

スキル:炎魔法 闇魔法 魔力強化


名前:ラミア  性別:女(I)  年齢:18歳  種族:悪魔(淫魔)

神P:0  天使P:0  悪魔P:0

闘気:2 魔力:10

職業:魔法使い

装備:「水の杖」「水の法衣」

スキル:水魔法 氷魔法 魔力強化



 PTは最大で6人。

 戦士、格闘家、商人、攻撃魔法使い2名、回復魔法使い、という構成にした。


 5人を創造した後、残った神力は1だった。

 これはゲームにログインした後に必要になるからだ。


「それでは「ホーム」に移動してもよろしいですか?」


 YES。


 眩い光に包まれる。

 目を開けた時、そこは僕のホーム、いや僕達のホームか。


 目の前に絶世の美女が5人、膝を付き頭を下げている。


「主よ。我らを創造して下さったこと感謝いたします。主のために我らはこの命を捧げます」


「期待しているよ。とりあえずこのホームでは狭いよね」


 ワンルームだったのだ。

 ゲーム開始当初はワンルームの部屋がホームとなる。

 そこで、神力1を消費して、それなりの大きさの館へとグレードアップ!

 必要な物も一緒に揃えてしまう。


「うん、これでいいかな。みんなの部屋もあるからね」


「ありがとうございます。主が優しい方で本当に嬉しいです」


「とりあえず、お風呂に入ろうか」


 みんな一緒に入れる大きさのお風呂がある。

 もちろん、みんな一緒に入って、その後は超キングサイズのベットでみんな一緒に仲良く寝ました。

 僕もみんなも疲れ果ててぐっすりでした。



 明日から頑張ろう。

 僕のため、みんなのため、ついでにクロノスのために!


R〇で受けたストレスを発散するために、神様からMMOを作るチート能力を得たという設定でいろいろ考えていました。


MMOを作る話を書いていたら面倒になり、神、天使、悪魔が己の力を賭けてプレイしているネットゲームという設定に変わりました。


スキルを考えるところで面倒になり、本当はゲーム内で天使や悪魔を捕まえていく設定だったけど、とりあえず部下としてキャラメイクしちゃえ! ということで一気に5人もハーレム作って終わりですw


伝説の木の棒完全版書いているから時間がありません

なので、書きたいと思って小説投稿しちゃうと、希望の方舟の二の舞になる可能性があるので、裏話でこんな設定! という感じで書いてみました。


一種のストレス発散です。


伝説の木の棒は「空飛ぶ少女」編を書いています。

頑張って書きます!

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