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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
後日談&番外エピソード
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ブリッツォの恋

「宮廷医療室とは別の薬室を作りたい?」


「そ! 宮廷の空き地に薬室邸を建てたいの。そこで住みながら薬室長官って肩書きで薬室医療官の教育も一緒に行いたい。勿論ここは今まで通り皇族の専門医療室として残したままね?」


つまり、研究室を別に作りたいって事かしら?

へぇ? 面白そうね?


「ブリッツォは薬学の研究者としての腕はいいでしょ? だから、こっちの研究者として引き抜きたいんだけど、貴方はここの医療館長だからね。無理にとは言わないし、こちらで研究に携わりながら掛け持ちしてもらっても構わない。どう思う?」


「魅力的な話ね? 勿論協力は惜しまないし研究は続けるつもりだけれど、暫くはこのままここで仕事を続けるわ。私、中途半端は嫌いなの」


「そっか。でも、薬室邸が出来たらいつでも歓迎するよ? クリオルも医療官としてここに居るって言ってたから。別けるとは言っても変事が起こればやる事は同じだからね? 」


そうね。

きっとメリルの医療技術はこの国の宝になる。


既に、カスバールはどの国よりも医療魔法が進んでいると各国で噂になっているらしいわよ?


最近ではサウジスカルからわざわざメリルの技術を学びに来るくらいですものねぇ?

それもあって今回の話を持ち出したのでしょう?


「そういえばテットはどうしたのよ? 私の所に来るのに彼がついて来ないなんて珍しいわね?」


「え? あ、いやぁ・・・ラフィネラとリディに捕まってる隙をついてここに来た。ずっと付いてくるんだもん」


そりゃそうでしょうねぇ?

あの男メリルの護衛騎士の癖にあの独占欲丸出しの態度。


駄目ねぇ? アレじゃ女に逃げられるわよ?


「あらぁ? もしかして私と二人きりになりたかったのかしら? 私は大歓迎だけれど?」


「揶揄わないでよ。私、ブリッツォとは付き合わないよ」


「あら? 何故? それ程嫌われていないと思っていたのだけれど?」


あらあら。

まぁ、メリルは誰とも付き合わないと最初から言っていたものね。でも、私とメリルなら何の障害も問題もなく付き合えると思うわよ?


「・・・嫌いじゃないけど、私、ブリッツォの事そういう風に見られないもん」


そうねぇ?

確かに私達の間にはそんな気配は微塵もないわね?


でも、メリル。

それは、私がそう見せていないだけよ?


「ブリッツォ?」


どうしようかしら。

あまり押し過ぎて逃げられるのも困るけれど、全く意識されないのも癪に触るわね?


「メリル。私これでも大人だから態度に出さなかったけれど、そろそろ本気出してもいいのかしら?」


この子はきっと今まで生きて来てまともな恋愛をした事がないと思うわ。


それは、とても勿体ない事だと思うのよ。

素材はとっても良いのだから、私がメリルを輝かせたい。


「え? ちょ! ブ、ブリッツォ? な、何よいきなり?」


「何って。ちょっと抱き寄せただけよ? 何慌ててるの? 」


「だ、抱き寄せてるだけって! ち、近い!! そして誰かに見られたら誤解される!!」


誰かって、テットにでしょ?

こんな所見られたら益々監視の目が厳しくなるものね?

下手すると監禁されちゃうんじゃない?


「魔力が強いからって油断してると、隙を見て美味しく食べちゃうわよ? メリル」


「い!?」


んー。もう少しこうしてたかったんだけどねぇ?

お迎えが来たみたいよ?


「おい。その手をメリル様からサッサと離してくれませんかね? 揶揄うのは程々でお願いするッス」


「ひぇ!?」


テット。宮廷内で簡単に剣を抜くのどうかと思うわよ?


「揶揄ってなんかないわよ? 私はメリルに正式に交際を申し込んでいるもの。貴方、何か勘違いしていない?」


「は?」


「私はメリルが本気で嫌がる事はしていない。もし、メリルが嫌がっているのなら、私にわざわざ会いになんて来ないもの。それにメリルはちゃんと私を恋人候補として認識している。私がメリルを好きだと知っているのだから、一人で会いにくればこうなる事は想定内でしょ? つまり同意よ?」


「・・・ちょっ! ブ、ブリッツォ? 何よそれ」


テットの顔見て見なさいよメリル。

反論したいけど微妙にし辛くて困ってるわよ?


分かってないのはメリル、あんただけだからね?


「テット。私に文句を言いたいなら同じ立場になってから言いなさい? たかが護衛のあんたが、私に言える事はないのよ。私が、メリルに危害を加えない限りね?」


「そうッスか? メリル様、俺お邪魔だったッスか?」


やり過ぎたかしら?

でも、これくらいやらないと、この子達動かなそうだものねぇ? メリルの事を気に入っているのは確かだけれど、メリルを幸せにしてあげたい気持ちも強いのよねぇ、私。


「あー、あ! いけない! 私この後別の用事あるんだった! じゃ!、ブリッツォ! 要件は伝えたからね! じゃ!」


「え? ちょっとメリル様!」


逃げたわね? 強引に逃げ出したわね?

あの子18歳にもなってあの対応はないわねぇ。


手加減してあげてる私に感謝しなさいよ? テット。


「はぁ。報われないわねぇ?」


まさか今更本気で人を好きになるなんて思わなかったわよ。それも、報われない恋。


どうでもいい相手なら適当に遊んで別れられるのに。

本当に、面倒だわあの女。まぁそこが可愛いんだけれど。

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