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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第九章 騎士と盗賊の終わらない円舞曲!編
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第八十九姉「ちょっとヒロ!それあたしのよ!あたしの大事なやつ!」

感想いただきました。ありがとうございます。

『このネタ、読者さんの反応あったらうれしいな』と思っていたネタだったので嬉しかったです(笑


更新が遅くなり『きっとブクマ増えないどころか減るんだろうな……』と思ってましたが、皆様のご好意でなんとか頑張れてます。

読者さんはどうやってこの作品見つけて読んでくれてるんでしょうか?

『姉』検索で読んでくれてたら嬉しいな。

 すごい勢いで俺のほうに近寄ってくるラムサスさんとマリーシアさん。

 怖いので姉ガードと義祖母ノエルさんガードを同時発動させると、二人はその勢いのまま席に戻っていった。

 そしてマリーシア。お前、なんかのソースが口のところについてんぞ。

 せめて簡単にバレない嘘をついてくれ。




「とりあえず、職員二人に勝ったんだから私とヒロの参加は確定ね!」

「うむ、不参加確定じゃな。」


 ・・・・・・おいじじい。


「えっと、理由をお聞きしても?」

「もともと今回のイベントはE級冒険者を50人集めてやる予定だったんじゃよ。人選も大体終わっておる。お主らの力を見させてもらったが、現役を離れたとはいえ先ほど戦ったあの二人は元C級冒険者じゃ。それを簡単に下せるお主らが参加したら話にならんじゃろう。」

「「BA・KA・NA!!」」


 勝っちゃいけないイベントバトルとかアリかよ。

 ずっと防御が正しい選択だったのか?聖騎士になっちゃうよ?


「ちょっとエルエル!今の聞いた!?横暴じゃない!?我々はギルドの傲慢な圧制に屈しないぞー!」

「・・・まぁ今回の場合は仕方あるまい。いくら名目上E級とはいえ、二人はどんっっっっっなに低く見積もってもD級の戦闘力は確実にある。さすがに他のE級冒険者とは実力が違いすぎるからな。残念だが、今回はあきらめ「エルエルぅ・・・」「ノエルさん・・・」


 膝を突き、上目遣いでノエルさんの服の裾を左右からクイックイッとひっぱるさきねぇと俺。


「・・・る必要はないな!だって二人ともE級だしな!実力がどうとか関係ないし!だって今E級だもん!参加資格は十分に満たしている!我々はギルドの傲慢な圧制に屈しないぞー!」

「「おー!!」」


 ノエルさんの突然の手のひら返しにラムサスさんは頭を抱え、マリーシアさんは苦笑いをし、ガルダじいは目が点になっている。


「で、ですがノエル様・・・」

「ですが、ではない。この二人は冒険者だけでなく、住民にも人気がある。参加するとしないとでは盛り上がり方が違うぞ。関心をもってもらいたいなら二人の参加は絶対必要条件だと思うが?」

「・・・・・・」


 ノエルさんの言葉に、ヒゲを撫でながら考え込むガルダじい。

 がんばれがんばれノ・エ・ルー!


「せめて、ハンデはつけないとどうにもなりませぬぞ。」

「そうだな、ヒイロは魔法の使用禁止だ。かまわないな?」

「ええ、それは仕方ないですね。アルゼンのE級冒険者で魔法使いは俺だけっぽいですし。」


 D級であれば何人かいるらしいが、それでも数えるほどだそうだ。

 元々魔法使いはもっと稼げる地域にすぐ移動しちゃうらしいしな。

 マジで魔法使い不足は深刻のようだ。


「それと、ムラサキは・・・」

「ムラサキさんなら目隠し・猿轡・両手両足縛りでもいけるんじゃないですか?」


 マリーシアさんよ・・・それ、羽でも生えてなきゃ無理ゲーだよね。

 でも、たしかにさきねぇなら『生後間もないころ魔王によって封じられた聖天使の力が覚醒して六枚の翼が生える』可能性もゼロじゃないな!

 さすが俺の姉さん!かっこいい!

 そうすると、俺は実は魔王の息子でさきねぇと悲恋的な話になるんだけど、中盤から二人仲良く手と手を取り合って協力する感じだな!

