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ネイバーワールド・オンライン  作者: レルクス
ジョーカー・オン・ザ・ステージ
112/218

リオの驚異度は世界レベル

 さて、なんとか完成させた。

 材料はリオにどうにかしてもらったので問題はない。課金金額3億円らしい。リオにしてみればちょっと出せる金額なのだそうだ。殴りたかったよ。

 まあそれはいいとして、エクストリーム+ゼツヤ+ミズハが攻める側。ジョーカーは守る側だ。

 ルールは、


1 攻めるチームは白にあるクリスタル10個を全て破壊すること。破壊すれば勝ち。


2 制限時間は1日。途中でログアウトしてリアルで食事してもいいが、アバターの無事は保証されない。


3 アイテムの持ち込みは自由だが、自分のアイテムストレージに入る量だけ持ってくること。


4 理不尽を受け入れつつ楽しもう。


 最後のなに?まあ確かに受け入れる姿勢でなければやってられないけど。


「そう言えば、リオさんってどこまですごいの?」

「ミズハはリオに会うのは初めてか」

「うん。すごいってことは良く聞くけど、どのようなものなのかはいまいち良くわからなくて」

「どう説明すればいいのかな。まあ、簡潔に言えば、運がいい」

「運?」

「そうだ」


 他に言うことあるかな。

 シャリオが説明を引き継いだ。


「リオはその運によって、かなり高いスペックをすでに持っている。しかも、条件さえ整っていれば、自分の思うがままに運命を操作できる」

「良くわからないんですけど」

「それくらいで十分なんだがな。まあもっと言うと、前提さえ揃っていれば何でもできるんだよ」

「具体例をお願いします」


 それにはサーガが答えた。


「そうだな。10年前に日本の円高が発生しまくったんだが、それは知っているか?」

「そうだったっけ?」


 今から10年ほど前に、日本経済は好景気になった。何百年と言う時間のなかにバブル経済というものもあったのだが、それ以上に発展していった時期だった。今はやや落ち着いている。


「当時もかなり高い頭脳を持っていたシャリオでも、原因が良くわからなかったんだが、リオがこれに影響している」

「どう言うこと?」


 レイフォスが説明した。


「まあ、当時はリオも普通の学生さ。帝王学と無縁なのは、もっともそれを学ぶ時期に、学ぶ環境じゃなかったからだ。当時のリオの経済事情は、俺たちの家計とほぼ変わらないんだよ」

「そうなんですね」

「そんななか、リオの父親の会社が倒産した。まあ普通なら新しい職を探すだろう。リオの父親はその時は会社に勤めていたが、一応は教員免許も持っていたからな」

「変な言い方ですけど、手っ取り早いのは教師になることですよね」

「まあそうなんだが……」

「現在、というかその時から、リオさんの父親は仕事をしていないんですよ」


 ユフィがいった。


「え?」

「リオさんの父親は会社員であると同時に、投資家でもあったんです。そして、リオさんは父親のその投資権限のファイルデータを発見したのです。そして、リオさんは、ほぼ無意識ですが、何処かの株式会社の株を大量購入したんですよ」

「まさか……」

「そのまさかよ」


 クラリスが続ける。


「その会社は好景気に一気に突入。株価もものすごく上がって、株を大量購入した結果大成功したのよ。そして、それで得たお金で次々と手を出していった。後々、株、社債、為替。全てにてを出した結果、リオは億万長者になったってわけよ。しかも、宝くじとは違って、ほぼ継続的に資金は増えていく。それがとてつもないスピードで発生し続けて、結果的に日本の経済水準は世界最高になった。まあ、リオがいる影響で今もそうなんだけれどね」


 たった一人の人間によって日本の経済が潤うのだから変な話である。


「挫折のない一直線の勝ち組ですね」

「そう言うことだ。リオが手を出せば、考えてやろうと賭けにでようと全て成功する」

「でも、すごいのはわかったけど、今回に影響はあるのかな」

「リオはそのスペックによって、自分が望むシナリオを描くことができる。俺たちがこんな話をしていることも、恐らく知っているはずだ」

「なんかすごいね」

「まあそうだな。だが、ひとつだけ弱点がある」

「あるんだ」

「ああ、ある。リオのハイエスト・レベルとしてのスキル『摂理の中心地点(セントラル・ポイント)』だが、この効果は『前提が整っていれば、自分の思い通りになる』ということだ。要するに、前提が整っていなければ、完全にリオの思い通りにはならない」

「分かりにくいね」

「リオだからな。まあ、例えば雨が降ってほしいと思った場合、雨は降ってくれるが、そもそも雨が降ると言うことは、自然現象の繋がりによって生まれるものだ。自然現象が勝手に調節され、雨が降る。だがしかし、前提が整わなければそれは発生しない。リオが投資に手を出さなければ、リオが億万長者になることはなかった。まだ俺たちは向こうの戦力をしっかりと把握できているわけではないが、だからこそ不明な部分が向こうにもある」

「隠し通路は?」

「何を狙っているのか何となくわかるが、設計図通りのものならあるが、それ以外には存在しない」

「どうして?」


 まあ聞いた感じではないのと一緒だからな。


「NWOでは、ある設計法則に基づいて建築が行われなかった場合、それは簡単に崩壊する。船でも一緒だけどな。そして、あんなにでかい宮殿だって言うのに、一つでも設計図以外の隠し通路を作ろうとすると、全て崩壊コースになる。実は計算されているんだよ。まあ、ほとんど偶然(リオの運)だろうけど……」

「チート」

「チートではないよ。まあ認めたくはないけどさ」


 さて、リオに関しては色々説明し終わった。あとはどう攻めるか。


「ていうか、このゲーム。移動距離的に大丈夫なのか?」

「ワープ装置を結構使っているから問題ない。と思う」


 本当に大丈夫なのかな。

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