第4章 紫色のタルト(浦川アイク編)中編
浦川アイク
「2位…………。あと1人だったか…………。まあ良い。頑張った結果がこれだ。」
惜しい順位だったけど、納得の順位だったみたいだ。
他のみなさんの結果は…………。
薮本マサキ
「8位か!頑張りが形になったんだ…………!」
初杉ジロウ
「14位…………。結構、すごい順位だ。」
2人とも満足した結果だったみたいだ。
浦川アイク
「真瀬も頑張ったな。じゃあ、いよいよこのあとだな。」
真瀬志奈
「はい。楽曲と歌詞をパソコンで転送します。」
今回、作曲した楽曲は声優さんのアドレスの方に転送する。
浦川さんの書いた歌詞も転送するのだけど…………。
真瀬志奈
「歌詞は完成しましたか?」
浦川アイク
「ああ。完成している。想いを乗せて書いた。期待してほしい。」
真瀬志奈
「はい。期待しています。では、寮の方に戻りましょう。」
浦川アイク
「ああ。」
六郭星学園寮 莉緒・アイクの部屋
真瀬志奈
「ここを…………こうして…………。」
私は楽曲を転送する。久しぶりで少し戸惑うがなんとか転送はできた。
浦川アイク
「それじゃあ、俺の番だな。」
浦川さんは歌詞の書いた楽譜を打ち込んだ。
浦川アイク
「これで…………転送と。」
パソコンには「転送されました。」と表示される。
真瀬志奈
「できましたね。浦川さん。あとは課題発表だけですね。」
浦川アイク
「ああ。その日に向けて練習するぞ。クラスメイトを驚かせるぞ。」
真瀬志奈
「はい。頑張りましょう!」
浦川さんは頷く。そして、何かを思い出したのか紙袋を取り出す。
浦川アイク
「それじゃあ、今日は楽曲を完成させたお祝いだ。このタルトを一緒に食べてほしい。」
そう言うと、浦川さんは紙袋から、紫色のタルトを取り出す。
真瀬志奈
「うわあ…………!とても美味しそうですね。」
浦川アイク
「ああ。今日の日のために取り寄せたんだ。…………真瀬。」
真瀬志奈
「はい。いただきます。」
私は紫色のタルトを食べる。
真瀬志奈
「ああ…………とても美味しい。浦川さんも食べてください。」
浦川アイク
「もちろんだ。いただこう。」
浦川さんもタルトを食べる。とても美味しいみたいだ。満足した様子で食べている。
真瀬志奈
「浦川さん。美味しいタルトをありがとうございます。」
浦川アイク
「良いんだよ…………最初は…………真瀬に怖い思いをさせたかもしれない。すまない。」
真瀬志奈
「い、いえ、そんなことはないですよ!この1年間、浦川さんとの交流はとても有意義な1年間でした。」
浦川アイク
「…………そう言ってくれると嬉しい。俺も、真瀬と出会えてよかった。卒業しても、会えることを願っている。」
真瀬志奈
「浦川さん。私もお会いできるのを楽しみにしております。いえ…………絶対に会いましょう。」
浦川アイク
「ああ。必ず…………!」
そして、大切な日を迎える。
六郭星学園 大講堂
いよいよ、課題発表当日になった。課題はKクラスから1ペアずつ発表していき、そこからJクラス、Iクラスといき、Sクラスと回っていく。1ペアずつなので3日間に分けて発表をしていく。
そして今日はAクラスが発表していく。
Aクラスのトップを飾ったのは初杉さんのペアだ。
初杉さんのペアは戦国武将の甲冑を再現した模型を作った。
夏目ホノカ
「さすがですね。……………………。」
夏目さんからは何かを考えるところが見れた。
中盤に入ると次は薮本さんのペアが発表の時間になった。
薮本さんのペアはマジックショーを披露した。
名雲メイ
「…………やるじゃない。さすがね。マサキ。」
名雲さんも素直に褒めている。
そして終盤に入る……そしてAクラスのトリを飾ったのは私たちだ。
ステージ裏で私たちは準備をする。
真瀬志奈
「いよいよですね…………。」
浦川アイク
「ああ。俺たちの頑張りは無駄じゃないってことを証明するんだ。…………頑張って来ただろう?」
真瀬志奈
「そうですね。…………では、行きましょう!!」
私たちはステージに上がる。
真瀬志奈
「準備は良いですね?」
浦川アイク
「ああ。問題ない…………行こう。」
真瀬志奈
「はい!では…………!」
私たちは演奏を始める…………!
演奏を終える、他の人の反応は…………?
男子生徒A
「とても良い曲だ…………!」
女子生徒B
「良かった……!心に響きました!」
私たちは拍手喝采に包まれる。そうか……やったんだ……!
遊馬雄三
「見事だ…………。」
柳原悠香
「素晴らしい演奏…………。私も心に響きましたわ…………。」
遊馬雄三
「ああ…………本当に。」
ステージ上から私たちはみんなにお礼をして、ステージから降りて行った。
真瀬志奈
「やった…………!やりましたね!」
浦川アイク
「ああ…………!あとは…………声優さんからの返答をもらえれば…………!」
真瀬志奈
「はい。…………寮に戻ったら確認しましょう。もしかしたら、返信が来ているかもしれないですし。」
浦川アイク
「そうだな…………。確認してみるか…………。」
真瀬志奈
「はい。では、終わったら返信を見てみましょう!」
そんな話で、課題発表の時間は終わった。




