テットはモテモテである
「テットさ〜ん! 今日も薬師さんの護衛? 大変だね」
「あら〜テット! 最近はよく会うわねぇ? 会えて嬉しいわ?」
「テットテット〜! 今日は時間、空いてないの?休憩時間とか、ないの?」
はい。俺テットッス。
えっと。はい。俺モテモテに見えます?
はい、まぁ行き交う女の子が次々と話しかけてくるな?
皆よく俺の事覚えてるよね〜?
一度しか声かけた事ないような子まで、覚えてるよねぇ。
「テット友達多い? にんきもの?」
「そだね? 女の子に人気だね? 羨ましい?」
その横で平然とそんな話しないでくれないッスか?
メリルも城下町に来るならオシャレして来ればいいのに、いつも通りなんだもんな。何が言いたいかって? つまり、ボサボサ頭のチンチクリンにしか見えない。
綺麗にしてくれていれば、俺も女の子達にこんな風に話しかけられる事ないと思うんだけどなぁ。
ここだけの話メリル素顔は結構可愛いのに。勿体ない。
「あ! テットだぁ〜久しぶり〜!」
エーーーットこの子誰だっけ?
思い出せな・・・・・。
「うーん。俺メリルが居るからいい。メリル大好き!」
「うーん、シャミ。私はめげそうだよ? シャミのそんな誘惑に負けてしまいそうな毎日だよ? 」
いや、負けるなメリル。
そこは自分の意思貫いて行こう!
あと、最近またシャミと一緒に寝たりしてるだろ?
なんで? そういう事しない約束じゃなかった?
俺、本当内心心配でしょうがないんだが?
「あれ? その子達誰? もしかして〜子供のお守りさせられてるの? 」
い! ちょっとメリルの前で勘弁してくれ。
ここでご機嫌悪くなったら面倒だ。
「そうなの。私これでも宮廷で働く薬師なんだよ? 一応護衛が付く事になってんの」
「・・・・へぇ?・・・テットも大変だね?」
なんだろう。
さっきから俺に話しかけてくる女の子達、メリルに容赦ないというか、失礼だよな。ぶっちゃけ皆性格が悪い事を隠さない! 普通そういうのは隠すものじゃないのか?
「そんな事ないぞ? お陰でこうやって外に出られる時間が増えた」
「え? 私と会えて嬉しいの? やーん! テットたらぁ」
え? この子頭緩いのかな?
あ、すみません。暴言でしたか? 余りに都合のいい脳内変換に、俺思わず突っ込みそうになった。
「さ、そろそろ次行かないと行けないから。っておい! メリル待てよ!」
「あ、お構いなく続けて? 陛下には黙っててあげるから」
「え!? へ、陛下?」
「まぁ問題が起きなければ大丈夫よ? そこだけ気を付ければその子も巻き込まれることはないでしょ? 少しくらい羽目外したら?」
「・・・あ、大事な仕事中だったんだね? ごめんねテット邪魔しちゃって! またお休みの時声かけてね?」
分かりやすい逃げ方だなー。
まぁメリルの姿を見て最重要保護対象とは誰も思わないよな?分かる分かる。
「メリル! 俺今日お金少し持ってきた!」
「そうなの? 欲しい物があるなら買ってあげるよ?」
「俺自分で買う! メリル一緒にいこ!」
微笑ましい図だなぁ。
これだけ見てればこの二人姉弟にも見る。
メリルの婚約者には、見えないけどな! 婚約者なんだよ。
「・・・そうそう、数日前に突然大きな岩が地面からせり上がってきたんだって・・・」
「え? 何それ、魔物の一種かしら?」
おっと? 気になる内容が耳に飛び込んで来たッスね?
「こんにちは! 君達何処から来たッスかね?」
「え? いや、あの」
「あ、警戒しないで? 俺あそこの宮廷に勤めてる騎士なん
スよ? 今話してた話、少〜し詳しく教えて欲しいッス」
商人の娘か何かか?
小綺麗だけどこの街の人間じゃない。
「あ、はい。実はここに来る途中私の父が地面から岩が生えてくるのを見たと言っていて。ここから東に向かった先なんですが・・・」
「因みにそれ、いつ頃の話かな?」
「たしか、14日程前の話だと」
「お父さんってこの街にいる?」
「いえ、父は行商人ですので。途中で私とは別れましたが・・・父に何か?」
ただの魔力の影響で地表がズレた可能性もあるけど、調べてみる価値はありそうだな。
「ううん。次お父さんが此方に来る機会があったら是非商品を見せて貰いたいッス。俺はテット。お父さんにそう伝えておいて貰っていいっすか?」
「え、ええ。分かりました」
「ありがとう。助かるッス!」
「「きゃーーーーー!!」」
ん? メリルとシャミ?
なんでそんな遠くからジッとこちらを見つめてるんすか?
「もしかして、テットお嫁さん一杯?」
「そうだねぇ。そういう文化の土地もあるにはあるよ?」
「・・・俺もお嫁さん沢山?」
「成る程ね? シャミが全員を養えるなら私は構わないよ?」
おいおいおいおい。
何の話してる? 人聞きの悪い。
「・・・んーーーー。メリルだけでいい。俺メリル大好き!」
「・・・あ、そう? ありがとうシャミ。私挫けそうだよ」
ってか遠くから傍観してないで二人も一緒に聞いてくれればいいんじゃないのか?
なんか俺がただの女にだらしないナンパ男みたいになってるが?ちょっと?
「ああ! テット! みーっけた!」
「・・・・久しぶりッスね?」
だーーーー!! ちょっと帰って反省会ッス!
全く調査が進まない!!
主に自分のだけどな!! 俺、少し自重しよ!!