 それをよしとしない天使軍と魔王軍と人間軍と俺達天魔軍の四つ巴な戦争が始まって・・・

 俺の厨二妄想が暴走している間も話は進んでいく。


「それもそうね。でも私、そういうの初めてだから、マリすけ手本見せてくれない?全裸で。」

「全裸で!?待っておかしい!なんでそれ付け加えました!?」

「いや、マリすけなら似合うんじゃないかなって。てへぺろ!」


 全裸が似合う女、マリーシアか。褒められてるのかけなされてるのか。


「似合う!?似合うって何!?そんな目隠し猿轡で両手両足縛られた全裸の女とか盗賊にさらわれたモブ子Bくらいしか似合いませんよ!!」

「ピッタリじゃない。」

「ピッタリ!!!今全裸のモブ子Bがピッタリと申しましたかムラサキさん!というかそれじゃ私、確実に変質者どもににゃんにゃんされちゃうじゃないですか!いやですよそんなの!処女なめんな!」


 ごめん、俺もけっこう似合うんじゃないかと思ってしまった。キャラ的に。

 しかもそこまでされても放置されちゃう系で。


「大丈夫よ。わがままなマリすけはそう言うと思って、やってもらう場所は森の奥地で考えてるわ!隠れるとこはいっぱいあるから、ノットにゃんにゃんよ!」

「違う!!気遣いの場所が違う!!別の意味っていうか本来の意味で美味しく食べられちゃう!!」


 誰が上手い事を言えと。ちょっと面白かったな今の返し。

 まぁ森の奥地ならリトルワニとかいるから、リアルワニワニパニックでぱっくんちょな感じやね。

 そんなことを考えてると、マリーシアさんと目が合う。


「そ、そんないやらしい目で見ないでくださいヒイロさん・・・全裸を想像されるなんて、わたし、恥ずかしすぎて死んじゃいます・・・」

「はぁ。」


 マリーシアさんの裸とか全くこれっぽっちも空気中のチリほどにも考えてなかったわ。

 ふむ。たまには思春期の男の子っぽくそういうのを考えるのもいいか。

『マリーシアさんの裸』ねぇ・・・


「・・・・・・ハッ。」

「ヒイロさん待って。今なんで鼻で笑ったんですか?わたし?違いますよね?私関係ないですよね?」

「あー、えっと、アレですよ。『沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。』って言うじゃないですか。」

「ちょっとヒロ!それあたしのよ!あたしの大事なやつ!」


 無断使用がばれてしまった。

 マリーシアさんはな~。貧乳というにはそれなりに大きさがあるし、巨乳というには小さいんだよな。

 並乳というか、凡乳というか。

 背も高いわけでも低いわけでもないし。

 なんか中途半端なんだよな。そそられないというか、『僕たち、ずっと友達だよね!』キャラとでもいえばいいのか。

 さきねぇの裸>>>>>>>>人間では越えられない壁>>>>>>マリーシアさんの裸って感じだな。


「とりあえず、娘っこは手癖が悪そうじゃから両手は使用不可じゃの。」

「あと、当然魔法もね。街中でいきなり大爆発でも起きたらパニックになる。」

「まぁそれくらいは仕方ないですかね。」


 ガルダじいとラムサスさんの提案は妥当だな。

 本当は足も使用不可にしたいけど、そうすると走れなくなっちゃうからな。


「ねぇ?なんか私、ドロボーやることが決定してる系?追う方が好きなんだけど。」

「俺らが警察やったらゲームになんないでしょ・・・」


 攻略法としては俺ら以外の23人を牢屋の警備にして、我ら姉弟で相手25人を一人ずつ捕まえれば終了だからな。

 いくらなんでもつまんな過ぎるだろそれ。


「そうだ!どうせだったらヒイロさんとムラサキさん、たまには違うチー「黙れよ殺すぞ。」ムでやる必要はないですよね!仲良し姉弟ですもんね!?」


 俺の本気と書いてマジの目を見てびびるマリーシアさん。

 こいつ、本当に余計なことしかいわねーな。

 ドロケーでさきねぇの敵に回るとか・・・うわ、思い出したら気持ち悪くなってきた。


「とりあえずヒイロくんとムラサキさんは盗賊側でお願いするよ(ムラサキにはピッタリだしな)。」

「なんか今私に対して不適当な言葉が聞こえたような気がするけど、特別に許してあげましょう。」


 なぜかにらみ合いながら話すラムサスさんとさきねぇ。


「でも50人でアルゼン全体って広すぎじゃないですか?」

「ローカルルールなんかもあるから整備しないといけないのぅ。」

「牢屋はどこに配置しましょうかね?」

「ハンデに重り追加とかどうですか?」

「キックはアリ?アリよね?」


 ドロケーに対する熱い想いを語り合う、いい年した大人たちだった。

 そして、子供時代ぼっちだったためナイシー未経験のノエルさんは、話に入れないため頬をプクーっと膨らませて『私、不満です!』アピールしていた。



ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


次回からやっとドロケーが始まります。予想以上に前フリが長くなりました。


今回の個人的ヒット語句『ノットにゃんにゃん』

これをおもいついたとき、ぼくはてんさいかもしれないとおもいましたまる

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