第4章 藍色箱のプレゼント(初杉ジロウ編)中編
六郭星学園 家庭科室
名雲さんに案内されたのは家庭科室だった。そこには女子生徒たちが大勢いた。
真瀬志奈
「ああ…………なるほど…………。」
名雲メイ
「どうやらわかったみたいね。」
真瀬志奈
「バレンタインデー…………ですね!」
夏目ホノカ
「はい。みなさんそれぞれ、いろんな人に贈る予定なので…………真瀬さんもいかがですか?」
真瀬志奈
「良いですね。せっかくなので、送りたいと思います!」
春井リカコ
「そう。…………本命は決まってるの?」
真瀬志奈
「はい!」
春井リカコ
「……………………!?」
春井さんは驚いていた。
夏目ホノカ
「もしかして…………?」
真瀬志奈
「それは…………期待していてください。」
春井リカコ
「…………ええ。」
早速、私たちはカラフルな手作りチョコを作った。
真瀬志奈
「…………できましたね。」
春井リカコ
「あとは…………どうトッピングを作るかね。」
真瀬志奈
「いえ…………トッピングではなく、包装に力を入れようと思います。」
そして、私たちの手作りチョコを渡す日が来た。
学園中のあちこちで、男子生徒にチョコレートを渡す、女子生徒たちがいた。
もちろん私たちもチョコを渡す。
春井リカコ
「仕方ないからあげるわ。」
浦川アイク
「…………毒でも入っているのか?」
春井リカコ
「…………失礼ね。」
名雲メイ
「はい!義理チョコだけど、受け取って!」
薮本マサキ
「ありがとう!とても嬉しいよ!」
夏目ホノカ
「日頃のお礼です。どうか受け取ってください。」
真瀬莉緒
「ありがとう!…………初めてだよ。チョコを貰うなんて。」
初杉ジロウ
「みんな貰っていてすごいな!」
初杉さんは嬉しそうにみんなを見つめる。
私も渡さないといけないな。
真瀬志奈
「初杉さん!中庭に行きましょう!」
初杉ジロウ
「あっ…………うん!」
私たちは中庭に向かう。
六郭星学園 中庭
中庭に行くと、私は初杉さんに藍色に包装したプレゼントを渡す。
真瀬志奈
「受け取ってください。」
初杉ジロウ
「わあ…………!!ありがとう!」
初杉さんは、プレゼントを開け、チョコを手に取る。
初杉ジロウ
「じゃあ、いただくね。」
チョコを食べる。初杉さんの反応は…………?
初杉ジロウ
「うん!美味しい!とても甘くて、素敵なチョコだよ!」
真瀬志奈
「良かったです…………!ありがとうございます!」
すると、初杉さんは私に、マフラーを渡す。
真瀬志奈
「えっ、これって…………?」
初杉ジロウ
「ホワイトデーはまだ早いけど、渡したい気持ちが強くて…………。受け取ってくれますか?」
私はとても嬉しくなった。早くマフラーを着けてみたい。
真瀬志奈
「もちろんです!ありがとうございます!」
初杉ジロウ
「嬉しい…………!ありがとう!」
真瀬志奈
「早速、着けても良いですか?」
初杉ジロウ
「もちろん!…………一生懸命に編んだんだ。」
真瀬志奈
「手作りですか!…………では、早速つけますね。」
私は、マフラーを着ける。とても暖かく、心地よい。
真瀬志奈
「素敵なホワイトデーをありがとうございます!」
初杉ジロウ
「…………こちらこそ。志奈さん。」
こうして、素敵なバレンタインデーとホワイトデーが同時に終わった。
そして…………。
六郭星学園 大講堂
いよいよ、課題発表当日になった。課題はKクラスから1ペアずつ発表していき、そこからJクラス、Iクラスといき、Sクラスと回っていく。1ペアずつなので3日間に分けて発表をしていく。
そして今日はAクラスが発表していく。
Aクラスのトップを飾ったのは薮本さんのペアだ。
薮本さんのペアは戦国武将の甲冑を再現した模型を作った。
名雲メイ
「やるじゃない。さすが…………マサキね。」
名雲さんは素直に褒めた。
中盤に入ると次は浦川さんのペアが発表の時間になった。
浦川さんのペアはマジックショーを披露した。
春井リカコ
「…………やるじゃない。」
春井さんも素直に褒めている。
そして終盤に入る……そしてAクラスのトリを飾ったのは私たちだ。
ステージ裏で私たちは準備をする。
真瀬志奈
「いよいよですね…………。」
初杉ジロウ
「そうだね…………。緊張するな…………。みんな認めてくれるかな…………?」
真瀬志奈
「初杉さん…………。」
私は初杉さんの手を握る。
真瀬志奈
「大丈夫です。きっと、みなさん喜んでくれますよ。自分を信じてください。」
初杉ジロウ
「そうだったね…………。…………うん!頑張ろうか!」
真瀬志奈
「はい!じゃあ…………行きましょう。」
私たちはステージに上がる。
真瀬志奈
「準備は良いですね?」
初杉ジロウ
「ああ。…………行こう。」
真瀬志奈
「はい!では…………!」
私たちは演奏を始める…………!
演奏を終える、他の人の反応は…………?
男子生徒A
「とても良い曲だ…………最高だったぞ!」
女子生徒B
「良かった……!心に響きました!…………ありがとう!」
私たちは拍手喝采に包まれる。そうか……やったんだ……!
遊馬雄三
「ああ…………素晴らしい…………。」
柳原悠香
「素晴らしい演奏…………。とても心に温かいわ。」
遊馬雄三
「ああ…………。全くだ。」
ステージ上から私たちはみんなにお礼をして、ステージから降りて行った。
真瀬志奈
「やりましたね!」
初杉ジロウ
「うん!やったんだ…………!声優歌唱祭にも堂々と出席できる!ありがとう志奈さん!」
真瀬志奈
「こちらこそです!!」
こうして、課題発表の時間は幕を閉じ…………最後の行事が始まった。




