表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第6部 浦川アイク編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

350/404

第2章 黄緑色したマスカット(浦川アイク編)後編

翌日の放課後、私たちは日比谷先生の車に乗ってぶどう狩りの会場に向かう。



車内道中



浦川アイク

「日比谷先生。ありがとうございます。車まで出してもらって。」


日比谷直輝

「構わない。それに、今日は教員の私がいる。門限が過ぎても私が許可する。好きなだけ堪能すると良い。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。」


日比谷先生の車で聞く音楽はとても聴き心地が良く、課題の曲作りにも参考になる。


真瀬志奈

「この曲のアレンジ…………。使えるかも。」


浦川アイク

「本当か?俺はここがこうするとこうなるんじゃないかと思うんだが…………。」


真瀬志奈

「そこは確かにそうですね。ただ、この場面にはこれが良いと思います。」


ぶどう狩りに行く最中に課題の話になっていく。それほどにも真剣なんだと感じた。


私たちが出した案を、端末にインプットした。


真瀬志奈

「できましたね。」


浦川アイク

「聞かせてほしい。」


真瀬志奈

「はい。…………では。」


私は端末から、アレンジした音源を流す。



音源を聞いた、浦川さんは微笑みを浮かべた。


浦川アイク

「さすが…………真瀬だ。素晴らしい曲になった。」


満足のいく結果になったみたいだ。私は嬉しくなった。


日比谷直輝

「聞かせてもらったがなかなかの曲だった。良い機会をありがとう。」


日比谷先生も満足気な様子だった。


日比谷直輝

「さあ、着いた。真瀬。浦川。…………楽しむぞ。」


真瀬志奈

「はい。楽しみます。」


浦川アイク

「行こう。真瀬。」


私たちはぶどう狩りに向かう。



ぶどう狩り会場



真瀬志奈

「わあ…………すごいぶどうの数です!」


日比谷直輝

「さすが人気の会場だ。私は奥の方へ行こう。2人で楽しんでほしい。」


日比谷先生は奥の方へ行き。私と浦川さんの2人きりになった。


浦川アイク

「さあ、ぶどう狩りを始めよう。この紫色の…………ぶどうはなかなかの魅力だな…………。」


真瀬志奈

「このぶどうも美味しそうですね。早速食べてみましょう。」


私たちはぶどうを食べる。とても甘みがあって美味しい。


真瀬志奈

「美味しいですね。甘みもあってどんどん食べたくなります。」


浦川アイク

「ああ。せっかくの機会だ。ぶどうを持ち帰ることもできる。他の奴らの分も持っていこう。」


私たちは、薮本さん。初杉さん。莉緒と莉緒のクラスメイトの夏目さんと名雲さんの分のぶどうを持ち帰ることにした。


真瀬志奈

「春井さんには持って帰らないんですか?」


浦川アイク

「ああ…………春井か。持って行っても、めんどくさいことになるが、持って帰らなくてもややこしくなる。二者択一だな。」


真瀬志奈

「どうしますか?」


浦川アイク

「仕方ない…………持って帰ろう。」


私たちは春井さんの分を持って帰ることにした。


真瀬志奈

「さて…………日比谷先生のところに戻りましょうか…………。」


浦川アイク

「そうだな。日比谷先生はあんなことを言っていたが、門限もある。そろそろ学園に戻らないと…………。」


日比谷先生は奥の会場にいる。私たちは奥の会場に行き、日比谷先生を探す。


真瀬志奈

「あっ、いました。日比谷先生!」


日比谷直輝

「ああ。真瀬か。ちょうどいいところに来た。これを見てくれ。」


浦川アイク

「これは…………!」


ぶどう狩りの会場にあったのは、黄緑色のマスカットだった。


真瀬志奈

「とても美味しそうですね。いただきますか。」


浦川アイク

「良いんですか…………日比谷先生も食べないんですか?」


日比谷直輝

「いや、私はもう食べた。2人も味わった方が良い。」


真瀬志奈

「わかりました。では…………いただきます。」


私たちはマスカットを食べる。


真瀬志奈

「甘い…………甘みがあって美味しいです。ひょっとするとさっきのぶどうより甘いかもしれません。」


浦川アイク

「確かに…………。甘くてとても好きな味だ。このマスカットも持ち帰ろう。」


真瀬志奈

「みなさんの分もですよね。持ち帰りましょう。」


私たちはみなさんのマスカットも持ち帰ることにした。


真瀬志奈

「これだけあればみなさんにもわたりますね。」


浦川アイク

「日比谷先生。本日はありがとうございました。」


日比谷直輝

「構わない。浦川たちが良ければそれで良いんだ。では、学園に戻ろうとするか。」


私たちは日比谷先生の車に乗り、来た道を戻る。



六郭星学園 Aクラス教室



初杉ジロウ

「へぇ…………今日はぶどう狩りに行ってきたのか。」


薮本マサキ

「とても甘そうだね。早速、いただくよ。」


学園に戻って来た、私たちは莉緒たちをAクラス教室に呼んで、ぶどうを渡す。


真瀬莉緒

「うん。甘くてとても美味しいよ。」


名雲メイ

「うん。甘いわね。でも、こんな時間に食べるなんて…………。」


夏目ホノカ

「1日くらいなら問題ありません。身体にはたまには甘えも必要です。」


名雲メイ

「それもそうね。じゃあ、マスカットもいただくわ。」


みなさん。とても美味しそうにぶどうとマスカットを食べている。


春井リカコ

「……………………。」


浦川アイク

「気に入らないか?ぶどうが。」


春井リカコ

「いえ…………。良いわ。食べてあげる。」


春井さんは黙々とぶどうとマスカットを食べる。


真瀬志奈

「……………………。」


ぶどうを食べていると、急にサイレンの音が鳴る。


真瀬志奈

「な、何…………!?」


浦川アイク

「これは…………!?」


夏目ホノカ

「みなさん!急いで屋上に向かってください!」


真瀬志奈

「夏目さん…………?」


夏目ホノカ

「説明はあとで行いますので…………急いで!」


私たちは夏目さんに従い、屋上まで避難した。



六郭星学園 屋上



屋上に着くと、先生方が獣のような物体を始末している。


真瀬志奈

「あれは…………一体…………?」


学生のみなさんは戦々恐々としている。その中で、浦川さんは何かを考えていた。


すると、そこに小鳥遊さんがやって来て、浦川さんと話をする。


小鳥遊カルマ

「浦川。…………厄介なことになったな。」


浦川アイク

「ああ。…………さっき、笹野と中神が揉めていた。」


浦川さんは何かを知っている…………?それに、夏目さんの言動も疑問を抱く。


悩んでいると…………


ギギ……ガガ……


真瀬志奈

「えっ……!?」


この耳鳴りは……!?


ギギ……ガガ……


苦しい…………!


私は思わずしゃがみ込んでしまう。


真瀬志奈

「うぅ…………。」


浦川アイク

「真瀬…………!?」


真瀬志奈

「はぁ…………はぁ…………。」


浦川さんの声で、何とか意識を保てた。


真瀬志奈

「すみません…………。浦川さん。」


浦川アイク

「気にするな。…………避難解除も勧告された。肩を貸せ。寮まで入れないがそこまでは送る。」


真瀬志奈

「浦川さん…………ありがとうございます。」


浦川さんに肩を担がれ、寮の前まで支えてもらった。


不思議な時間だった…………。少しだけ、ドキドキしていた。どうしてなのかはわからないが…………。


ポーっとした頭を何とかするため、私は眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