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月光の狐  作者: 葉暮銀
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初デート

「さぁ、早くデートに行ってくるのじゃ。土産話を待っとるからな」


そうナラクさんは言って、俺らを家から追い出しにかかる。


巫女装束は目立つから、取り敢えず俺のTシャツと短パンを履かせた。

ガバガバだけどね。

すぐに服は買う予定。

下着も買わないと…。

八月だけど透けないように上に派手な柄のシャツを着せる。


髪色は綺麗な白髪だ。

シロちゃんは黒髪にもできるが神力を継続的に使うのにまだ慣れていないそうだ。

キャップを被せて目立たないようにする。

足袋と草履しかないため、俺のサンダルを履かせる。


車で総合ショッピングモールに行く。

まずは女性ものTシャツと短パンとパンティを購入し、化粧室で着替えさせた。

その後、下着売り場でサイズを測ってもらいブラジャーを購入して着けてもらった。


靴下や靴も購入した。

シロちゃんは初めての下着に違和感があるようで落ち着かない様子。

これには慣れてもらうしかないな。

靴も落ち着かないようなので女性用のサンダルを購入する。


今後の事も考えて服を数着購入した。

シロちゃんは白いワンピースが気に入ったようだ。

お昼ご飯をフードスペースで食べ、一息つく事ができた。


「どうシロちゃん?服には慣れたかな?」


「何か変な感じね。でも巫女服よりは楽かもしれないわ」


「尻尾の穴を開ける必要が無くなるのなら、これからは普通の服も着れるようになるね」


「神界に行く時は巫女装束じゃないと怒られるけど、物質界ならそれも良いわね」


「どれ、せっかくだし、何か楽しんでいこうか?映画なんかはどうかな?テレビなんかとは比べものにならないくらい大きな画面で映像が観れるよ」


目がキラキラしているシロちゃん。

映画で決まりだな。

ショッピングモールに併設されている映画館に入る。

シロちゃんはアクション系の映画をテレビで良く見ている。

ちょうど話題になっているアクション映画があった。


キャラメルポップコーンと炭酸飲料を買い、指定の座席に座る。

シロちゃんは喜んでキャラメルポップコーンを食べている。

俺がお菓子を食べないから家にはお菓子がないからな。

今度いろいろ買ってこよう。


映画が始まるとシロちゃんは興奮しだした。

頭から狐耳が出て来る。

その度に俺がシロちゃんの頭を触って教えてあげる。

恥ずかしそうに狐耳を隠すシロちゃん。

暗い映画館で良かったな。

1時間もするとシロちゃんも慣れてきたようで、狐耳が出る事はなかった。


映画が終わってボウリングをする事にした。

真剣な表情のシロちゃん。

簡単に投げ方を教えるがガターばかりだ。

2ゲーム目からはガター防止のストッパーレーンにしてもらった。


シロちゃんは何でも初めてなので、興味津々でとても喜んでくれる。

連れて行くのが楽しいタイプの女の子だ。


ボウリングが終わると日が落ちてきていた。

車で個室のある洋食レストランに入る。


やっぱり肉を食べてるシロちゃんが一番良い笑顔になるな。

食事中に研修中の話をした。

俺は香澄については話せなかった。

せっかくシロちゃんと楽しい時を過ごしているんだ。

今話す内容ではないと自分に言い聞かせていた。


ご飯を食べ終わり帰ろうとしたら、夜景が観たいとシロちゃんがリクエストした。

車で30分も走らせれば街の夜景が見えるスポットがあるな。

了解して車を走らせる。


車の中のシロちゃんは何か緊張しているのか静かだった。

俺が話しかけても生返事だ。

軽い山道を走り、夜景スポットに着いた。

車を降りて夜景を眺める。

ぎごちない動きで車を降りるシロちゃん。

急にどうしたかな?


「シロちゃん、こっちから観える夜景が綺麗だよ」


シロちゃんが近寄ってきた。

夜景を見たシロちゃんの目がキラキラ光っている。


「仙森市の夜景もなかなかのもんだな。まあ函館山には敵わないけどね」


「綺麗……」


シロちゃんが無言で俺の手を握る。

ちょっと焦ったが平静を装う。

シロちゃんが俺の身体の前に移動する。

俺の腕を肩から自分の前に持ってくる。

後ろからシロちゃんを抱き締める格好になってしまった。スッポリと俺に包まれる形になったシロちゃん。


柔らかい。

良い匂いもする。

脳天が痺れてくる。

シロちゃんを後ろから抱き締めているため、シロちゃんの顔が見えない。

痺れた頭にシロちゃんの声が聞こえる。


「ナギ、いつもありがとう。貴方がいるから私は頑張ることができるの。貴方がいなかったら、きっと心が折れていたわ」


「なんだよ、今更。俺とシロちゃんの仲だろ。シロちゃんのお母さんとシロちゃんはウチの守り神だ。小さい時は一緒に遊んでもらったしな。シロちゃんが困っているなら、いくらでも助けるよ」


「それなら早速助けて欲しいことが私にはあるんだ」


身体を反転させて見つめ合う形になる。

無言の時間が二人の間に流れる。

決意を決めたシロちゃんの柔らかそうな唇が動く。


「地狐の研修で学んできた房中術をナギと試したいの」


言い終わったシロちゃんは顔を赤くして俯いた。

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