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123.ジークの兄

 僕は歩いていないのに、幽霊のようにベザンについている。僕の意志とは関係なく、僕は移動しているようだ。


 ベザンについて行かされた僕は塔の最上階に着いた。扉には鍵がかけられている。鍵はベザンが持っていた。追いやられたように、みすぼらしい部屋だ。家具がない。もちろんベッドもない。


 「ディス様」


 石の床に長い黒髪の少年が倒れている。いや、眠っている。ベッドがないから床で眠るしかない。こんな酷い扱いをして、『様』はないだろう。確かジークの兄のはずだ。だから一応、敬っているつもりなのか?


 「皮肉るのはやめろ」


 目を覚ましたディスはベザンを睨みつける。黒い目はとても少年とは思えないほど、鋭い光を放っている。

 「赤い血の分際で」


 ベザンが汚いものでも見るように吐き捨てる。そうか、ディスは魔王エレムスクの息子でありながら、赤い血であるレッズだった。何かとつけて悪魔達は、レッズを人間と同じようにさげすんできたのだ。だから、まともな部屋も与えられていない。


 「今日は行かないって言っただろ」

 「エレムスク様の命令です」


 ベザンが歯を食いしばって頭を軽く下げる。目はディスを睨みつけている。それほど赤い血が憎いのか。いや、魔王の継承者が赤い血であることが腹立たしいのだ。だが、ディスも負けていない。睨み合いが続いている。


 「大事な日だと言ったはずですが? また、ぶたれたいのですか?」


 ベザンの冷ややかな眼差しが、ディスに何か恐ろしいことを暗示している。しぶしぶディスがベザンに従う。ベザンの後ろ姿を睨む目つきは、憎悪がこもっている。よほど酷い関係のようだ。悪魔達の集まる部屋に着いたときは最悪だった。


 竜の扉が開くなり、悪魔達が一斉にディスを睨む。中にはゲリーのように薄ら笑いを浮かべる者も。ディスにとってここは敵陣なのだ。


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