第六十九姉「いやー素晴らしい絶景でした。ひゅーひゅー!」
感想を3件もいただきました。
ゲームブック、知ってる人はやっぱり知ってるんですね(笑)
でででで!でっでっでっでっでっでっでっでー!
「・・・おや!? 変態ブラコン姉 の ようすが・・・!」
また弱みを握られてしまった・・・
俺のほうこそ『エロいことする気ね!?エロ同人みたいに!?』って言いたいわ。
「やっと水没エリアから出れたわね。」
「ね。ちょっと乾かしたほうがいいかね?」
「!? 私の火魔法の出番ね!」
「絶対違うからやめて!こんなところで爆発したら生き埋めになっちゃう!」
なんなのこの人間爆○岩・・・メガ○テ好きすぎるだろ。
「ちょいまち。何が出るかな、何が出るかな・・・じゃーん!『炎のナイフ』ー!」
「ちょっと!そんなアイテム初耳なんですけど!」
「ノエルさんが『ムラサキに見せたら火遊びして夜寝れなくなっちゃうから、必要な時以外は見せないように!』って。」
「子供か!」
まぁノエルさんからしたら人間族なんて全員子供だろうけどね。168歳だし。
「燃やすものあるの?」
「当然。ごそごそ・・・『薪』ー!」
「薪まであんのかよ!?キャンプでもするつもりできたの!?」
「あとタオルと着替えもあるよ。さすがに飛龍のローブはないけど。」
一週間キャンプできるくらいの装備は整えてるぜ!
薪に炎のナイフを刺すと、そこから火が燃え上がる。
「「おお~!」」
火にあたりながら着替える。
なんか、こう、あれだな。
洞窟の薄暗い中で、光石の光を受けながら見るさきねぇの裸は、こう、神秘的だな。
実は聖属性を持ってるセラフの一人ですといわれても信じてしまうな。
じー・・・
さきねぇの着替えが終わる。いやー目の保養でした。
デジカメー!なんでお前はいないんやー!!
「着替え完了っと。そしてヒロ、見すぎ。お姉ちゃんのおっぱいに穴が開くかと思ったわ。別にいいけど。」
「いやー素晴らしい絶景でした。ひゅーひゅー!」
「よし、じゃあ今から脱ぐ!」
「なんのために着替えたんだよ!別にいいよ!また今度で!」
「今度姉が脱ぐのをじっくり見るのか・・・HENTAIね。」
「な!?」
HENTAIにHENTAI扱いされたぞ!?弁護士を呼べ!徹底抗戦だ!
そんなアホな会話を繰り広げながら、暖を取る。
幸いなことに、ここには魔物がいないらしい。ゆっくり休もう。
「なんか食べる?」
「食べるー!なにあんの?」
「これなんかどうっすか。自信作っすよ。」
俺は魔法袋から手作りのあるモノを取り出す。
「こ、これは!おにぎりじゃないデスカー!」
「私が作りました。生産者、初月緋色。」
「やっる~!いただきマンモス!」
俺からおにぎりを奪い取ると、麻薬中毒者のように貪るさきねぇ。
白米の魅力、恐るべし。
「いやーいい塩加減ね!ヒロの汗がいい味効かせてるわ!」
「ぶっ!」
すごい食べづらくなった。
うちのお姉さまは、普段は普通のHENTAIなんだけど、たまに変態度が突き抜けるんだよな・・・
「ごちそうさまでした!おいしかった!感動した!」
「そりゃよかった。」
二人でおにぎりを食べ終える。
創造した≪水道≫でコップに水を注ぎ、その水を飲む。うまし。
水属性最高。
「・・・ねぇ、ヒロ。魔法袋、なんでも入ってる?」
「? 大抵のものはいれてきたつもりだけど?」
「お姉ちゃん、お花摘みいきたいんだけど。」
「・・・オゥ。さすがに簡易トイレは入ってない。」
「・・・野良ションしかないか。・・・見る?」
「見ねーよ!目つぶって耳ふさいでるからそこらへんでさっさとすませろ!」
自分で自分を変態シスコンヤローだとは自覚しているが、さすがにその領域まで足を踏み込む勇気はない。
さきねぇだったら踏み込むっていうか、むしろ踏み切ってジャンプするんだろうが。
・・・俺の姉、やばい。
とりあえず、変身!『見ざる聞かざる言わざる』!
