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あねおれ!~姉と弟(おれ)の楽しい異世界生活~  作者: 藤原ロングウェイ
第四章 冒険者になる前に魔法の訓練をしなさいって、おばあちゃんが言ってた!編
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第四十九姉 「えっと、その・・・微妙?いや、もちろんないよりはいいぞ!」

書き上げた第五十一姉が、気づいたら中身が白紙になってました・・・

ちゃんと保存してたのに、そんなのってないよ・・・あんまりだよ・・・!


読者さんから多分これがPV増えた理由ですよ、というメッセージをいただきました。

「そんなまさか、ドッキリだろ~?いややわ~」と思いつつ見ると、ジャンル別日刊ランキングにランクインしていました!

やはり、時代は姉といちゃラブを求めていたのだ・・・!

200X年、世界は姉の炎に包まれた!

しかし、姉スキーは死滅していなかった!

汚物むだなシリアスは消毒だぁー!ぼわぁ~!

多分マグレなので今後載ることはないと思いますが、良い思い出となりました。

みなさま、ありがとうございます。

 こうして、さきねぇを背負いながら帰路に着く魔法特訓一日目だった。

 つーか、やっぱさきねぇのおっぱいでかいな!すげぇ!




 姉を背負って帰宅した。

 といっても歩いて5分くらいなんだけどね。


「とりあえず、さきねぇを部屋に置いてきますね。」

「ああ、そうだな。・・・服は、どうする?」

「?どうする、とは?」

「いや、だから、えっと、その、脱がさなきゃ、まずいよな?」

「?そりゃそうですよ。多少乾いたとはいえ、濡れたまま寝たら風邪ひいちゃいますから。」

「・・・ヒイロ、やっぱり交換だ。私が着替えさせて寝かせる。」

「え、別にいいですよ。そもそもノエルさん、さきねぇ持てます?」


 さきねぇがいくら軽いといっても、ノエルさんじゃ無理な気が・・・

 だって、この人見た目小学生の168歳だぜ?

 コ○ン君がラ○姉ちゃんを抱きかかえるようなもんだ。


「ヒイロ、私を誰だと思っている?いいから貸しなさい!」

「あ、ちょっと、あぶな・・・」


 さきねぇがひょいっと持ち上がった。

 嘘だろ。


「ふふふ、ヒイロ、魔法のレッスンだ。各属性には自分の能力を強化する魔法がある。今私が使っているものが火魔法の≪炎力強化ザ・フレイム≫だ。これは腕力周りを強化することができる。魔法力が高いほど強化されるし、魔法量が多いほど持続する。覚えておきなさい。」

「はい!えっと、水はどんな強化が~っと聞く前に、さきねぇをお願いします。」

「ふふふ、いい子だ。座って待っていなさい。」


 ノエルさんはさきねぇを抱っこして部屋に向かった。

 強化魔法か・・・火が腕力なら、風は速さだろうな。土は防御力?防御力ってなんだ?体が硬くなるのか?そして水が思い浮かばない。なんだ水は。ええい、どこまで存在感が薄いんだ水!



 少しして、ノエルさんが戻ってきた。


「・・・どうした?何をそんなに悩んでいるんだ?」

「え?あ、いや、なんでもないです。他属性の強化はなんだろうなーと思いまして。風は速さ、土は防御力かなーと。ただ、水が思い浮かばなくて・・・」


 ノエルさんは人差し指をピンッと立てる。


「おおむね正解。・・ふふ、答えを教えられるのを待つだけでなく、自分でも考えてみる。優秀で良い生徒だな、ヒイロは。魔法学校のクソガキどもがみんなヒイロみたいだったら、どれほど魔法学は発展するか・・・はぁ。」

「あははは、お疲れ様です。」

「ありがとう。えっと、他属性の強化だったな。風は脚力周りが強化される≪風速強化ジ・エア≫で、土は体の硬さが強化される≪土体強化ジ・アース≫だ。ヒイロの『水』は傷や体力の回復が早くなる≪水命強化ジ・アクア≫だな。あー、日常生活や長期戦なら使い勝手は抜群だぞ?」

