次のステージへ!
デュリオは思っていた。
12月15日を境にして、クラスメイトの二人に雰囲気ががらりと変わったことを。
紛れもなく、竜一と桜である。
噂、いや誰かがいっていたが、竜一の家に桜がいっていたという情報もある。
ここまで極端に変わるものだろうか。
確かに竜一の母親は、言えば気づくといっていたので、おそらく、というか、実際にいったのだろう。
まあ、たまにはこういう風景も悪くはないと思う。
そもそも、種を巻いたのはデュリオだ。
そしてもうひとつ。忘れてはいけない行事がある。
年末のデュエルカップである。
今でこそいちゃいちゃラブラブしている二人だが、その場では敵同士なのだ。
二人が12月15日に何をしたのかはわからない。だが、デュエルだったという可能性も十分にある。
勝敗はどうだったのか。そもそもお互いにどうなったのか。
デュリオは全く知らない。だが、それはほとんどのプレイヤーが一緒だ。
今年はどんなプレイヤーが出てくるのだろうか。楽しみである。
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「マスター。マスターは今回どこまで行けるんですかね」
「それは俺にもわからないさ。だが、やれることは全部やるよ」
ゼノン。無間流星も準備を進めていた。
ゼノンは密かに思っていた。
『俺が強いという要素はデュエルカップ四位という実績のみではないか』
ということである。
最近ゼツヤは暴れまくっているし、もしも『NWO』の主人公がいるとするならゼツヤだという声も大きいものになるだろう。
そればかりは黙っていられない。せめて何かするつもりである。
「見せてやろうじゃないか。『エンドレス・レイン』を」
闘志に満ちていた。
だが、それと同時に考えてもいた。
今回、ルナードも出るんだよなぁ。と。
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「さて、あとはまあメンテを任せるくらいか」
レイフォスは大太刀を鞘に納めた。
今のところ、デュエルカップで優勝を独占していたのは自分だが、今回からはルナードが参戦し、ゼツヤもそれに打ち勝つ何かを手にいれている。さらに、そのゼツヤが鍛えたミズハも参戦するだろう。
「さて、俺も見せるべきかな。『パターンチェンジ』の先を」
思慮深い表情で、そう言った。
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「俺の全力か。もう出してもいいだろうな。今までは頭のよさを出しすぎると面白くなかったからやっていなかったが、最近はバスターに倒され続けて入賞すらしていないからな」
シャリオもうなっていた。
バカを演じているシャリオだが、プライドは当然ある。
さて、もうシャリオの状況説明は終了である。
「短いわ!」
しらん。
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「まさかゼツヤさんの彼女になるなんて思ってもいませんでしたね。でも、私だって負けませんよ。まあ、略奪愛は好きではないので、強さを見せるだけにしますかね」
「いったい誰にいっているんだ?ユフィ」
「サーガさんいたんですか」
「ああ、今回からは僕も出るからな」
それは珍しい。
「珍しいですね」
「ゼツヤが鍛えた弓使いだ。かなり気になる。まあ、戦うことになるのかどうかは分からないが」
「そうですよね。あと、思ったよりサーガさんって負けず嫌いなんですね」
「否定はしない」
サーガは悠然と歩いていった。
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「クラリスは今回もでないのか?」
「そういうセルファもでしょ。ああいうのは、回復職や防御職にとっては見ている方が面白いからね」
クラリスとセルファは今回もでる予定はなかった。
「私は今年は見れないのだ」
「どうして?」
「去年なくなった私の祖母の命日なのだ」
「こんなクリスマスの直前にねぇ。まあ、あれはバッチリ録画されるからね」
「うむ。クラリスもなにもしないわけではあるまい」
「当然。サーガは今年は出るからね。手料理をつくってあげなくちゃ」
セルファとしては、せめてモザイクはかからないように作るべきだと思うのだった。
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「今回は俺も出るからな。さあ、暴れてやるぜ」
「あ、そうか。父さん出るんだ」
「ああ、冬香はどうするんだ?」
「私もでるよ。今回は面白いことになりそうだしね」
「ん?私も出るぞ」
「「知ってる」」
少々へこんだテラリアであった。
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みんな、多くのことを考えて、この決戦に挑む。




