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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第6部 名雲メイ編

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第2章 黄色いメダル(薮本マサキ編)前編

夏。作曲も大事だが、学校行事も大切。

今日はクラス対抗大運動会が行われる。


遊馬雄三

「準備は良いか?1位目指して頑張り、勝利を目指せ。」


クラスメイトのみんなは「はい。」と言った。みんなから頑張ろうとする気持ちがとても溢れている。


何しろこの大運動会の順位により、2ヵ月後の文化祭の出し物の選択権が変わっていく。1位はもちろん出し物が被ったとしても優先的にこちらが第1希望を通せる。なのでなるべく上位を目指さないといけない。


薮本マサキ

「……………………よし。頑張ろう!」


真瀬志奈

「はい!もちろんです!」


薮本さんはゲーム機をしまい、大運動会に挑む。


浦川アイク

「2人は障害物マラソンに参加するんだよな。応援している。」


初杉ジロウ

「頑張ってね!応援しているから!」


真瀬志奈

「はい!みなさんも綱引き頑張ってください!」


2人は頷き、綱引き会場に向かう。


対戦相手はGクラス。中でも注目なのは2人の女子生徒だ。


薄紫色のミディアムヘアなのが、春井リカコ(はるい りかこ)さん。とても人に厳しく、氷のように冷たい性格の持ち主で、いろんな人から恐れられている。浦川さんと仲がいまいちらしい。


黄緑色のふんわりヘアで落としやかな印象なのが夏目ホノカ(なつめ ほのか)さん。誰にでも優しく、とても丁寧な印象がある。初杉さんとは知り合いらしい。


春井リカコ

「ふん…………負けないから。」


浦川アイク

「こっちのセリフだ。…………勝たせてもらう。」


お互いにバチバチだ。一方で…………。


夏目ホノカ

「よろしくお願いいたします。今日は勝負と言うことですので…………。」


初杉ジロウ

「ああ。…………よろしくね。僕も負けないから。」


お互いにやる気満々だ。


その会話の後、立ち位置に移動してくださいとのアナウンスがあり、出場者は全員立ち位置に移動した。


そしてスタートのピストルが打たれ、両クラス綱を引っ張った。結果は……浦川さんたちの勝利だった。


2人はやったぞと言わんばかり、嬉しい表情で戻ってきた。


次は私たちの番だ。負けられない……!


障害物マラソンには、莉緒と名雲さんが参加する。この勝負は負けられない。


私たちはスタート位置に移動する。


そして……ピストルが鳴る。


私たちは一生懸命に走り出した。


障害物を掻い潜り、中継地点にたどり着くと、姉さんたちが目の前にいる。


真瀬志奈

「莉緒。ここまで来れたのね。」


真瀬莉緒

「このくらい余裕だよ。」


薮本マサキ

「メイ。…………負けないから。」


名雲メイ

「…………こちらこそ。勝負よ。マサキ。」


名雲さんと薮本さんはやる気満々だ。僕たちもその情熱が移り、負けられなくなった。


真瀬志奈

「行きましょう!!」


薮本マサキ

「はい!」


名雲メイ

「行くわよ!莉緒くん!」


真瀬莉緒

「…………はい!」


僕たちは急いで、姉さんたちを追いかける…………!



追いかけて、決着が着いた。結果は…………。


体育委員

「ゴールしました!!1着はAクラスです!」


真瀬志奈

「やった…………!やりましたね!」


薮本マサキ

「とても嬉しい…………運動には自信なかったけど、頑張れたよ!」


真瀬莉緒

「負けたか…………。」


名雲メイ

「つ、強い…………。」


クラスのところに戻ると、浦川さんたちが暖かく迎えてくれた。


浦川アイク

「おめでとう。頑張りが形になったな。」


初杉ジロウ

「こっちまで嬉しいよ。おめでとう!」


真瀬志奈

「みなさん…………ありがとうございます。」


そしてすぐに結果発表にうつった。


体育委員

「総合結果です。1位はAクラスです!」


真瀬志奈

「やった!みなさんやりましたよ!」


初杉ジロウ

「みんなのおかげだ!ありがとう!」


薮本マサキ

「僕も嬉しいよ!やったね!」


体育委員

「なお最下位のGクラスには罰ゲームがあります。」


浦川アイク

「罰ゲーム……?」


体育委員

「罰ゲームを喰らっていただくのはくじ引きで当たりを引いた3名に行っていただきます!」


真瀬莉緒

「うわぁ……嫌だなぁ……」


体育委員

「ではGクラスのみなさん!くじを引いてください!」


Gクラスのみなさんが1人ずつ引いていくそして……


夏目ホノカ

「これは……。」


名雲メイ

「いやあ……!苦しい……!」


春井リカコ

「はぁ…………こうなるなんて……。」


罰ゲームを行なったのは春井さん、名雲さん、夏目さんだった。罰ゲームはシャツの中で風船を膨らます定番のモノだった。


浦川アイク

「良かった……1位で……。」


真瀬莉緒

「当たらなくて良かった……。」


みるみる大きくなる風船に他のみなさんは驚いた表情で見ている。


薮本マサキ

「ここまで大きい風船を使うとは…………。」


初杉ジロウ

「当たっていたらどんなことに…………うわぁ!」


風船が割れた。3人はその場に座り込んだ。


名雲メイ

「くっ…………。マサキ…………。」


名雲さんは薮本さんに助けを求めようとするが、薮本さんは少し、戸惑っていた。



六郭星学園寮 志奈・メイの部屋



名雲メイ

「…………ふぅ。」


真瀬志奈

「名雲さん…………。」


名雲メイ

「うん…………ちょっと心配かけたみたいね。…………ごめん。」


真瀬志奈

「気にしないでください。…………謝らなくても大丈夫です。」


名雲メイ

「そう…………ありがとう。」


真瀬志奈

「そういえば、声優歌唱祭の件は順調ですか?」


名雲メイ

「うん。順調だよ。今度、マサキに聞かせるんでしょ?あの音源を。」


真瀬志奈

「はい。明日、薮本さんに聞いてもらう段取りを組みました。」


名雲メイ

「頑張ってね。私たちも頑張るから!」


真瀬志奈

「はい。ありがとうございます。」


お互いに健闘を祈り、今日の行事を終えた。

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