レイン
「む?職業でサモナーにしたんだ」
「うん」
雅菜中学校。
その教室で、二人の女子生徒が話していた。
話しかけたのは音花千鳥。背が低く巨乳である。
返事をしたのは漆原琴音。活発そうな雰囲気を秘めた生徒だ。
これだけでは分かりにくいので補足すると、千鳥はユフィである。
「サモナーってどういう職業だっけ」
「召喚獣を使って戦うんだよ。結構ピーキーだけどね」
説明しよう。
召喚獣。と言うものがいることは何回か説明した。というか騎乗モンスターのときだったとおもうが、まあそれはいいとして、そういったカテゴリのモンスターもいる。
基本的には、モンスターの召喚できる数に限度はなく、時間経過で消費するHPさえ払えるのなら継続して出すことが出来る。というのが召喚獣だ。
ただし、全ての召喚獣はHPがパーセント管理されている。
要するに、召喚獣ABCがいるとして、Aがダメージを受けたら、プレイヤーとABCの全員がダメージを受ける。
しかも、召喚獣を出している時、プレイヤーはHPを回復できない。
ABCが回復できればいいのだが、実は、召喚獣を回復させる時は、全体回復をしないと回復しない設定になっているのだ。
その分強さもすごいのだが、範囲攻撃を受けたらHPをごりごり削られるので、かなりピーキーだと言われている。
シャリオも使えるがあまり使用しない。
「それで、どうしたの?」
「闘技場ってあるでしょ」
ある。
NWOに限らずいろんなゲームにあるだろう。
フィールドではなくコロシアムであるあれだ。
「プレイヤーが観戦できる闘技場があるんだけどね。私はそこで、ただ勝つんじゃなくて、見せる戦いをしたいんだよ」
「ふむふむ」
「でもね。照明だとか、いろいろ小道具がほしいんだよね。でも、そんなアイテムなんてないから、結構困っているのが現状なんだよ」
「ふむむむ?」
「……千鳥、語彙力大丈夫?」
「現代文は43点だもん!」
威張れるほどのものではない。
「まあ私の点数なんていいんだよ。すでに進学先決まってるから」
「どこに行くの?」
「沖野宮高校だよ」
忘れているかもしれないので補足するが竜一たちが通っている高校である。
「私もだよ」
「あ、琴音ちゃんもなんだ。まあいいとして、その、アイテムだけど、どうにかなるかもしれないよ」
「どういうこと?」
「NWOで集合しよう」
まあ、千鳥……というか、ユフィの中でアイテムと言えば誰なのかは決まっている訳で……。
----------------------------------
「ということで、宜しくです。ゼツヤさん」
「いきなりだなオイ」
ゼツヤは呆れていた。
まあ、ユフィと……レインか。二人の言い分は分かった。
レインの装備だが、基本色を緑色だった。以上。
「見せる戦いか……エンターテインメント的な?」
「そんな感じです」
「召喚獣出してエンタメって……なんかTCGのアニメになりそうな気が……」
「そこまで行けたらすごい。みたいな感じで認識しています」
言いたいことは分かる。
のだが、方向性がさっぱりわからない。
「一応言っておくが、闘技場でそう言うことをするってことは、ある程度余裕が必要になるぞ」
「分かってますよ」
「難易度は何を想定しているんだ?」
「行けるところまでです」
チャレンジ精神にあふれているのは褒めるべきなのか……ゼツヤには分からんが、もうしらん。
「まあ、考えるか」
なんだかんだ言って、ゼツヤにできるのはそれだけである。
さて、イロイロとネタはあるからいろいろやってもらうとしよう。




