第4章 青いシロップのかき氷(名雲メイ編)中編
名雲メイ
「はい…………歌詞はこちらです。よろしくお願いいたします。」
声優さんは歌詞をじっくりと見る。そして、音源を聞きたいと言う。
真瀬莉緒
「はい。では…………聞いてください。」
僕は音源を流す。
声優さんはじっくりと聞く。目を閉じて、黙々と聞いていた。
目を開けると、何個か質問を声優さんが投げかける。
その質問に僕たちは答える。
質問が終わると…………声優さんは笑みを浮かべた。
真瀬莉緒
「ありがとうございます…………!」
この様子は快諾の笑みだ。僕はお礼を言う。
名雲メイ
「あっ…………ありがとうございます。」
名雲さんもお礼を言う。
そして、声優さんは名雲さんに握手を求める。
名雲メイ
「はい!…………ありがとうございます!」
そのあと、名雲さんと声優さんは軽い雑談をして、その日はお開きになった。
声優さんが出ると、神谷先生はとても喜んでいた。
神谷乙音
「おめでとう!…………きっと、上手くいくと思っていたわ!」
真瀬莉緒
「ありがとうございます!とても嬉しいです。この瞬間は何度やっても緊張します。」
神谷乙音
「2人で頑張って作った曲…………楽しみにしているから!それじゃあ、声優さんを校門まで案内するから、待っていてね!」
神谷先生は応接室をあとにする。
2人になった瞬間。ホッと一息つく。
真瀬莉緒
「良かった…………。」
名雲メイ
「莉緒くん…………。もう何と言っていいか…………!」
真瀬莉緒
「ありがとうございます。名雲さんの歌詞のおかげだと思います。今度の声優歌唱祭のとき、楽しみにしています!」
名雲メイ
「うん。きっと…………喜んでくれるから。」
真瀬莉緒
「…………はい。」
僕たちは神谷先生が戻ってきたあと、寮に戻る。
寮に戻ると、プールの準備をし、今度は音楽室に向かい、練習をした。
リゾートプール
遊馬雄三
「という訳だ。みな、怪我だけはしないように。」
柳原悠香
「楽しんでくださいね。」
先生方の引率で僕たちはリゾートプールにやって来た。
真瀬莉緒
「僕たちは泳げませんが…………今日はとても楽しみにしていました。」
真瀬志奈
「楽しんでってね。」
浦川アイク
「せっかく来たんだ。楽しませてもらうよ。」
薮本マサキ
「たまには運動しないとね。あっ、みんな来ましたね。」
初杉ジロウ
「みんな!こっちだよ!」
みなさんが水着姿でやって来る。
名雲さんは青い水着で、とてもスタイルが良い。名雲さんも楽しそうだ。
夏目さんは藍色のワンピースでとても大人しめの水着を着ている。
春井さんは紫色のビキニで、見ているこっちがドキドキするくらいのセクシーさだ。
春井リカコ
「ふぅ…………プールなんて久しぶりね。」
夏目ホノカ
「せっかくの機会です。楽しみましょう。」
名雲メイ
「うん!莉緒くんもプールサイドで楽しんでね!」
真瀬莉緒
「はい!名雲さんたちも楽しんでください!」
名雲さんは頷くと、プールに入る。それに続いてみなさんもプールに入る。
真瀬莉緒
「……………………。」
僕たちはプールサイドの椅子に座る。
真瀬志奈
「それで…………?声優さんの楽曲は完成したの?」
真瀬莉緒
「うん。声優さんの承諾も、もらったよ。お墨付きだ。」
真瀬志奈
「そう。歌詞は莉緒が作ったの?」
真瀬莉緒
「いや…………。名雲さんだよ。」
真瀬志奈
「メイが?…………彼女ならきっと大丈夫ね。」
真瀬莉緒
「うん。今でもワクワクしているよ。まだ知らないんだ。」
真瀬志奈
「そうなの?…………ドキドキね。」
真瀬莉緒
「でも…………なんとなくわかるんだ。どんな歌詞を書くか…………。」
真瀬志奈
「そう…………。あっ、私たちも完成したから。声優さんの楽曲。」
真瀬莉緒
「良かった…………。声優さんにも承諾はもらったの?」
真瀬志奈
「ええ。もちろん。…………なんだかお互いに充実した1年になったわね。」
真瀬莉緒
「そうだね…………。色々とあったけど、なんだかんだ楽しい1年だったよ。」
真瀬志奈
「…………うん。けど…………。」
真瀬莉緒
「けど?」
真瀬志奈
「なんだか…………最近、めまいや耳鳴りがすごくて…………。」
真瀬莉緒
「そういえば…………俺も同じようなことがあったような…………。」
真瀬志奈
「何かしらね…………?」
真瀬莉緒
「うん…………耳鳴りのことを話すのはやめよう。みんな楽しんでいるから。」
真瀬志奈
「それもそうね。楽しいことをしないとね。」
真瀬莉緒
「うん!」
名雲メイ
「おーい!2人とも、そろそろ美味しいもの食べに行こうよ!」
真瀬莉緒
「あっ、はい!今すぐ行きます!」
僕たちはリゾートプールにある、レストランに向かう。
真瀬莉緒
「いただきます。」
僕たちは季節外れのかき氷を食べることになった。
シロップの色は様々あり、名雲さんと薮本さん以外は、赤色のいちご味を注文した。
浦川アイク
「うん…………久しぶりのかき氷だ。…………良いものだな。」
みなさん、満足しているみたいだ。
名雲メイ
「うん…………甘い。」
名雲さんと薮本さんは青色のブルーハワイを注文したみたいだ。
名雲メイ
「莉緒くんもブルーハワイ食べる?」
真瀬莉緒
「いえ…………名雲さんのですから。僕はいちご味のかき氷があるんで。」
名雲メイ
「それもそうだね。…………うん。美味しい。」
名雲さんも満足して、かき氷を食べる。
全員、食べ終わって学園に戻ることにした。
部屋に戻り、リゾートプールで満足したのか、その日は深い眠りにつくことができた。
楽しい時間はあっという間で…………僕たちは大切な日を迎えることになった。




