表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月光の狐  作者: 葉暮銀
17/57

シロの視点(富士の樹海の洞妖窟遠征終了)

朝日が出ると共に目が覚めた。

ナギはまだ寝ている。

起こさないように寝袋を出て服を着る。


少し経つとナギが起きてきた。

疲れはしっかりと取れているようだ。

回復術は私の得意な術だ。


朝ご飯を食べて(どう)(よう)(くつ)に入る。

今日も土蜘蛛三昧。頑張っていきますか。

土蜘蛛はほとんど音を立てない。

そのため、(どう)(よう)(くつ)には私とナギの息遣いしか聞こえなくなる。


二人の息遣いがリズムを紡ぐ。

二人が一人、一人が二人。

なんだろ?

頭の中が空っぽになっていく。

何か気持ちが良い。

リズムに身を任せて動く。

とても気持ち良いが体力が持たなくなってくる。


ナギに言って、一回外に出る。

三時間は土蜘蛛退治をしていた。

手を上に上げて身体を伸ばすと気持ちが良い。

昼食を食べて、一度狐姿に戻って体力を戻す。ナギには回復術だ。


午後にもう一度、(どう)(よう)(くつ)に入った。

午前中と同じようにリズムに身を任せる。

土蜘蛛退治は問題無く進んでいく。

これもナギのおかげだ。

力徳(りきとく)家の人は本当に凄い。

三時間ほどの土蜘蛛退治で(どう)(よう)(くつ)を出る。


息を整えているとナギが話しかけてきた。


「シロちゃん、このまま土蜘蛛を倒していくとどうなるのかな?」


「どうなるって?」


「いや、親玉みたいなのが出てこないかな?」


「大蜘蛛みたいなの?ナギ、もしかしてビビってる?」


「そりゃ物にもよるけど」


あんなに強いナギがビビっているの!?

ちょっと揶揄(からか)いたくなった。


「確か平家物語に出てくる山蜘蛛は全長1.2mって言われているからなぁ。足まで入れるとどのくらいなのかな?」


ナギが吃驚(びっくり)した顔をして言葉を(まく)し立てる。


「うん。そうだね。シロちゃん。そんな化け物が出たら、速攻で逃げだね」


「ナギは心配症だなぁ。そんな伝説の蜘蛛なんか出てこないわよ」


そんな伝説の蜘蛛が出てきたら私も逃げるけど。


「いや、安全第一!品質第二!生産第三!です!」


「そんな言葉知らないわ。分かったわよ。大蜘蛛が出たらすぐに逃げましょうね」


まだまだナギの戦いには余裕があると思うけどなぁ

晩御飯を食べて昨日と同じように狐姿でナギの寝袋に潜り込んだ。

お日様のような私のお母さん。

やはり寂しい。

だけどナギの陽だまりのような笑顔を見ると安心できる。



日が昇る少し前に目が覚めた。

ナギを起こさないように寝袋を飛び出す。

服を着て朝の鍛錬を始める。

刀の使い方はナギに教わった。

まだまだ下手だけど修練あるのみ。


少し身体が温まったところで朝日が昇ってきた。

ナギが目を覚ましたみたい。

取り敢えず、今日で土蜘蛛退治はひと段落つく。

朝ご飯を食べて(どう)(よう)(くつ)に入る。


土蜘蛛退治を始めて1時間くらいで大きめの土蜘蛛に変わってきた。

ナギから終了の言葉をかけられる。

もう少しと思ったが安全第一と言い聞かせて終わりにした。


(どう)(よう)(くつ)を出るとナギが明るい声をかけてくれる。


「シロちゃん、お疲れ様。今回の富士の樹海の(どう)(よう)(くつ)の遠征は成功だね」


「ナギもお疲れ様。霊片がどの程度の神力になるか今から楽しみね」


この荒行は成功だなっと思ったら顔が綻んだ。

短いような、長いような富士の樹海の(どう)(よう)(くつ)の遠征は終了した。

星をいただけると励みになります。面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
集英社ダッシュエックス文庫より
第1巻が発売中
▼▼▼クリック▼▼▼
ジョージは魔法の使い方を間違っていた!? ~ダンジョン調査から始まる波乱万丈の人生~
html>



▼▼▼葉暮銀その他の作品▼▼▼
蒼炎の魔術師〜冒険への飛翔〜
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