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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第2章メリル動く
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デズロには夢がある

「久しぶりメリル〜! あれから元気に引きこもってた? 外に連れ出しちゃって大丈夫だったかな?」


「伯父さんも相変わらずふざけてるね? 実は最近、外に出る事が多くなったんだぁ。リディが率先して宮廷から出してくれるの。精神衛生上良くないからって。精霊が生まれて国の魔力も大分安定したしね?」


それは良かった! 元気そうで安心したよ?

リディが色々悩んでいそうだったからね。ちょっと心配していたけど、安心した。


「でも、その割に浮かない顔してるね? どうしたの?」


「どうしたのじゃないよ! だってお姉ちゃん全然私に構ってくれないんだもん! 忙しいのは分かるけどさぁ〜何年振りかの再会なのに。しかもお姉ちゃんの頼みでここまで無茶して来たのにぃ〜・・・」


あはは!

メリル、ティファが絡むと途端に小さな子供みたいになるよね? 全力でティファに甘えるよね? しょうがないなぁ。


「ん? 伯父さん何? ムグッ?」


「よしよし。有難うねメリル。いい子いい子。ティファは素直に甘えたり甘えられたりするのに、慣れてないんだよ? ここに来てからも馴染むのにかなり苦労したみたい。だから、もう少し待ってあげてよ」


「・・・・・そうなの? へぇ・・・」


この前魔力の使い過ぎで倒れたって言ってたけど、今はもう大丈夫そうだね? メリルには無茶させちゃったから、とても心配したんだよ? 無事で良かった。


「おいデズロ! 何そんな所で子供にチョッカイかけてるんだ? 不埒な行為はティファに告げ口すっからな?」


「あれ? ラットこっちに来てたんだね? メリル紹介するよ。元ナシェスの部下のラットだよ? ティファを攫いに来たこの子達を僕が捕獲! 今ではうちの宮廷魔術師にまで成長したサウジスカルのエースなんだ〜! ラット、こっちはメリル! ティファの義理の妹で、隣の国の国宝薬師だよ?」


「・・・・所々嫌味ったらしいのは無視するからな? 話は聞いてる。お前も振り回されて苦労してるな。俺は今、アンタ達がくれた花の種を各地に配ってる。ラットだ。宜しくな」


メリル? ラットをジッと見てどうしたんだろ?

あれ? もしかしてラットみたいな子がタイプ? え?意外だね? メリル、エルハドなら結婚してもいいとか言ってたからマッチョが好きだと思ってたよ? ラットガリガリだけどいいの?


「私はメリル。今はチェシャ・・・ナシェスを保護してる。あの人は元気だよ? 色々事情があって、無事とも言い切れないけど、まぁ本人があんなキャラだからね? アンタ達の事も、心配してたよ」


「・・・・・は? ナシェス様が俺達の心配を? あの人、俺達の事なんて覚えてないだろ?」


「うん。そうなの。そう、作られたからね?」


う〜ん。

あまり余計な事はこの子達の耳に入れたく無いんだけどなぁ。最近は大分落ち着いてるし。でも内心ラット、ナシェスの事気にしてるからねぇ。


「話聞いてない? あの人子供の頃、頭に寄生生物を埋め込まれて精神が少し壊されてたって。体の必要な機能がちゃんと働いてなかったの。今はそれを取り除いたから、徐々に身体は回復してるけど、まぁ、全て元通りは無理だよね。貴方達はあの人の最後の部下だったから、顔は覚えてたみたい。伯父さんからも怒りの鉄槌食らってたしね〜?」


「は? デズロ、ナシェス様に何かしたのか?」


「伯父さん貴方達を覚えていなかった事に腹を立てたの。ナシェスが死ぬ所だったのを私が止めたんだけど・・・」


「ちょっと〜? 縁起でもない事言わないでぇ? 僕そんな事してないから。メリル大袈裟だから!」


「大袈裟? 伯父さん本気だったよね?」


メリル止めて! ラットが少し混乱してるからね?

この子達ちょっと情緒不安定だからね?

アイツの話はもういいよ。


「それでラットは今から戻るの? まだ種配り終えてないんだよね?」


「・・・・・ああ。セラの所に戻る所だ」


「そっか! じゃあ気を付けてね? キルトに危害を加えて穢れを解き放った犯人はまだ捕まってないから、注意しなきゃ駄目だからね?」


おや? いつもは頭を撫でると鬱陶しそうに手を払うのに、今日はやけに大人しいね? これは、余計な事考え出しちゃったかな?


「・・・・ナシェス様は、無事でいるんだな?」


「うん? 元気元気。あの性格は変わらないからね?」


「そうかよ。なら、いい」


あちゃー・・・・。ありゃ駄目かな。

最近やっと此方の生活に慣れ始めたから、宮廷での仕事に就かせてみたけど、昔の事、思い出したみたいだね。


「もしかして、私余計な事言った?」


「ううん? メリルは悪くないよ。まぁいずれは知れる事だしね? あの子元奴隷なんだ」


「・・・・ふぅん。じゃあラットは最高に運が良かったんだね?」


「あはは! 運が悪いんじゃなくて?」


子供の頃から散々酷い目に遭わされて、やっと拾われた主人にはこき使われた挙句名前さえ覚えられず他国に放置された子達だよ? 確かに、生き残って来れたけどさ。


それって幸せとは言わないよねぇ。


「え? だって伯父さんに拾われたじゃない。伯父さん、あの子の親になったんでしょ? 幸せにしかならないよね?」


「不幸じゃなくて?」


ラットも、もう一人の奴隷だった女の子も僕から逃げ出す事に必死だよ? 僕は鬱陶しいらしい。でも、やめない!


「自分を愛してくれる人の側で暮らしていけるんだから不幸になんてならないでしょ? 伯父さんって無自覚なの? それとも博愛主義者だった?」


「・・・・子供って、可愛いんだよ? 嬉しい癖に反発して、どこまで許されるのか僕達を試すんだ。最初は本当に、ただ罰を与えるつもりだったんだけどなぁ」


怯えながら牙を剥いて僕を見るあの子達を見て、昔の自分を思い出しちゃったんだよねぇ。


誰か、この子達を救ってあげて欲しいと思っちゃったんだ。でも、そこには僕しかいなかったんだから、しょうがないよね〜?


「分かる〜私は大人ではないけど、似たような事してるからな〜。絆されちゃったんでしょ? 構う内に手放せなくなっちゃった?」


そうだねぇ。

正直とっても可愛いよ? なんであの二人あんなに可愛いのに愛されなかったんだろ? カスバールの病みっぷり半端ないよねぇ〜?


「これは、秘密だよ? あの二人には、ここで好きなように生きてもらいたいからさ〜」


「別にいいけど?コレ 伯父さんに旨味はないよね」


そんな事ないよ?

自由に羽ばたいて行く子供達を一番高い場所から見送れたら最高だと思うんだ。これは、僕の夢の一つだからね?

いつか、叶うといいな。ねぇ? エルハド。

この話は【お犬様を懐かせたい】41話に繋がるお話です。


参考までに。

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