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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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エピソード1 テゼールとメリル

テゼール達が到着して直ぐの二人のやり取り。

「結局お父さん達もここに住むの?」


「取り敢えずな? お前達が暮らす屋敷から少し離れた所にある場所に調剤室完備の空き家があったから、其方で過ごす事になった。薬室医療長官が、私達の調剤技術を学びたいそうだぞ? マリオーネは暫く其方に講師として招かれる。私は今まで通りマリオーネの身の回りの世話をする」


「安定の主夫業お疲れ様。お父さんも優秀な魔術師なのにねぇ〜? いつまで隠すの?」


考えてみれば私達家族って凄いよね?


お母さんは超優秀な薬師でしょ?

伯父さんは最強の魔術師だって言われてる人で、お姉ちゃんは最強騎士だって言われてて、お父さんだって実はデズロさんと引けを取らない魔力を所持してる。完璧に隠してるけどね? それで私は両親の全てを受け継いだサラブレッドだもんね?


そりゃ隠れるよね? 私見つかったら即、拘束されたもんね? お父さんはバレないでね?


「お前も一人で心細かった・・・事はないな。お前が寂しがった所を見た事ないぞ」


「そう? まぁ確かに。基本放っておいて欲しい。でも、必要な面倒は見て欲しい」


「お前は、マリオーネそっくりだな。嫁の貰い手は無いな」


「そもそも結婚するつもりないから。無用な心配」


深い溜め息だねぇ?

そもそもお父さん私を結婚させたいなんて思ってないでしょ? 寧ろ全力で邪魔するんじゃないの? 今だって1日置きぐらいに私の様子見に来るもんね? その度にその場の空気を悪くして帰って行くよね?


え? ナチュラルになんなの?

お父さんの行動の意味を問いたい。


「お前がそう考えていても、周りがそれを許さないだろう? 現に陛下ともそういう話が上がったから、面倒な事になったんだろう?」


「そうね? でもそれは私の力目当てでしょ? しょうがないじゃない」


「・・・・お前は本当に、アッサリだな。ティファもお前くらいアッサリしていれば、上手くいったのかもな?」


「・・・・そういえば。お姉ちゃんと仲直りしたんだって? どうやって仲直りしたの?」


ん? お父さんなんでそんな苦虫を噛み潰したような顔を? この顔は・・・照れてる?


「・・・親として、伝えるべき事をちゃんと伝えただけだ。ティファが望んでいた言葉を」


ふぅん? よく分からないけど・・・そんな事で仲直り出来るなら私は楽勝だね?

私、お父さんよりはコミニケーション力あると思う!


「で? なんて言ったの?」


「・・・ティファを愛していると伝えた」


え? えーと?


「そんな事? そんな事で仲直り出来たの?」


「・・・・言ったことがなかったんだ。一度も」


そりゃ・・・私も直接言われた覚えなんてないよ?

だけど、分かるでしょ? あ、分からないからこんな事になったんだっけ?


「私は、ティファを褒めたことも撫でたこともなかった。マリオーネもお前も1日の殆どを薬室で過ごしていたから、あの子を構ってやれるのは私しかいなかったのにな」


「・・・・・うちも、特殊な家みたいだからね。指摘されるまで気付かなかったけど」


そうか。お姉ちゃんに必要だったのは、そういう、当たり前な家族の触れ合いだったのかもね。


「私も、ベロニカに言われて半信半疑だった。そんな簡単な事でいいのかとな」


簡単・・・ではないかも。

実際家族にそれを言えと言われたら恥ずかしくて言えないよね。私、自信なくなってきた。


「その時初めてティファは私に自分の本心を打ち明けてくれたんだ。きっとあの子はずっと甘えたくても甘えられなくて寂しい思いをしてたんだな。ずっと男勝りな子だと思っていたが大きな勘違いだった」


「え? どういう事?」


「恐らくあの子はお前より遥かに女性らしい。ただ、あの子の能力の高さがそれを許さなかったんだろう。あの子なりに私達を守ろうと必死になっていたんだ。思い返せばあの子はよく私の手伝いをしてくれていたし、料理も大好きだった。力が強すぎてよく物を壊していたから、そちらばかり気になって気が付かなかった」


あー・・・・。確かに。

お姉ちゃん怪力だもんね。


本人が意図しない馬鹿力でよく物を壊したり人に怪我させてたわぁ。ん?


「ちょっとお父さん? 私より遥かにって何よ? 私だって二人ほどじゃなくても料理も家事も出来るけど?」


「・・・・・好きではないだろ?」


「うん! 好きじゃない! 面倒だから好んでやらない! 寧ろ誰かに世話して欲しい!」


「そういう所なんだがな?」


ちょっと! お姉ちゃんと私を比べないでくれない?

比べるだけ無駄だし、似てなくて当たり前だし。

私もグレようかな?


「お前がグレても迎えには行かんぞ? メリルは非効率な行動はとらないだろう? 心配はしてない」


「なんで私の事はそんなに理解してるのに、お姉ちゃんの事は理解、出来なかったの? 」


「・・・お前はどうなんだ」


「・・・・・・・・・」


アレ? もしかして私、やっぱりお父さんにも似てるのかも。怖いよね、思い込みって。

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