「普通の戦闘では・・・?」

「えっと、その・・・微妙?いや、もちろんないよりはいいぞ!」


 フォローニナッテナイヨー。

 ないよりはましって。

 ひのきのぼうじゃないんだからさ・・・


「再生力強化って・・・痛みは普通にあるんですよね?治りがちょっと早いだけで。」

「あるな。」

「使えねーーーー!」

「はははは!まぁ仕方がないさ。魔法適正を持っていない人間が大半なんだから、贅沢を言わない。」


 そりゃそうだけどさー。

 ゲームなら痛みとかないけどさー。

 リアルなんだからさー。

 もうちょっと考えてよ異世界の神様ー。

 あれ、精霊王様だっけ?まぁどっちでもいいか。


「ヒイロ、疲れただろう。いきなり魔法を使ったのだものな。風呂を沸かすから入るといい。」

「あー助かります!ありがとうございます!」


 この世界に風呂は存在するが、個人宅に風呂があるのは金持ちだけだ。

 ほとんどの市民は塗れた布で体を拭いたり、安全な川や泉で水浴びをしたり、週に一度銭湯にいくくらいだ。

 ちなみにこの世界の銭湯は公営だ。国に仕える魔法使いたちが持ち回りで担当しているらしい。

 土魔法で掃除をし、水魔法で水を貯め、火魔法で温める。

 そして風魔法使いは涼しい風を送ったり、販売・管理運営などその他雑用係らしい。

 持つもの、持たざるものって感じですごい切ない。

 異世界も格差社会なんだな・・・


「今日は暖かいし、ぬるめにしておこう。」

「さすがノエルさん、わかってらっしゃる!」


 もちろんノエルさん宅には風呂がある。

 というより土魔法で川からの水路と、露天の岩風呂を作ったらしい。

 水路は二股になっており、片方の水はそのまま川に戻り、片方は金属のドアでせき止められている。

 風呂に入りたい時はドアをスライドさせれば水が岩風呂に流れ込む仕組みだ。

 あとはノエルさんが火魔法でお湯にするだけ。

 お手軽かつ優雅である。


「さて、水が貯まるまでお昼にしようか。本当は向こうで食べようと思っていたんだが、まさかヒイロがすぐに魔法を使えるようになった挙句、ヒイロではなくムラサキが倒れるとは思ってなかったのでな。」

「うちの姉がご迷惑をおかけしまして・・・」

「かまわないよ。こちらとしても楽しい毎日を送れて嬉しい限りだ。」

「そういっていただけると助かります。」


 ノエルさんが魔法袋から食パンと、串屋のおっちゃんから買ったホーンラビットの串焼きを取り出した。

 食パンと食パンの間に串焼きの肉を挟めば・・・焼きホーンラビットパンに!

 これがなかなかうまいのよ。

 コンビニで買ったら298円はするね。


「さきねぇに声かけないで、先に食べても大丈夫ですかね?あの人、仲間はずれ、というか俺からハブられるのを極度に恐れるヤンデレなとこありますけど・・・」

「魔力切れで眠ったからな。どんなことをしても3時間は起きないと思うぞ?」

「じゃあそのまま寝かしときましょうか。では、いただきます!」

「うむ、召し上がれ。」


 二人で焼きホーンラビットパンをもぐもぐ食べる。

 たまには誰もボケない、静かな食卓もいいもんだな。


「やっぱこれおいしいですね。」

「だろ?私もけっこう好きなんだこれ。」


 ぺろりと2個完食。レモン水を飲む。

 ズズズズ・・・


「「ふぅ・・・」」


 かぶった。

 ノエルさんと目が合う。


「・・・あははは。」「・・・ふふ。」


 なんかまったりしてていいな、こういうの。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・二人で何してるの」

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」


 怨霊の神殿のボスといわれても信じてしまいそうなほど、恐ろしい声が背後からかかる。


「ム、ムラサキ!?バカな、倒れてから30分くらいしか経ってないぞ!?」

「今も・・・正直・・・めっちゃ眠いけど、私の姉センサーが・・・すごい反応を示したから、起きてきた・・・・・・。」

「む、無理しちゃだめだよ?魔力切れ?らしいから。後で起こしてあげるから、ゆっくり寝てれば?」

「・・・・・・わたし、じゃまかしらぁぁぁぁぁぁァァァァァァァ」

「ひぃ!純粋に心配してるのに!・・・わかった、俺も部屋までいくから一緒に寝よう?な?」

「・・・うん・・・・・・・」


 さきねぇはいまにも倒れこんで寝そうだ。

 肩を貸して部屋へと引きずっていく。


「ノエルさんすいません。俺も部屋にいって横になりますね。」

「ああ、ヒイロも疲れているんだ。ゆっくり休むといい。」


 そのまま部屋に入り、さきねぇをベッドに寝かせ、俺も着替えて横になる。


「・・・よかったの?」

「何が?」

「・・・・・・・エルエルと一緒にいなくて。」

「・・・・・・・ぷ。ヴぁっはっはっはっはははははははは!」

「・・・何よ。」


 さきねぇはフンッ!っといった感じで毛布で顔を隠す。


「・・・さきねぇ。」

「・・・・・・・・・・・・・」

「大好きだよ。誰よりも。いままでも、これからも、ずっと。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・知ってる。」

「うん、それも知ってる。」



 二人の部屋からは、いつものように、笑い声が響いていた。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


これで『第四章 冒険者になる前に魔法の訓練をしなさいって、おばあちゃんが言ってた編』の終わりです。

お風呂の説明があったから入浴回だと思いましたか?

残念!次章です!

次に50話記念(?)であらすじと人物紹介をのっけたいと思います。

そして、次章でついに冒険者への第一歩を踏み出します!

長かったぁ・・・


ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


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