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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
ジョブ 解禁!
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ゼツヤ流ホラーエリア攻略法。

 まず『マスターオーブ』を製作するには大量の『マジカルストーン』と『強制結合石』が必要だが、マジカルストーンは元々在庫がたくさんあり、強制結合石は三年くらい前に入手しており、すっかり忘れていたのだが、まあとにかく揃っている。


 よって、揃えるのは『マテリアル・オリジン』なのだが、これは圧倒的に必要な素材が多い。


 そうだな。中にはオラシオンの工房の倉庫にあるもので作れるものもあるが、五つほど足りなかったのだ。なので、今回はそれを入手するのが目的である。


 現在、ダンジョンに向かっている七人である。


「今どこに向かっているんですか?」

「『オーバーエンド・スクール』だよ」


 現在最高のホラーダンジョンである。

 もとの校舎が大学なためなのか、恐ろしいほどのスケールがあるのだ。


 実は『シャリオが今通っている大学』がモデルだったりするのだが、それは今はいいとして。


 モンスターのステータスもバカにできるものではなく、広さもかなりある。

 朽ち果ててはいるものの、もとの大学が大きい分、なかもそれに比例して大きいのだ。


「まあ、今回は俺流の攻略方法を見せてやるよ」


 弟子として、部下として、少なくとも気になる部分ではあるので、付いていく。

 後悔はしないと確信できるときとできないときがあるので見分けないといけないのも事実だが。


 で、到着した。


 圧倒的に大きい。さらには、回りを見れば朽ち果てた木が立っているが、いつ倒れるかわかったものではない。そんなものがおかれていた。


 不気味だ。本当に不気味だ。

 まともな思考回路を持つものなら、ばつゲームであったとしても、ここには来ないだろう。


 そしてそれは、校舎に入ると一層ました。

 校舎を照らす明かりは、壁にある紫色の炎を出している松明のみで、かなり薄暗い。


「あの、どうするんですか?」


 ロシュアが聞いてきた。


「こうするんだよ」


 ゼツヤはボールを取り出すと、天井に向かって放った。

 天井にぶつかったボールは天井に張り付き、強烈な光源になった。


 全員が唖然とするなか、ゼツヤは進む。

 

 当然ダンジョンなのでモンスターは存在する。

 だがそのモンスターも、骨で大きなマントを羽織っており、構えている剣はなんでも切れそうだったが、暗ければ不気味であるが、こう明るいのでは怖さよりも疑問が浮かぶ。

 さらに、怖くはないただの骨など、ピクルのハンマーで一発で玉砕できる。


 実質、その通りになった。まあ、倒しきれなくても問題はないのだが。


 その後も進んでいき、階層が変わる度にゼツヤがボールを使うため、なんとも変な感じだった。


 正直に言うなら『悪霊の廃校舎』というより『作り方を間違えたお化け屋敷』のように思えるのだ。

 だがしかし、早く進めることに文句はない。


 このダンジョンは確かに広いが、もとが学校であるため、漠然と広いわけではない。


 まあ、上と下。双方に行くための階段が一つずつ存在し、それらがいつも階層の反対にあるという、何とも防災訓練に向かない作りだが(無論だがリアルはそんなことはない)、ダンジョンである以上、普通にいくしかない。


 そして最上階。


「師匠」

「なんだ?ローズ」

「何で最上階に『校長室』があるんだ?」

「俺に言われてもな」


 リアルであれば限りなく低い階層に存在するだろう。

 だが、ダンジョンにおいてはボスと言えば一番奥にあるもので、校舎であるならば校長室だと思うものがいても不思議ではない。


 その辺りは価値観の問題なので、勝手に決めてもらうしかないのである。


 ゼツヤは扉をちょっと開けてボールを投げ入れると、数秒待ってから全開した。


 そこにいたのは、骸骨でスーツ姿で、右手に本を持っているモンスターだった。


「貴様たちか。我の眠りを妨げたのは」


 多分ボールだと思う。まあ、それを言うものはいないだろうが。


「まあいいじゃないか。兎に角さ。俺たちはお前の敵だぜ」

「ふん。身の程を知るがいい。我は放浪の魔教師『グロリアス』である」


 この時、全員が思った。


 教師が放浪すんな!


