第３章 チョコレートブラウンアイスクリーム（名雲メイ編）中編

六郭星学園寮 莉緒・マサキの部屋

真瀬莉緒

「……………………。」

おかしい。何か絶対裏がある。やっぱり疑問を抱いてしまう。

真瀬莉緒

「やっぱり…………呼び戻した方が良いかな…………？」

僕は色々と考え、中庭に向かうことにした。

六郭星学園 中庭

真瀬莉緒

「……………………。冷えてきたな。」

すると、辺り一面が光で包まれる。

真瀬莉緒

「な、なんだ…………！？」

光が消えると、そこには１人の女性が立っていた。

？？

「六郭星学園…………。またここね。」

真瀬莉緒

「あなたは一体…………？」

虹谷アヤ

「真瀬莉緒…………ね。私は虹谷アヤ(にじや あや)。ある人物を追ってここにやって来たの。」

真瀬莉緒

「…………ある人物？…………一体どうしてですか？」

虹谷アヤ

「その人物は重い罪を犯した。だから私は彼女を連れて行く。」

真瀬莉緒

「彼女…………？」

虹谷アヤ

「名雲メイ。彼女を連れて行くわ。」

真瀬莉緒

「名雲さん！？…………一体どうしてですか！！」

虹谷アヤ

「言ったわよね。彼女は重い罪を犯したって。という訳だから…………。」

真瀬莉緒

「待ってください！」

虹谷アヤ

「……………………。」

真瀬莉緒

「どこの誰かは知りませんが、あなたに名雲さんを連れていかれるのは嫌です。それに彼女は何もしていないと思います。」

虹谷アヤ

「どうしてそう思うの…………？」

真瀬莉緒

「わかりません。…………けど、信じています。あなたが名雲さんを連れて行くなら、僕は許しません。どうかお引き取りお願いいたします。」

虹谷アヤ

「あなたのその優しさには感服するわ…………けれど…………後悔するのはあなたの方よ。」

虹谷と言う人は捨て台詞を吐いた。そして、辺り一面がまた光に包まれる。

真瀬莉緒

「くっ…………！」

光が消えると、虹谷と言う人はいなくなっていた。

真瀬莉緒

「あの人…………何だったんだろう？」

疑問に思うが、僕は気持ちを切り替えて寮に戻ろうとしたとき…………。

ギギ……ガガ…………。

真瀬莉緒

「えっ…………。」

ギギ……ガガ…………。

また耳鳴り……？くっ……苦しい……！

ギギ……ガガ…………。

真瀬莉緒

「ぐっ……ああああ…………！」

僕は意識が遠のく…………。

六郭星学園 保健室

真瀬莉緒

「うーん…………ここは…………保健室か。」

目が覚めるとそこは保健室だった。

真瀬莉緒

「心配かけちゃったかな…………？」

なんだかみなさんに申し訳なくなった。

すると、カーテンが開く。シオンがいた。

櫻井シオン

「莉緒。大丈夫…………？」

真瀬莉緒

「シオン…………迷惑かけたね。…………ごめん。」

櫻井シオン

「もう３日も日付が変わっているのよ。本当に心配したのよ！」

真瀬莉緒

「３日…………？」

そうなると今日は名雲さんの撮影日だ。

真瀬莉緒

「名雲さんは…………！？」

櫻井シオン

「えっ…………？彼女は、出かけるって…………。」

真瀬莉緒

「…………！？…………薮本さんと霧宮さんは！？」

櫻井シオン

「寮の部屋だと思うけど…………。」

真瀬莉緒

「急いで！！」

僕はベッドから飛び出し、薮本さんと霧宮さんを探す。

六郭星学園 Ｉクラス教室

真瀬莉緒

「失礼します！」

霧宮ナツハ

「…………？どうかしたの？」

櫻井シオン

「莉緒…………？」

霧宮さんはいた。

真瀬莉緒

「霧宮さん。今日、名雲さんがチーフマネージャーと撮影があるって知ってますか？」

霧宮ナツハ

「…………どういうこと！？場所はどこ！？」

真瀬莉緒

「ここです！」

この様子だと霧宮さんは知らないみたいだ。

霧宮ナツハ

「やばい…………彼女…………騙されているわ！！」

櫻井シオン

「ええ！？」

真瀬莉緒

「やっぱり…………！？」

内野タスク

「ここにいましたか！」

内野さんが血相を変えてやって来る。

内野タスク

「大変です。霧宮さんのチーフマネージャーの件で、こんな記事が…………！」

真瀬莉緒

「これは…………！？」

思っていた通りだ、あのマネージャーやばい人だ。

真瀬莉緒

「急いで、現場に向かいます！名雲さんを助けないと！！」

霧宮ナツハ

「私も行くわ！あのチーフマネージャーを殴ってやらないと！」

内野タスク

「僕は先生方に報告してきます！急いでください！」

真瀬莉緒

「はい！今すぐ行きます！」

僕たちは急いで撮影がある、ビジネスホテルに向かう。

ビジネスホテル ４４４号室

真瀬莉緒

「ここだ…………！」

部屋のドアは…………開かない。鍵がかかっている。

霧宮さんは耳をドアに当てる。

霧宮ナツハ

「いるわ！ドアを開けないと！」

そのタイミングで内野さんが遊馬先生と柳原先生を連れてやって来た。

遊馬雄三

「フロントマンも連れてきた。話は聞いている。急いでここを開けるぞ。」

フロントマン

「はい…………！」

フロントマンが鍵を開けると、今度は…………。

柳原悠香

「チェーンロック…………！？」

ドアからは名雲さんの悲鳴が上がる。

真瀬莉緒

「名雲さん！」

霧宮ナツハ

「ドアを体当たりしましょう！」

内野タスク

「良いですか！？ホテルの方！」

フロントマン

「しかし…………。」

柳原悠香

「生徒が大変な目に遭っています。放っておくわけにはいきません！」

遊馬雄三

「ドアの請求は六郭星学園に請求お願いいたします！」

フロントマン

「わかりました…………。」

遊馬雄三

「内野！真瀬！」

真瀬莉緒

「はい！」

内野タスク

「せーの…………！！」

僕たちは体当りをしてドアを開ける。