登場人物とこれまでのおさらい
豪雨に見舞われた地域の皆様、大変おつらいでしょうが、病気やけがなどの二次的な災害にお気を付けください!
登場人物
田中宏:
妹の影響により夢魔に襲われた高校一年生の少年。特にこれといった特徴のない少年だが夢魔に苦しめられたことで精神的な成長をはたす。本作の主人公である。
田中由香:
宏の妹。中三の受験生で同じブラスバント部の中島美紀をいじめた加害者である。そのあと中島美紀が不慮の事故で死んだため、精神のバランス崩して夢魔に侵食される。
中島美紀:
由香の同級生。優れた音楽的な才能を持っているためにねたまれ、それがもとで事故死するという不遇の人生を送る。
内藤さおり:
由香の所属するブラスバント部の部長。地元の名士の娘で経済的にも豊かな家柄の御嬢さん。
内藤ゆかり:
さおりの母。PTAの会長で地元の有力者だけでなく中央の政界にも鼻が利く。他人に対する気配りや配慮は温かみがあり、周りで彼女のことを悪くいう人間はいない。
副島洋子:
由香のいるブラスバント部の顧問。中島美紀の事故死の要因を作った一人であり、彼女もその責任を感じて夢魔に侵食される。精神のバランスを欠いた彼女は自殺するが、その時に残した遺書は行方不明となる。
鈴木絵里:
由香と同じブラスバンド部に所属。中島美紀のフルートを準備室から落とした張本人。誰かの命令に従ったというが……
伊藤:
浅間中央署、生活安全課の警部。さえないおっさんに見えるが捜査能力は抜群。ただ、この男には何やら影が……
安倍:
浅間中央署の刑事、伊藤の部下。実は中央から赴任してきているエリート。ただしエリートといえども有望株ではない。
刈人(可憐な少女):
夢魔を倒すために生まれた存在。大正時代の女学生のように行燈袴に矢絣の着物を身に着けたている。見た目こそ美しいが、ショットガンを放つ姿は殺戮者といって過言でない。
嗄声の持ち主
可憐な少女とともに現れる声だけの存在。夢魔を感知して刈人にその存在を教えるサポート役。善人なのか悪人なのか判断のつかない存在。
夢魔:
夢の中から対象を侵食するクリーチャー。その存在は不透明かつ認識しづらい。夢魔に侵食された人間は廃人となることが多く、自殺や事故死といった不遇に終わる……その一方で夢魔と共存して生きながらえる人間もいる。
おさらい
夢魔により浸食された田中宏は死の間際に刈人により助けられます。そして刈人は宏の近くに『夢魔の根』があること示唆し、それが妹ではないかと疑います。
宏の介在により妹、由香のなかにある心の闇を見透かした刈人は由香の精神を侵食した夢魔を倒して廃人寸前の由香を救います。ですが倒した夢魔の残滓からは『根』と呼ばれる刈人の求めるものはありません。
刈人は『夢魔の根』となる存在が別のところにあると宏と由香に伝えます。
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宏と由香は一連の出来事を整理して『夢魔の根』となる人物が由香の部活の顧問、副島洋子だと考えて接触を図ります。ですが……不幸なことに副島洋子は自殺してしまいます……夢魔に関する事件は迷宮化の一途をたどりることになります。
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そんな折、新たな展開が生まれます。由香の部活の部員たちが河川敷で集団こん睡するという事態が発生したのです。夢魔の息吹を感じた刈人はすぐさまその事件に介在し、その中心人物となる鈴木絵里の中に入り込みます。
ですが鈴木絵里も夢魔に侵食されただけで『根』となる存在ではありませんでした。
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その一方で、副島洋子の自殺を追い、宏がその容疑者であるとにらんでいた浅間中央署の若い刑事(安倍)は副島洋子の残した遺書を巡って自分の相棒(伊藤)に問題があるのではないかと疑い始めます。
ですが、先まわってそれに気付いた伊藤は安倍を誅殺しようと自動車事故を起こします。
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はたして安倍はどうなるのでしょうか……そしてなにより夢魔の根はどこにあるのでしょうか……一連の事件を引き起こした原因はいまだ解明されていません……
物語はこれから核心部分へと入っていきます。
次回から後半に入ります。もう少しで終わりなのでお付き合いいただけるとうれしいです。