 と。


 だが、その思考は、いきなりグロリアスが魔法を使ったことで中断させられる。


 しかも、本を開いただけで、いきなり発動したのだ。


 まあ、切断したが。


「ほう、我の騎士道を無視した不意打ちを破るとは、なかなかやるではないか」


 ……自覚。あったんだ。モンスターはかなり高ランクじゃないとしゃべらないから前から気になっていたのだがな。


 まあそれはいい。


「あの本、ひょっとして、紙一枚一枚が『マジカルスクロール』なのかね。あと多分、『思考発動』のスキルを持っているな」


 モンスター専用スキルである『思考発動』は、考えただけで魔法を発動できる。


 需要は言うまでもなくでかいが、モンスター専用なので諦めるしかない。シャリオはかなり悔しがっていたが、まあ、どんな思考をしているのか、それらを正確にスキャンする必要があるので、まあ技術的に足りないだろう。

 現代のVR技術は、『何を見せるか』という観点を重視している。配置するオブジェクトの解像度であったり、また、細かな装飾であったりと、簡単にまとめると『視覚情報』を優先しているのだ。


 思考のスキャンの技術は進んでいないわけではないが、それでも遅い傾向である。


 まあ、それはいいとして。


 いくら『思考発動』があるとはいっても、『クーリングタイム』は突破できない。要するに、一回やれば待たなければならないのだ。


 NWOには、所謂『詠唱』と言うものは存在しない。それによって生まれた処置である。


 シャリオはかなり連続で発動しているが、あれはクーリングタイムが、もっとも長いランク10であっても(ジョブシステムが追加されているのでそれ以上があるかもしれないが)、一秒以下なので気にならないだけである。


 それを考えれば、魔法をしようし終わった直後を狙えばいいだけのことなのだが、シャリオがそうであるように、クーリングタイムを短縮する方法などいくらでもあるのだ。


 魔法使いを相手に戦うときは、『どんな魔法を使ってくるのか』は確かに重要だが、『クーリングタイムはどれくらいなのか』という部分もかなり重要である。


 しかも、クーリングタイムの最低速度は覆せないが、あとはいくらでもごまかせるのだ。簡単に言うなら、高ランク魔法が、3秒が本来の数値だったとしても、魔法の発動タイミングをうまく調節することで、相手の認識上、5秒にすることだってできる。


 2秒の差は、まあやっているものにしかわからない境地だが、それはいいとして、まずはその部分を探るしかない。


 あとは、


「ぬ、なかなかやるようだな。『サモン スカルウォリアーズレギオン』」


 骨の戦士が何人も出てきた。騎手ではなく戦士のためか、持っている武器は様々である。


 魔法使いがもっともしてはいけないこと、それは『狭い空間』や『閉鎖空間』で一人で戦うことである。


 補足すると、いまいるのは『校長室』であり、もっと簡単に言うなら『部屋のなか』なのだ。


 範囲系魔法を使った際、使用者はダメージを負わない。等というシステムは存在しない。ちゃんと自分もダメージを受ける。


 なので、こういった状況に対応するため、召喚魔法を持っていたり、あるいは近接戦闘の手段を持っていたり、それなりに対応するのである。


 というか、そもそも魔法使いがソロをやっていると言うはなしは、ゼツヤはあまり聞かない。


 集団を相手にすべてソロで殲滅してしまうシャリオの方がバカなのである。

 多分演じているだけだろうし、サーガも、わざとバカを演じているシャリオが気まずくならないために毒舌をはいているので、まあなんとも言えないのだが。


 回りにヤバイやつがいると前提がおかしくなる。用はそういうことだ。


 だが、今のこの状況も予測していなかったわけでもない。


 ここのボスが魔法使いだという確信はなかったが、そもそも死霊系の高ランクモンスターは、どういう遺伝なのか知らないが、自分よりも弱いモンスターを出すのがNWOの普通なのだ。


 さらに言うなら、その魔法使い本人魔法のなかで一番得意なのは断然『闇属性』の『死霊系』だろう。


 対策なら、してこないものはいない。

 召喚モンスターに負けるような、そんなパーティーではない。


 メタはバッチリなのだ。


 すでに勝負は、決まっている。


 断末魔と共に落としたのは『信託の死霊石』と言うものだった。信託と言うのは『神のお告げ』のような意味だったはずだが(NWOには厨二病指定の名前がいくつか存在するので、そういったジャンルの言葉をあらかじめ調べているものは多い)、とにかく、欲しいものは手に入った。


 残り、四個。

最近テンポが悪いですね……。

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