じっと息を潜める俺。俺は石俺は石俺は石・・・
少しして、頭に小石がコツンと当たる。
終わったのかな。耳をふさいでいた手をどける。
「紙をくだ~さ~い~wowwow、紙を~くだ~さ~い~♪」
「ぶはっ!今タオル渡す!それで拭け!ちょっと面白かった!」
なぜすぐにボケるのだろうか。そこに弟がいるからだろうか。
「オワタ!」
「報告せんでいい。はい、これで洗って。」
なぜか両手を広げて笑顔で近づいてくる姉に、≪水球≫を渡す。
使用済みタオルをざぶざぶと洗うさきねぇ。
ティッシュやトイレットペーパーが腐るほどあるって、すごいことだったんだな。
改めて日本のすごさを確認したのだった。
「さて、そろそろいきましょうかね。」
「いきますか。」
「ピリオドの向こうへ!」
「一人でいってください。」
「じゃあヒロはここへ置いていく。」
「ちょ、ま、こんなところで一人とか泣くぞ!いいのか!?」
「よくなーい。私がヒロを置いてくはずないじゃない!」
「・・・心霊スポット。一生忘れないからな。」
「さぁ先に進みましょう!ごーあへー!」
ごまかしやがった。
洞窟をさらに進むと、二手に分かれていたり十字路になっていたりと、まるで迷路のような構造だった。
さきねぇは迷うことなくすたすたと歩き、俺もそれに続く。
一応炎のナイフで壁に傷をつけながら進んでいるが、多分必要ないだろう。
なぜならさきねぇがいるからだ。
この姉の感覚の鋭さと運が異常に良いことを経験として知っているため、さきねぇについていけば出口につくとほぼ確信している。
でなければ、見知らぬ洞窟に入ろうなどとは言い出さない、第一志望が公務員の安定重視の俺だった。
どれほど歩いただろうか。
多分一時間以上は歩いてるが、まだ出口につかない。
さきねぇと二人だから怖くはないが、さすがに疲れてきた。
二時間近くグリーンハーブ採ってから熊さんに追いかけられて、穴に落ちてからも歩きっぱなしだ。
「さきねぇ、感覚としてはどんなもん?」
「多分、もうすぐ抜けるんじゃないかしら?」
「おーけい。」
すると、あれだけ複雑だった道が一本道になってきた。
そして。
「「出口だ!」」
二人で手をパン!と合わせる。
壁の一部から光が漏れているので、出口はなんらかの理由で埋まってしまったのもしれない。
さきねぇがミカエルくんを取り出す。
「よっしゃー!地球の果てまでぶっ飛ばしてやるわ!」
ここは異世界なので、次元の壁を突破しないと無理だと思います。
「うらぁぁぁぁぁ!」
ドバァァァァァァァァン!
壁が吹っ飛ぶ。
その先は木々が生い茂っている。
木々は枯れていたり、黒ずんでいたりする。
「・・・さきねぇ、ここ、森の奥地っぽいね。」
「そうね。まぁ基本E級でしょ?余裕っすよ。」
「それもそうだね。」
その時。
ふよふよふよふよ。
魚が空を泳いでいた。
「「・・・・・・・・・」」
なんぞこれ。
目をゴシゴシと摺る。魚が浮いてる。
「捕獲!」
「いえっさー!」
俺は≪水球≫を放つ。
魚?に当たるが抜け出そうとしている。
そりゃそうだよね。魚だもんね。
すぐに急速冷凍。カチン!
「こんなのもいるのねー?おいしいかしら?」
「魚だから大丈夫じゃない?ふぐでなければ。」
「川魚っぽいから平気でしょ。乱獲して今日のごはんのおかずにするわよ!」
愉快な魔物との遭遇に、時間を忘れて捕獲作業にはいる俺たちだった。
そして、気づけば日も沈んでいた。
「さすがに今日は夜営だね。夜に動き回っても危ないし。」
「じゃあ、火を起こしてさっきの鮎もどき食べちゃおうぜ!魔物も火には寄ってこないっしょ!」
「とりあえず、まわりを結界で囲むか。」
俺は周囲四方に≪水壁≫を出現させ、さらにそれを凍らせる。
これで奇襲をうける心配はない。
存分に料理をするぞ!魚を焼くだけだけど!
「ねぇねぇ、もう焼けた?焼けたんじゃない?いけるんじゃね?」
「ちょい待ち・・・ん、もういけそうだな。」
言うや否や、さきねぇは光の速さで串刺しにした焼き魚魔物を食べていた。
「いやっはー!一番口はもらったー!もぐもぐごっくん!うめー!」
「せっかくの食事なんだからもうちょっと落ち着きを持っ「ヒロー、あーん♪」
「・・・」
・・・まぁいっか。あーん。
「おいし?」
「ん、おいしいよ。」
「私が食べさせてあげたんだから当然よね!次は私ね!あーん!」
「あーん。」
「あー・・・ん。もぐもぐ。」
「おいしい?」
「ん。ヒロが食べさせてくれたから世界で最高においしいわ♪」
「そりゃよかった。」
日本だろうが異世界だろうが、やってることは全く変わっていない俺たち姉弟だった。
てんてんてーん、てててててててーん!
「おめでとう! 変態ブラコン姉 は すごい変態ブラコン姉 にしんかした!」
・・・おかしい。こんな予定ではなかったんですが。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。
気付いた方はいないかもしれませんが、今回のラストは第一姉の冒頭です。
やっとここまでこれた・・・当初の予定では10話程度で冒頭に戻るつもりだったんですが。
勢いで突き進みすぎました。




