シャミは第二次成長期を迎える
「シャミ〜! やっと会えた!」
「エド! よくこっち来れたね? 偉い人達に怒られなかった?」
メリルがサウジスカルに行って俺とテニアは陛下の側で過ごしてる。こっちは一般人は入れない事になってるんだけど。
「えへへ。大丈夫! 兄ちゃんがお願いしたら許可してくれたんだ! すげぇや兄ちゃん!」
そうだね。
メリルが居なくても許可して貰えたなんて凄い。
もしかしてエドのお兄さん結構凄い人なのかも?
「あれ? シャミどうした? なんだか顔色が変だぞ? 風邪引いたのか?」
「そう? 別になんとも無いと、思う・・・」
あれ? でも、確かになんか体が熱い。
もしかして本当に風邪引いちゃったのかな?
「お前メリル様の弟子なんだから、ちゃんとしとけよ〜。マリオーネ様に診てもらおう!」
「え? 大丈夫だよ。俺、全然平気」
「そんな事言ってメリル様が帰って来た途端に倒れたら怒られるぞ? 一緒についてってやる!」
えー? でもお仕事中は行かない方がいいんだけどな?
マリオーネ別人だから皆怖がってる。
あれ、でも・・足が。
「おい? しょうがないな。おぶってやる」
「ありがと」
なんだろ。お腹の辺りがグルグルして気持ち悪くなって来た。俺、変な物食べたかな?お腹、痛い。
「すみませーん」
「ああん! だからヤル気あんのかコラ! しばき倒すぞ!」
「・・・・えーーーと」
ごめんエド。やっぱ今は駄目そうかも。
マリオーネ怒ってる? 仕事モード全開?
「あら? あらあら? エド久し振りじゃない。シャミをおんぶしてどうしたの?」
「仕事中ごめんなさい。シャミ具合悪いみたい」
「ちょっと休憩! 私が戻るまでに課題終わらせておきなさい! いいわね!」
「「イエス、マム」」
え? 何その掛け声。新しい。今度どういう意味か聞いてみよう。いた、いたたたたた!!
「あっちの部屋に運びましょう。エド大丈夫?」
「俺力持ちだから大丈夫! テットに鍛えて貰ってるから」
確かにエド、剣を扱うの上手い。
クリオルは全く剣を扱えないのに同じ家族でも得意な物は違うんだ? 俺は全然才能ない。何故か剣を振り下ろすと、剣が飛んでっちゃう。なんでだろ?
「さ、ここに寝かせて? シャミどこか痛い?」
「お腹、お腹が、痛い・・・」
「なんだよシャミ。変な物食べたのか〜?」
食べてないよ。
皆と同じ物しか食べてない。
毒とかも入ってないと思う。メリルの薬入れてたから。
「風邪かしら? ちょっと診るわね? どれどれ・・・・!」
マリオーネ? どうしたの?
なんでそんな顔・・・。ビックリしてる?
「・・・まさか、何故? こんなこと・・・・」
「・・・・うっ!! 痛い! あぅ!」
「シャミ! マリオーネ様?! シャミ痛がってる!」
「・・・・痛みを緩和させるわ。これは病気じゃない」
病気じゃないの? じゃあ何? こんなに痛いのに。
「貴方、アンドロギュヌスだったの?」
「な、に? そ、れ」
アンド・・何? 長くて覚えられない。それ、何の病気?
「変幻出来る人間と同じくらいの確率で生まれる両生具有と呼ばれる者よ。彼等は成長過程でどちらかに変化する。でも、本来なら男性から女性に変化しない筈なんだけど。いえ、確実ではないけど・・・」
男から女に? ちょっと待って?
じゃあ俺もしかして・・・。
「え!! や、やだ! 俺女の子になっちゃうの! そしたらメリルと結婚出来ない! マリオーネ助けて!」
「え? いや、そう言われても病気じゃないし。メリルも居ないから私ではどうにも出来ないわ。それに、これがその変化だとは言い切れないし・・・」
嘘! 変化してるから分かったんだよね? エドがさっきから変な顔でこっち見てる! 絶対俺おかしくなってる!
「シャ、シャミ・・・」
「やだ!! 見るな見るなぁー!! メリルーー!!」
声が聞こえる。
またあの声。
顔も名前も知らない大人の人の声。
何も覚えてない俺の頭にずっと残ってるあの声。
「やはり、男か?」
「はい。申し訳ありません。希少な精霊付きですのに」
「・・・・いや、まて。この子はまさか・・・」
「・・・女性に、変化するとは、限りません」
「は、はははは! そんな事は分からないではないか! そうか! ははははは!!」
「・・・・旦那様」
「いいか。この子が女性になるまでこの子の事は隠し通せ。万が一変化しなかった時、罰を受けるのは私なのだ」
「もし、女性にならなかったら?」
「ハッ! 第1成長期を迎えても変化しなければ、何処かに捨てて来い。男はこの国に不要だ。全く、何故この国には、まともに女が生まれないのだ」
嫌だ。メリル・・・・俺、女の子になんてなりたくない。
俺はメリルと夫婦になって、ずっとメリルと居たいのに!




