第１章 淡く黄色い洋服が（名雲メイ編）前編
春。僕は目覚まし時計で目を覚ました。
？？
「……はぁ……。朝か……。」
僕の名前は真瀬莉緒 。この春に６つの高等学校が合併した、六郭星学園に通う高校３年生だ。
真瀬莉緒
「僕は今日から六郭星学園の生徒か…。」
今日から新たな友達と授業を受ける。そう思っただけでドキドキした。
真瀬莉緒
「大丈夫…大丈夫…。」
僕はそう言い聞かせながら支度をし、六郭星学園に向かった。
六郭星学園 校門
真瀬莉緒
「ここが六郭星学園…」
？？
「何か…すごいところね。」
この人は真瀬志奈。僕の双子の姉。
姉さんもこの学園に通う高校３年生だ。
真瀬莉緒
「でも、合併して方針が変わって全寮制になるなんて思わなかったよ。」
真瀬志奈
「でも寝坊しなくなるんじゃない？」
姉さんは笑顔でそう言った。
真瀬莉緒
「それ言わないでよ…。」
僕は照れながらそう言いました。
姉さんは僕をからかうのが好きなんだ。
真瀬莉緒
「…で、姉さんはどこのクラスだったの？」
真瀬志奈
「私は…Ａクラスね。」
真瀬莉緒
「へぇ…俺はＧクラスだったよ。バラバラになっちゃったね。」
真瀬志奈
「そうね。学校内でも会えるし、問題ないわよ。」
真瀬莉緒
「それもそうだね。じゃあ、そろそろ自分たちの教室行こう。」
真瀬志奈
「えぇ。」
六郭星学園 校内
真瀬莉緒
「へぇ……広いね……。」
さすがは六郭星学園。６つの学校が合併しただけあって校内はかなりの広さだ。
真瀬莉緒
「食堂はどんな感じかな？」
気になった僕は食堂へ向かうことにした。
六郭星学園 食堂
真瀬莉緒
「ここが食堂か…………。」
そう呟くと、奥の方から物音がする。
真瀬莉緒
「何だろう…………？」
奥の方に向かうと…………。
？？
「あっ…………。」
真瀬莉緒
「あっ…………すみません。」
？？
「いえ…………こちらこそ…………。」
青いリボンを着けた女子生徒は頭を下げる。
？？
「では…………この辺で。」
青いリボンの女子生徒は食堂の入口へ戻る。
僕もなんとなく戻ることにした。
入口の方に戻ると、青色…………よりも濃い色。藍色のリボンを着けた女子生徒が待っていた。
？？
「もう準備はできていますか？教室に戻りましょう。」
？？
「ええ…………。」
？？
「あなたも教室に戻りましょう。クラスメイトたちが待っています。」
真瀬莉緒
「あっ、はい…………。」
そう言って、女子生徒たちは教室に向かった。
真瀬莉緒
「僕もそろそろ教室に向かおう。どんな人とクラスメイトかな？」
僕は、Ｇクラス教室に向かう。
六郭星学園 Ｇクラス教室
教室に入ると、さっきの女子生徒がいた。
？？
「あっ、さっき食堂にいたきみだ！」
？？
「同じクラスですね。これからよろしくお願いいたします。」
真瀬莉緒
「はい。よろしくお願いいたします。」
？？
「ふーん…………もう友達を作ったのね。無駄なことを…………。」
真瀬莉緒
「なっ…………？」
うしろから紫色のリボンを着けた女子生徒がそう言う。なんなんだ一体…………。
？？
「友達ね…………それも面白いかも。」
真瀬莉緒
「あの…………みなさんは一体…………？」
春井リカコ
「自己紹介くらいはするわ。…………春井リカコ(はるい りかこ)。」
名雲メイ
「自己紹介がまだだったわね…………。名雲メイ(なぐも めい)。よろしくお願いいたします。」
夏目ホノカ
「私は夏目ホノカ(なつめ ほのか)と言います。改めてよろしくお願いいたします。」
真瀬莉緒
「真瀬莉緒です。よろしくお願いします。」
自己紹介を済ませて僕は自分の席についた。
チャイムが鳴りホームルームが始まり、教室に先生らしき人が入ってきた。
？？
「おはようございます。」
クラスメイトたちは「おはようございます。」と言う。
柳原悠香
「私は、このクラスの担任を任されることになりました。柳原悠香と言います。以後お見知りおきを。」
クラスメイトたちは一礼をする。
古風な振る舞いがクラスメイトたちを魅了しているような…………。
柳原悠香
「ありがとうございます。…………みなさんも知っている通り、６つの学園が１つになり、六郭星学園と名を改めました。見慣れない方たちもいるかもししれませんがみなさん仲良く１年を過ごしましょう。」
クラスメイトたちは返事をする。
柳原悠香
「さて…………これからみなさんには課題をやってもらいます。」
クラスメイトたちはいきなりのことで驚き、ざわつく。
柳原悠香
「すみません。課題の内容は自由研究です。課題はペアになってやっていただきます。」
柳原先生は教壇の机に箱を置く。
柳原悠香
「この中にはカラーボールが入っています。カラーボールで同じ色になった同士でペアを組んでください。では、この列のみなさんから引いてください。」
そう言うとクラスメイトたちは次々とボールを引いていく。そして、僕の順番が回ってきた。僕はボールを引いた。ボールの色は…………青色だった。
柳原悠香
「それでは、同じ色のボールを持っている方を探してください。」
僕は同じ色のボールを持った人を探す……
同じ色のボールを持っていたのは……。
名雲メイ
「同じ色ですね。１年間よろしくお願いします。」
名雲さんだった。改めてよろしくお願いします。
カラーボールを引き終えた僕は、席に着く。そして簡単な自己紹介が始まった。
