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第十一話 風紀イベント? 1



「へー」


「ほー」


「ほぇー」


「はー」


「なるほど」



会長は代表挨拶があるからと渋々といった感じでその場を離れ、なぜか私は風紀委員様達と一緒に入学式会場まで案内される形になった。


風紀入りは保留にしておきたかったけど、どんどん話は進み、風紀委員会について道すがら教えられている。


とぼとぼと風紀委員達の後ろを歩く私を「早く歩け」と翔様に促される。


なんなら置いて行ってもらってかまわないですよ。


あ、副委員長様、そんな怪訝な顔しなくてもちゃんと聞いてるよ、大丈夫、大丈夫。


私はうんうん頷きながら、さっき聞いた話を整理する。


風紀委員会は、やはり男子メンバーだけだと女子方面の風紀を取り締まるのは難しいということがあって、もともと女子の人材がいれば欲しかったらしい。

このあたりは、代々問題となっているんだけれど、歴代の女子風紀委員は「獲物」として有名になっているので、下手に声をかけると、勘違いされることになりかねず、人材補充は難しかったそうなのだ。

歴代彼女達は獲物であっても風紀の仕事もできて、「得物」としても優秀な存在だったらしいが、やはりここに通う女子にとっては風紀に入ること=風紀委員長の彼女になること、と認識しているらしい。


そこで、この制度を知らない外部生で新入生、なおかつ運動神経の良い女子を採用したなら、「獲物」と「得物」どちらなのかは内部生にははっきりとはわからないだろう、それどころか「獲物」だと認めたくないが為に「得物」と認識しようとするに違いないと踏んで、風紀委員長様が散歩がてら吟味していたところだったという。


そして、私に白羽の矢が立ったというわけですね。

なんと迷惑な!


副委員長様も、まさか入学式早々に見つけてくるとは思ってなかったと言っていた。


でも私、まだ風紀に入るのOKしてないですからね?

そこんとこちゃんと気にしてくれませんかね?ね?


表情に思ってることが出てたようで、副委員長様にぽんと肩を叩かれ、言外に諦めろと言われましたorz


だけど、イベントのはじまりのきっかけがそういう事情からきてたとは知らなかったなー。

ヒロインちゃんも運動神経は良かったんだっけ?

ドジっ子キャラだったからその辺は詳しく描かれてなかったんだよねー。



「はっ!そんなことよりヒロインちゃんですよ」



確かおもしろい女の子に会ったって翔様が言ってたよね。



「翔様、翔様!」



「………(無視)。」



「翔様、翔様!」



「………(無視)。」



「翔様、翔様、翔様!」



翔様の隣まで行き、そっぽを向く翔様の耳もとで呼んでみる。


無視されてもめげません!

私のヒロインちゃんを見つけないと話が進まないんだから!



「チッ、他の奴に聞けばいいだろ。なれなれしくすんな」



私のしつこさからやっと口をきいてくれたはいいが、一瞥されただけでまたそっぽを向かれてしまった。


翔様が一番関わらないでいられそうなので聞いてみたけど、答えを聞くのは難しそうだなぁ。



「できれば、おもしろい女の子とやらを教えて頂きたかったんですが」



それを聞いた翔様は振り向き少し眉をひそめ、



「聞いてどうすんだよ?エモノになったからって早速注意でもしに行くのか」



明らかに不機嫌な声を出した。


周りの人達も興味深げにその答えを待っている。


ヒロインちゃんを見つけたらどうするか…。



「……どーしましょう?!」



ヒロインちゃんを見つけることで頭がいっぱいで今気づきました。

とりあえず、あんまり仲良くなりすぎないクラスメイトポジションがほしいかな。



「俺が聞いてんだよ!」



翔様がイラっとして青筋を立てはじめている。

短気だ。


そうだな〜、ヒロインちゃんに会ったら、



「チラ見します!」



ガン見してしまいそうなので!



「「「「…………なんだそれ」」」」



私以外がハモった。



「見つめたほうがいいですか?」



私は首を傾げる。

でも、人をじろじろ見ちゃいけないと思うの。



「おもしろい子なんだね〜」

「いや、意味わからん」

「そういうことじゃねー!」



薫様と副委員長様がそれぞれ感想をもらし、翔様がそれに続いてツッコミをいれる。



「おまえはそいつをどうしたいんだよ?」



ヒクヒク米神に青筋を浮かべつつ、根気強く翔様がもう一度聞いてきた。



「遠くから眺めてますね」



えっへんと両手を腰に当てて答える。



「問題起こすまで監視するってか?」


「曲解!」


「じゃあなんだよ?」


「その子を風紀委員長様に会わせてあげてくださいませ!」



風紀委員長様は自分の名前が出て、ピクッと眉を上げた。



「それならおまえ女なんだし、おまえが連れてくればいいんじゃね?」


「それは嫌です!」



お近づきになりたくないし、私が楽しめないじゃないか。



「おまえ、エモノになったからってボスに他の女近づけさせねえようにしようとなんか企んでんだろ」


「またまた曲解!」



ちゃんと聞いて!




「……へえ〜、なるほどねぇ」



なんか後ろからこわいお色気声が聞こえできた気がするんですが?

しかも背後から漂うオーラがこわいっ。



「何を企んでる?」



風紀委員長様にポンと背後から肩を叩かれた。

手加減しながらも強い力が肩にかけられてる。

微妙に痛いという力加減が絶妙で、圧力が伝わるこの恐怖!


そして、お色気モード全開で耳元でしゃべらないでー。



「め、めめめっ滅相もございません」



ブンブンと振り向けず首を横に振る。


すると、風紀委員長様が私にしか聞こえない声で囁いてきた。



「おまえは得物になったんだ、諦めろ。他の女を当てがおうなんて考えるなよ」



バレてる!?




久々更新。

お読み頂きありがとうございます。

いつの間にかPV20万!!

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