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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第6部 初杉ジロウ編

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第2章 セレストな心(初杉ジロウ編)後編

六郭星学園 Aクラス教室



翌日…………私は朝早くから、教室に向かった。ドアを開けると、初杉さんがいた。


初杉ジロウ

「あっ、志奈さん。おはよう。…………昨日は大丈夫だった?」


真瀬志奈

「はい。なんとか…………すみません。色々とご心配をおかけしました。」


初杉ジロウ

「志奈さんが無事ならそれで良いんだ。大丈夫そうで良かったよ。」


真瀬志奈

「はい。……………………。」


初杉ジロウ

「…………?どうかしたの?」


真瀬志奈

「いえ…………初杉さんって…………その…………。」


昨日のことを言いかけると、そこに浦川さんたちがやって来る。


浦川アイク

「おはよう…………。」


真瀬志奈

「……………………浦川さん。薮本さん。おはようございます。」


薮本マサキ

「おはよう。昨日は大変だったね…………。」


真瀬志奈

「はい。ご心配をおかけしました…………。」


浦川アイク

「その様子だと謝ってばかりだろう。もういい。無理はするな。」


真瀬志奈

「はい…………。」


初杉ジロウ

「それで、志奈さん?何か言いかけたけど…………?」


真瀬志奈

「いえ、なんでもありません。さて!授業を受けましょう!」


そう言って、自分の席に座る。


初杉ジロウ

「…………じゃあ。また放課後…………音楽室で。」


真瀬志奈

「はい。」


次第に、クラスメイトも遊馬先生も教室に来て、ホームルームが始まり、いつもの1日を過ごした。



六郭星学園 音楽室



初杉ジロウ

「……………………。」


放課後になり、初杉さんは作曲の練習を始める。


よくわからないが、昨日のギターよりも演奏がいまいちな気がする。


そう思うと、これが得意な楽器なのかも怪しくなってくる。


もしかして…………少し、手を抜いている?


初杉ジロウ

「志奈さん…………?」


真瀬志奈

「初杉さん…………?あの…………楽器なんですけど…………。」


初杉ジロウ

「ああ。ごめん。一生懸命に練習しているつもりなんだ。でも…………。」


初杉さんは黙り込んでしまう。


真瀬志奈

「…………一度、通しで演奏しましょう。」


初杉ジロウ

「…………そうだね。それじゃあ…………演奏しようか。」


私たちは演奏を始める…………。



演奏は可もなく不可もなく…………春のときよりも上手く演奏はできているけど…………。


真瀬志奈

「はい…………上手くできましたね。でも…………妥協はできません。」


初杉ジロウ

「…………そうか…………そうだね。一生懸命にやっているつもりなんだけど…………。」


すると、そこに清掃のときに目立っていた、柊木さんと土原さん。そして、不知火さんがやって来る。


土原ガク

「あ!おはよー!!」


真瀬志奈

「土原さん!…………おはようございます。」


不知火カイル

「2人はここで何をしているの?」


初杉ジロウ

「課題の練習だよ。でも…………難しいね。」


柊木アイ

「まあ…………そうだよね。僕たちも課題のアイディアが出なくて悩んでいるんだ。2人は考えただけでもすごいよ。」


真瀬志奈

「そう言っていただけると嬉しいです。ありがとうございます。」


そのとき…………急にサイレンが鳴る。


真瀬志奈

「なっ…………なに!?」


柊木アイ

「これは…………!?今すぐ、屋上に避難して!!」


初杉ジロウ

「お、屋上!?」


柊木アイ

「急いで!!」


真瀬志奈

「はっ、はい!!」


私たちは急いで屋上へと避難した。



六郭星学園 屋上



屋上に避難すると、そこには大勢の学生が避難していた。


校庭を見渡すと、先生方が獣のようなものを捕獲しようとしていた。


真瀬志奈

「あの獣は一体…………?」


土原ガク

「……………………。」


不知火カイル

「ガク…………?」


土原ガク

「えっ?…………ううん!なんでもないよー!」


不知火カイル

「そうか…………それなら問題ないよ。」


獣を捕獲している間は避難解除はされないだろう。


私はイヤホンで動画を見ることにした。


最近の趣味はメルマの動画も好きだけど、基本は路上でのストリートミュージシャンの演奏を見るのが好きだ。


私は、その系統の動画をネットサーフィンする。


すると、ある動画で手が止まる。


ストリートミュージシャンの動画だけど、映っているのは…………。


真瀬志奈

「初杉さん…………?」


初杉さんの動画だ。多分誰かが、撮ったものだろう。


ギターの演奏が上手い…………。さっきの演奏よりも上手い。


別の動画も見ると…………ピアノを演奏している初杉さんがいた。


ピアノも上手い…………。


でも、なんでそれを隠しているんだろう…………?


そう考えていると、避難が解除された。


学生は次々と寮の部屋に戻っていく。


不知火カイル

「それじゃあ、僕たちも戻ろうか。」


土原ガク

「そうだねー!!じゃあねー!!」


そう言って、不知火さんと土原さんは帰っていった。


柊木アイ

「……………………。」


真瀬志奈

「柊木さん…………?」


柊木アイ

「あっ…………うん。ごめんね。なんでもないんだ。…………じゃあ。僕はこの辺で。」


柊木さんも寮の方へ向かう。


初杉ジロウ

「それじゃあ、志奈さん。僕たちも戻ろうか。」


真瀬志奈

「あっ…………はい。」


私は初杉さんのことが気になってしょうがない。あの動画を見て…………。やっぱり初杉さんは何かを隠している。


そう思った私だが、今はただ、避難解除され、部屋に戻るだけだった。

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