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執事なんかやってられるか!!! 生きたいように生きる転生者のスローライフ?  作者: Gai


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第47話 全然違う

誰かに見られる……それに関しては、この世界に来てから何度も経験しているバトムス。


幼い頃から、特にルチアと関わる様になってからは屋敷で働く者たちからよく視線を向けられる。


(全、然、違うな)


だが、アブルシオ辺境伯家の屋敷で働く使用人たちから多数の視線を向けられるのと、パーティー会場で全く知らない令嬢や令息、付き添いのメイドや執事から多数の視線を向けられるのとでは、訳が違う。


視線を向けてくる者たちは子供……子供である。

バトムスの前世は中学生……子供と言えば子供ではあるが、当時を振り返れば多数の小学校低学年の者たちに見られたところで、という話である。


しかし、その比較方法では……全く違う点がある。

現在バトムスの回りにいる子供たちは、貴族の令息や令嬢。

そして……バトムスとは違い、立派な執事に立派なメイドに……将来使える主に相応しい従者にと、確かな向上心を持っている見習いたち。


たかが子供、とは侮れないところがある。


(っ……呑まれてたまるかっての)


報酬に釣られたとはいえ、最終的には……一応、自分の意思でギデオンからの頼みを受け、この場にいる。


恥ずかしい真似をすれば、今後一生それをネタにルチアから弄られるという、それはそれで子供らしい思いもあるが……なんとか不気味とすら感じる視線に圧されることなく、堂々とした態度でルチアの一歩後ろを付いて歩く。


「バトムス」


すると、知り合い……友人と呼べる雰囲気を持つ令嬢と出会い、互いに軽く挨拶を交わしていると、ルチアから合図が飛んできた。


「初めまして、バトムスと申します。今回がルチア様の付き人として社交界に初めて参加させていただきました」


丁寧に、落ち着いた声で、噛むことなくスラスラと口にしながら、丁寧な態度で目の前の令嬢に挨拶を行う。


その対応に満足したのか、ルチアの友人らしき令嬢は特に見下す様な発言をすることなく、社交辞令を口にするのだった。


(ふぅ~~~~、ったく……貴族の令息や令嬢ってのは、こんなのばっかなのか? うちのお嬢は欠片もそんなところがないってのに)


ルチアには異様な雰囲気、圧を感じないバトムスではあるが、それは単に初対面からの流れがあまりにも普通ではなく、最初に嘗めた発言をしてしまったこともあり、今も辺境伯家の令嬢と従者の間に生まれた子としては異常とも思える関係が続いているため、圧を感じられないでいた。


だが、他の令息や令嬢……彼等の後ろに付くメイド、執事候補たちの者たちは、ルチアから現在バトムスが感じている様な圧を感じていた。


土地柄的に、モンスターの活動が盛ん、問題が起こり易い土地を管理する辺境伯家の令嬢。

ギデオンが騎士として有名、優秀だったこともあって、社交界デビュー当初からルチアはそれなりに注目されていた。


そして……ここ最近、更に注目度が増していた。


ルチアはただの社交界に参加するだけではなく、既に将来を騎士を目指すと決めている子供たちが集まる会にも参加しており……そこで複数の令息を相手に圧勝していた。


パワーで負けておらず、スタミナは上。

そして……ルチアは認めたくないどころか、短剣や双剣、細剣などのテクニカルな面が強い接近戦武器を使う令息が相手にも苦手意識を持つことなく、大剣のパワーを上手くぶつけ、勝利を収めていた。


非常に凄い事であり、既に高い評価を受けている兄や姉たちに劣らない評価がされている。

一部の少々女尊男卑、ある思想が強い者たちからは本当にそれで良いのかと言われているところはあるが……ルチアは迷わず騎士の道を進むと決めている。


といった事もあり、ルチアは他の令息や令嬢たちから一目置かれる存在となっている。


(あれが……あの、例の執事見習い候補……)


だが、今回の会場内では既に一目置かれているルチアよりも、バトムスの方が注目されていた。

主にルチアとそれなりに交友のある子供たちから視線を向けられていた。


(普通、と言えば普通の男子)


(あれがルチアを怒らせる天才?)


(……鍛えてる雰囲気がありますわね)


(…………もしかしなくても、魔力量が多い?)


ただの男子だと思う者、ルチアと同じく騎士の道を志しているため、バトムスから鍛えている雰囲気を感じ取った者。


そして……まだ七歳という若さで、他者が有する魔力の量を感じ取れる者などがいた。


確かに、醜い容姿ではないが、非凡な容姿を持っている訳ではない。

ただ、ある程度動けるようになってから日々訓練を積み重ね、早い段階で魔力を扱えるに至った。


結果、戦う道に進もうとしている者たちからすれば、既に普通ではない雰囲気を僅かに醸し出していた。


(はぁ~~~~~~~~、このままだと、変な表情が張り付きそうだ)


解る者から更に注目を引き寄せてしまっていることなど露知らず、バトムスはずっと執事らしい笑顔を張り付けている状態を苦しく思っていた。


「やぁ、久しぶりだね。ルチアさん」


「お久しぶりですわ、アルフォンス様」


すると、バトムスにとっては友人とも言えるが……立場は貴族を越えて王族であるアルフォンスがルチアに話しかけてきた。

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