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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第3章 翔ける想い
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マイネラは楽しんでいる

「カスバールに行ってみないか?」


「ほぉ? 何故ですかな? このまま国に帰すのは不憫だと情けをかけて頂いたのかな?」


私マイネラ・ゲルベンはカスバールに来る少し前サウジスカル帝国にオスカールの親善大使として招かれていた。


我が国も色々訳ありでな?

まぁ、詳しい話は省くが大きな問題を抱えているのだよ。


それを他国に知られれば自国の弱点を知られ弱みに付け込まれる事になると隠す事に必死でな?


お陰で私達アンドロギュヌスとして生まれた人間は大変迷惑しているのだよ?


何故なら男でも女でもない私達に対して差別的な感情と崇高な者として扱う感情を合わせもつ極めてタチが悪い輩達なのだ。


私はオスカールの第2皇子としてあの国に生まれたが、その扱いは、ある種の罰ゲームだったな?


私を女にする為に奴等は手段を選ばなかった。

そんな私を兄であり皇帝である奴は汚物を見る目でいつも見ていたのだ。


本当に理不尽だと思わないか?

ただ、私も幼い頃からそんな環境で育ち、少しばかり変わった趣向を持ち合わせた極めて珍種だったお陰で、今ではこうやって美しい男性と楽しむくらいの人生は過ごしている。


寧ろ楽しい。もうこのままオスカールには帰りたくない。

あの国の男共はつまらないし飽きた。


ん? 貴方は男ではないのかと?

そうだな? 私は女ではなく男に変化した。


しかしなぁ? 子供の頃から相手が男だったのだ。

途中からそれを変えろと言われても中々難しいものなのだ。もうこの歳だしな? 変える必要もあるまい?


「実はな、カスバールに、貴方と同じだと思われる者がいる。元奴隷として囚われていた子供なのだが、協力してもらえないだろうか?」


「それは、珍しいですな? カスバールで生まれたので? もしやその子供、オスカール人なのでは?」


「分からない。しかも、その子供は聖獣らしい。保護されるべき子供だ。どうだろう?」


それは面白そうだと直ぐにこちらへ来たのだが、まさかこんな騒ぎになるとはな? 私は少し興奮している。




「マイネラ殿!!」


噂をすれば、あれはエルハド殿ではないか!

なんだい? 私が忘れられなくて会いに来てくれたのかな?

心の準備は出来ている。さぁ、私の胸に飛び込んでおいで・・・・。


「でっかい虫みっーけた!!」


「ちょ!! デズロ! 何やってんだ!!緊急時にふざけてんじゃねぇぞ!!」


そうだよデズロ?

私が華麗に君の魔法を避けなければ私の体はバラバラだったぞ? まだエルハドにちょっかいを出した事怒っているのかな? はっはっは!可愛い人だな?


「あれ? 気の所為かな? 大きな害虫が目の前を横切った気配したんだけどなぁ?」


「相変わらず激しい愛情表現ですな? 冗談はさておき何故ここに? 私に会いに来てくれたのかな?エルハド殿?」


「マイネラ殿。こんな時までふざけるな。デズロを止めるのがどれだけ大変か少しは察して欲しいのだが?」


相変わらずエルハドはいいなぁ。

おっと! いけない、話が逸れてしまったな。


「メリルとリディ様はアースポントの部屋に捕らえられているらしい。リディ様は瀕死、メリルも、危ないかも知れないな。だが、部屋には破壊されたアースポントが広がり中に入ると魔力が吸い取られるようだった。しかし恐らく敵も限界だと思われる。これだけの術を使っているのだ。彼の防壁を破壊したのは・・・デズロ、君だろう?」


それならば、破壊された衝撃で呪詛返しが発動した筈。

敵も瀕死だな。


「シャミ!!」


「エド! あ、クリオルも!」


おや? エドが走って来ているね?

怪我は大丈夫なのかな? もしや、隣の彼に治してもらったのか。間に合って良かったな。


「あ、あの。メリル様の所に向かわれるのですよね? それなら、僕も行きます!」


「君は? とても危険だからやめた方がいいよ?」


「今、マリオーネ様もテゼール様も近くにおられないのです! この宮廷の中で一番腕の立つ医療官は、メリル様とマリオーネ様を除けば僕一人です!」


「デズロ様、クリオルの言う通りですわ。彼も連れて行って下さいませ! あと、シャミも」


おや?

いいのかい?

この子は安全な場所に保護しなくてはならないのでは?


「遊びに行くんじゃありません。子供は置いて行きます」


その通りだね。

どうするのかな、シャミ?


「俺、メリルの側にいる。俺、邪魔しない」


本当に・・・・面白いなぁ?

私は、何故かここに来てから自分は生きているという事を強く感じる事が出来るんだ。こんなに危険な目に遭っているのに、不思議だな。


「メリルは俺の婚約者だ。何が起こっても側にいる。最期までメリルの側に。俺、メリルを一人にしない!!」


「・・・私はあなたを守りませんよ? 私が守れるものには限りがあります」


「俺はメリルを守る、守られなくていい!」


「では、私はエドを連れて行こう。行って来なさい」


「え〜? エド、大丈夫かなぁ?」


なんの心配なのかなデズロ。

私は子供には手を出さない。

そういう趣味はないのでね?


「マイネラ、来てくれて、ありがとう! 俺メリルの所行くよ」


「かまわないよ。メリルと無事に帰っておいで。エドが、悲しむからね?」


「うん! 俺帰って来る!エド、待っててね!」


「お、おう! 行って来い。行ってメリル様を取り返して来い!」


おやおや、これはメリルもエドも苦労しそうだ。

この子はこの先どちらになるんだろうなぁ?

それを見届けるのも、なんだか楽しそうだなぁ?


もうここに移住してしまおうか?

その方が残りの人生楽しめそうな予感がする。

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