第4章 藍色空のゲレンデで(夏目ホノカ編)中編
そして…………数日後。
六郭星学園 Gクラス教室
柳原悠香
「今日は期末テスト…………です。テストの準備は良いでしょうか?」
クラスメイトたちが「はい。」と答える。
柳原悠香
「それじゃあ……開始!!」
僕はその言葉で裏返したプリントをめくる……
テスト終了のチャイムが鳴る。
僕のプリントは空白欄は無く、出来る限りの答えを出した。そして全員が提出した……
テストの結果は大広間にて貼り出される。1位から最下位まで名前が載る。貼り出されるまでの間、ドキドキが止まらない。
そして……結果発表当日。
夏目ホノカ
「…………結果がどうなるのか…………。」
真瀬莉緒
「はい…………あっ。貼り出されましたよ!」
そして、テストの順位が貼り出される……
生徒の人数は700人前後……僕たちの結果は……。
真瀬莉緒
「僕は……49位!良いところかも……!」
700人中の49位。上位にいると言っても過言ではない。
夏目さんの結果は…………?
夏目ホノカ
「32位…………!なかなかの順位ですね。」
満足のいく結果だったようだ。一方でほかの2人は…………?
春井リカコ
「20位。キリの良い数字ね。」
名雲メイ
「26位か…………悪くないわね!」
納得の結果だったようだ。
夏目ホノカ
「では…………次はスキーですね。」
真瀬莉緒
「そうですね。楽しみです。」
夏目ホノカ
「……………………。」
真瀬莉緒
「どうかしましたか?」
夏目ホノカ
「いえ…………。楽しみましょう。」
真瀬莉緒
「…………はい。」
そして後日…………。
スキー場
スキー場にやって来た。けど、夏目さんはどこか浮かない顔をしている。
名雲メイ
「久しぶりに滑る日が来たわね。楽しみましょう!」
夏目ホノカ
「……………………。」
初杉ジロウ
「夏目さん?…………ああ。そうか…………。」
真瀬莉緒
「初杉さん。夏目さんのことで何か知っているんですか?」
初杉ジロウ
「はい…………まあ、とりあえずリフトに乗りましょう。
春井リカコ
「じゃあ、私たちは先に乗っているわ。」
春井さん。浦川さん。名雲さん。そして薮本さんはリフトに乗る。
残った、僕と姉さんと初杉さんと夏目さんでリフトに乗ることにした。
リフトに乗ると、僕は初杉さんに夏目さんのことを聞く。
真瀬莉緒
「それで…………初杉さん。夏目さんは…………?」
初杉ジロウ
「それは…………本人が良ければだけど…………。」
夏目ホノカ
「大丈夫です。私から言います。」
初杉ジロウ
「わかったよ。みんな知っていても問題ないことだから。」
夏目ホノカ
「はい…………実はスキーが上手くなくて…………。急な坂だと、転んでしまうんです。」
真瀬莉緒
「なるほど…………。」
真瀬志奈
「ねえ、莉緒。せっかくならレクチャーしてあげたら?スキーはできるんでしょう?」
夏目ホノカ
「良いんですか?真瀬さんが良ければ…………お願いしたいです。」
真瀬莉緒
「もちろんです。…………では、初心者コースで練習しましょう。」
初杉ジロウ
「せっかくだから僕たちも初心者コースから滑ろうか。」
真瀬志奈
「そうね。行きましょう。」
僕たちは初心者コースで滑ることにした。
夏目ホノカ
「ドキドキします…………。」
真瀬莉緒
「大丈夫です。僕がレクチャーしますから!」
夏目ホノカ
「真瀬さん…………。ありがとうございます。」
僕は手取り足取り夏目さんに、スキーの滑り方を教える。
夏目さんは何度か転ぶこともあったが、呑み込み上手ですぐに滑れるようになった。
真瀬莉緒
「すごいです!さすがです、夏目さん!」
夏目ホノカ
「ありがとうございます。真瀬さんのおかげです。私…………スキーがこんなにも楽しいものだとは思いませんでした。」
真瀬莉緒
「慣れればきっともっと楽しくなりますよ。…………最後は中級者向けのコースに行きましょう。」
僕たちは初杉さんたちを呼んで、中級者コースに向かう。
夏目ホノカ
「ここが…………中級者コース…………。」
初心者コースよりも坂は急だ。上手く滑れるだろうか…………?
夏目ホノカ
「では…………行きます…………。」
夏目さんは気を張るように、坂を滑る。
初杉ジロウ
「その調子!頑張れ!」
真瀬志奈
「大丈夫!大丈夫!落ち着いて!」
夏目さんは段々と笑みを浮かべて、滑り出す。どうやら完全に慣れたようだ。
そのまま転ぶことなく、滑り終える。
夏目ホノカ
「真瀬さん!やりました!」
真瀬莉緒
「おめでとうございます!やりましたね!」
夏目ホノカ
「はい…………。ふぅ…………良かった。」
時間はかかったらしく、空はすっかり藍色空になっている。
真瀬莉緒
「では…………学園に戻りましょうか。あそこに浦川さんたちがいますから。」
真瀬志奈
「そうね。じゃあ、戻りましょう。ホノカもお疲れ。」
夏目ホノカ
「はい。…………本日はありがとうございました。」
真瀬莉緒
「どういたしまして。」
こうして楽しい時間はあっという間に過ぎていき…………数日後。僕たちは課題発表の日を迎えることになった。




