第1章 赤いマスクのヒーロー(薮本マサキ編)後編
六郭星学園寮 志奈・メイの部屋
真瀬志奈
「ここが私たちの部屋か…………。」
名雲メイ
「なかなか広いですね。」
パンフレットによると、部屋は広くリビングとベッドルームが2部屋あり、両方防音になっているらしいのでベッドルームからもう一つのベッドルームからは何も聞こえない。この部屋に2人1組というのがこの寮のルールらしい。
真瀬志奈
「テレビをつけましょうか。」
名雲メイ
「そうですね。つけましょう。この時間はマサキの言っている番組がやってますから。」
真瀬志奈
「はい…………。」
テレビをつけて、その番組のやっているチャンネルをかけると、ニュースが流れていた。
真瀬志奈
「あれ…………?やっていない?」
名雲メイ
「えっ…………?おかしいですね…………何かあったのかな?」
ニュースキャスター
「本日の番組を変更してニュースをお送りいたします。」
真瀬志奈
「何かあったみたいですね。」
名雲メイ
「仕方ありませんね…………私は、購買部に行ってきます。」
真瀬志奈
「あっ…………はい。いってらっしゃいませ。」
名雲メイ
「はい。ありがとうございます。」
名雲さんは購買部へ向かった。
真瀬志奈
「ふう…………寝よう。」
私は眠りにつくことにした。
六郭星学園 Aクラス教室
真瀬志奈
「はあ…………おはようございます。」
薮本マサキ
「ああ。おはようございます。」
教室に行くと、薮本さんがいた。ゲームをしている。
真瀬志奈
「昨日はあの番組、やっていませんでしたね。」
薮本マサキ
「そうですね…………臨時ニュースでしたからね。…………臨時ニュースの内容はこの学園の付近のことでした。」
真瀬志奈
「この学園の近くですか?それは大変ですね。」
薮本マサキ
「はい…………何かがあったみたいです。気をつけましょう。」
真瀬志奈
「はい…………。」
すると、遊馬先生が教室に入って来る。
遊馬雄三
「ああ。真瀬と薮本か。ちょうど良かった。2人に放課後、お願いがあるのだが…………。」
真瀬志奈
「放課後ですか?…………私は構いませんが…………。」
薮本マサキ
「僕も構いません。何でしょうか?」
遊馬雄三
「少し、学園の備品を買ってきてほしい。代金はもう渡してあるから、取りに行けばいい。地図も書いてあるから、よろしく頼むな。」
真瀬志奈
「わかりました。」
私たちは放課後、商店街に向かうことになった。
商店街
真瀬志奈
「さて…………。取りに行くものは取りましたし、帰りましょうか。」
薮本マサキ
「そうですね。…………でも小腹が空きましたね。」
真瀬志奈
「言われてみれば…………。たい焼きでも買いましょう。」
薮本マサキ
「そうですね。…………じゃあ、たい焼きのお店に行きましょう。」
たい焼き店
店員
「お待たせしました。どうぞ。」
真瀬志奈
「ありがとうございます。」
私たちはたい焼きを食べる。それも特別なたい焼きだ。
真瀬志奈
「うーん…………!この青いクリームは珍しいですけど美味しいですね。」
薮本マサキ
「はい。…………なんだか食べるのがおしいです。」
真瀬志奈
「そんなに好きなんですか?たい焼き。」
薮本マサキ
「いえ、この青いクリームが好きです。」
真瀬志奈
「青色ってことですか?」
薮本マサキ
「はい。青は僕にとって特別な色で好きな色でもあります。ゲーム機の色も青色なんですよ。買うものは青で統一するくらい好きです。」
真瀬志奈
「良いですね。好きな色があるのはとても良いことだと思います。」
薮本マサキ
「ありがとうございます。…………頬にクリームが付きましたよ。…………ティッシュで良ければどうぞ。」
真瀬志奈
「あっ、ありがとうございます。」
私は淡い青色のティッシュをもらい、口を拭く。
真瀬志奈
「ふぅ…………。」
薮本マサキ
「さて…………そろそろ帰りますか。備品も引き取れたので、あとは…………。」
薮本さんがそう言いかけると、赤い物体が空から降りてくる。
薮本マサキ
「危ない!」
真瀬志奈
「きゃっ!」
薮本さんは私を赤い物体から、守ってくれた。
??
「いてて…………。」
薮本マサキ
「えっ…………人…………?」
真瀬志奈
「あなたは一体…………?」
??
「あっ…………はっはっはー!!私はゲームマンレッド!」
真瀬志奈
「げ、ゲームマン?レッド?」
薮本マサキ
「その…………何か御用でしょうか?」
レッド
「きみを探していたんだよ!きみみたいな、ゲームの天才を探していてね…………。わざわざ外国から戻って来たんだよ!きみ、我々の仲間に入らないか?」
薮本マサキ
「…………急に言われても…………。」
??
「何をしているんですか!早く戻りますよ!!」
レッド
「イエロー!?なぜここに?」
イエロー
「俺らで、色々作戦立てて考えるんでしょう?シアンもここに来てくれ!」
シアン
「わかっていますよ…………。これを見てください。」
真瀬志奈
「わあ…………素敵なイラストですね。」
シアンと呼ばれる人は、イラストを見せてきた。とても上手なイラストだった。
シアン
「私たちの仲間になればきっとゲームもたくさんできますよ。どうでしょうか?」
薮本さんは少し考えるが、すぐに考えがまとまったみたいだ。
薮本マサキ
「お気持ちはありがたいですが、僕はある番組のスタッフとして、働きたいのでお断りします。…………すみません。」
イエロー
「そうか…………ちなみにプロレスは得意か?今度、あったときはプロレスで…………!」
レッド
「その話はいい。仕方ないから今日は帰るぞ。」
赤色と黄色と水色のヒーローらしき人たちはとぼとぼと商店街を歩く。
真瀬志奈
「妙な人たちでしたね…………。」
薮本マサキ
「うーん…………なんだかどこかで見たことのあるような…………?」
真瀬志奈
「心当たりがあるんですか?」
薮本マサキ
「…………いえ。思い出せません。…………とにかく帰りましょう。」
真瀬志奈
「そうですね。遊馬先生が待っていますからね。」
私たちは六郭星学園に戻ることにした。
六郭星学園寮 志奈・メイの部屋
備品を遊馬先生に渡して、私は寮の部屋に戻り、声優歌唱祭の音源を作っていた。
真瀬志奈
「これで、どうかな…………?」
音源を仮で作成したところで、名雲さんが帰って来た。
名雲メイ
「戻りました。」
真瀬志奈
「名雲さん。いいところに。」
私は音源を名雲さんに聞いてもらうことにした。
話を聞くと、莉緒の課題のパートナーは名雲さんらしく、お互いの情報共有にもなりそうだから聞いてもらうことにした。
名雲メイ
「では、よろしくお願いします。」
私は、音源を流す。
音源を流し終え、名雲さんを見ると、驚いていた。
名雲メイ
「す…………すごい…………!さすがお姉さんですね。」
真瀬志奈
「ありがとうございます。」
名雲メイ
「これは…………マサキのことも考えて作った部分もありますね。伝わってきます。」
真瀬志奈
「はい。せっかくの薮本さんとの楽曲作成ですから…………。」
名雲メイ
「マサキのこともよろしくお願いします。私も頑張りますので。」
真瀬志奈
「こちらこそ、莉緒をよろしくお願いします。」
お墨付きももらえたので、私は今度、薮本さんに音源を聞いてもらおう。そう思った。




