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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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テットは他国の事情を知る

この世界の国は六つ


その内のエドロン、オスカール、カスバール、サウジスカルは大陸が繋がっており、あと二つは島国です。


人が暮らす土地とは別に伝説の竜の島なども存在しますが、今のところ登場は・・・しないと思います。

いやぁ〜サウジスカルから連れて来たベロニカさんって本当に美人ッスね?


俺ティファさんは見た事あったんだけどベロニカさんの事は知らなかった。


当時、俺騎士じゃなかったからなぁ。


「じゃあお姉ちゃん、捕虜として捕まったのに宿舎の料理人になったんだね? 変なの〜」


「だろ? 俺達も、まさかこんな事になるとは思わなかった。最初はデズロ様の子供だって知らされてなかったし、本当にただの捕虜だと思ってたから」


メリルって本当に器用っすね?

話を聞きながらベロニカさん治療してるッス。

心なしか、いつもより楽しそうじゃないか?


「ティファは器用に見えて実は凄く不器用だよな?とくに、人との接し方。最初はふざけてるのかと思ったけど、あれは自だな。此処では上手く受け入れられなかったみたいだけど、サウジスカルの人間は皆わりと・・細かい事は気にしない奴が多いから、ティファにはそれが合ったみたいだ。あと、皆ティファの料理が大好きだからな。その中には熱狂的なティファのファンもいる始末だ」


「ブハッ! 何それ! へぇ・・・お姉ちゃんの料理ってそんなにそっちで人気なんだ。確かに、料理上手ではあったけど・・・へぇ」


メリルさん?・・・・それ以上その男を見つめちゃ駄目ッス。


そいつはチェシャみたいに外見は見目麗しいのに頭残念とかいうオプションついてないッスから。下手するとコロッと騙されちゃうかも知れないッス。


多分そいつ、人生経験豊富ッスよ?

俺と同じ匂いするッスから。だが、明らかに顔面のスペックはフィクスさんが上回っている。俺、惨め。


「テゼールさん達が来た時、ティファ二人を物凄く拒絶したのよ。あんなティファは初めてだった。多分、自分が傷付く事を恐れたんだと思うわ。貴女のお姉さんは、貴女が思っている程強い人間ではないのよ。いや、普通の人よりは強いのだけど・・・」


「・・・・うん、そうなのかも。なんとなく、私も分かって来た。そもそも私とお姉ちゃん、全然性格が違うしね。

よし! 出来た! あとは薬を調合してそれを暫く服用すれば元の体に戻るよ。コレはポーション。毎日一個使うように!」


あれ? もういいんすか? まだティファさんの話聞きたいんじゃないッスかね?あんなにお姉ちゃんが〜お姉ちゃんが〜って言ってたじゃないッスか。


「疲れてるのに、ありがとう! また明日時間があったら続き聞かせてくれる? ベロニカさん、フィクスさん」


「勿論。此方こそ無理言って申し訳ない。君のご両親にも本当に助けられたんだ。ありがとう」


「ありがとうメリル」


「お姉ちゃんがお世話になってる人達だもん。気にしないで!」


気のせいッスかね?

メリルが、若干幼く見えるのは。


いや。この人歳の割に小柄でヒョロヒョロでぱっと見子供に見えるけど、中身はとても大人びているんだよ。


達観しているというか。


でも、この人達と話すメリルは年相応かそれより幼い、姉の友人を慕う素直な女の子に見える。

普通の、女の子に見える。何故だろう。



「いい人達で安心した。お姉ちゃん今、幸せなんだね」


「・・・・メリル様? どうしたんッスか? 」


そんなメリルを見ていると何だか、不安になる。

あの中に入っていけない俺がいる。


「・・・・住む世界が、違う人達なんだね・・・」


そうか。


あの二人と話していると、何だか自分が違う場所に居るような錯覚に陥る感覚にとらわれる。


メリルの姉が今暮らしている場所は、俺達からしたら、まるでお伽話の物語のような所だ。


穏やかで皆が優しく。

王に守られて安全に暮らせるそんな国。


「良かった。お姉ちゃんが幸せそうで」


何だそれ。


だんだん腹が立ってきたッス。


大体何なんだお前の姉さん。


いくら拗れてたからって、無事なら家族に手紙ぐらい出せよ。メリルかどんな気持ちで今まで過ごして来たか、知りもしないで。


何であんた一人で安全な場所に逃げて幸せになってんだよ。


「テット? 何怒ってるの?」


「・・・・別に。怒ってないッス。良かったな? 話が聞けて」


「ま、無事だとは思ってたから心配はしてなかったけど、思いの外楽しそうで腹立たしいわ」


おう。それでこそメリルだな。

良かった、大丈夫そうだな。


「なるべく早くあちらに帰してあげないとね? オスカールと開戦するかもしれないって言ってたし。どうも、アズラエルの門の扉をサウジスカル国土にばら撒いたらしいからね」


それなぁ。


この二人がこちらに来る前、サウジスカルではその事件で大騒ぎだったみたいッス。


アズラエルの門っていうのは、カスバールでも未だ問題になっている異空間が開く門のことなんっすけど、そこから大量の魔物が生み出されている事が確認されてるんすよねぇ?


どうやら、その中が魔物の苗床になってるようなんっすよ。しかもその空間が開く条件が、謎の虹色の水晶に魔力が触れるのが原因で、魔力保持者が触れただけで開いちゃうからそりゃ大変だったッス。


今では全国民がその事を知ってるから、見つけたら直ぐに報告が上がって処理出来る様になっているけど、それでもまだ被害は多いッス。


まさか、あれをばら撒いた犯人がオスカール国とは・・・

やってくれるっすねぇ?


オスカール国は我が国カスバールと隣接している国ッス。北にオスカール。南にサウジスカル。カスバールはこの両国に挟まれてるッス。


因みにサウジスカルは東側の大陸からオスカール国に入国出来るッス。つまり、わざわざカスバールを横切らなくてもオスカールに入る事が出来るから、今までサウジスカルとオスカールは表面上は友好関係にあった筈なんすけどねぇ?何故サウジスカルに害を加えるような事したんッスかね?


「正直、サウジスカルがオスカールとやり合って勝利してくれれば、こちらは都合が良いわね。私達とオスカールの関係はとても良いものではないから、サウジスカルとカスバールが和平を結んだ今、変に手出し出来なくなる。でも、一応リディにも注意するよう言っておかないと」


「そうっすか?でも、サウジスカルはカスバールを庇って得する事なんてないんじゃないッスか?」


あれ? 俺間違ってる?

だってカスバールがサウジスカルに交渉できる材料なんて今の所一つも・・・・あ!


「私がいるでしょうが。それに、アズラエルの門に対する知識がこちらにはある。どれだけ扉がばら撒かれたか分からない状況なのよ? 私達の知識が欲しい筈よ。それに、話を聞いた限りあちらは医療技術がこちらに比べて遅れている。特に、魔法関係がね」


結局そうなるんすか?

また、メリル様頼みッすか?


これ以上仕事増やしてどうするつもりなんだよ、お前。


「今回の事でサウジスカル側は私の能力を知った。これから先あちらが私達の力を必要とする事が必ず来る。だからきっとその間、サウジスカルは私達を助けてくれるでしょ? その間に、この国を今以上に立て直す」


もうメリル、この国の宰相とかになったらいいんじゃね?

滅茶苦茶な国になりそうだけど、それはそれで、楽しそうだ。きっとサウジスカルに負けないくらいの面白い国が出来上がりそうッス!


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