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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第6部 春井リカコ編

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第2章 瑠璃色のマラカス(春井リカコ編)中編

六郭星学園 音楽室



僕は春井さんに演奏を聞いてもらう。…………そして、今回の楽曲を課題にするのと、声優歌唱祭で声優さんに歌ってもらう楽曲と言うことを。


春井リカコ

「……………………。」


やっぱり厳しいか…………?


春井リカコ

「それ…………。声優さんは?」


真瀬莉緒

「はい。この人です。」


僕は声優さんの写真を見せる。


春井リカコ

「この人…………。」


真瀬莉緒

「もしかして、あんまりお好きではなかったですか?」


春井リカコ

「いえ…………いいわ。仕方ないから手伝ってあげる。」


真瀬莉緒

「良いんですか!?」


春井リカコ

「感謝してよね。私に労力を使わせるなんて。」


真瀬莉緒

「…………はい。」


春井リカコ

「それに…………まだ改良の余地はあるわ。直しなさい。」


真瀬莉緒

「それは…………どこですか?」


春井リカコ

「ここよ。…………ここも。」


真瀬莉緒

「なるほど…………。」


春井さんのアレンジを演奏をしてみると、とても素敵な演奏になった。前よりも素敵かもしれない。


真瀬莉緒

「ありがとうございます。前よりもすごく良い曲になりました。」


春井リカコ

「これくらい当然よ。このくらい…………は。」


真瀬莉緒

「……………………。」


僕たちはアレンジを加えた曲をまずは演奏してみた。


もっと、アレンジを加えた方が良いと思ったところはさらにアレンジを加え、最高の曲にしていく。


春井さんの性格だからもっと、衝突があるかもしれないと覚悟はしていたが…………思ったよりも進み具合が良い。僕は良かれと思い休憩を入れる。


春井リカコ

「ふぅ…………。」


春井さんと何を話したらいいのかわからない。僕たちは無言の休憩が続いた。


すると、音楽室に女子生徒が入って来た。


??

「ああ…………よりによって…………。」


真瀬莉緒

「あなたは…………確か、図書委員長の柚木アイラ(ゆずき あいら)さんでしたね。どうかされましたか?」


柚木アイラ

「あの…………その…………図書室の掃除のお手伝いをしてくれる方を探していまして…………。」


真瀬莉緒

「ああ…………僕は構いませんけど………………。」


春井リカコ

「……………………。」


春井さんは考え込んでいた。


柚木アイラ

「ダメでしたら、大丈夫です。えっと…………。」


真瀬莉緒

「真瀬莉緒です。よろしくお願いいたします。」


柚木アイラ

「では、真瀬さん。行きましょう。」


僕が図書室に向かおうとすると、春井さんが腕を掴む。


真瀬莉緒

「春井さん…………?」


春井リカコ

「私も行くわ。気が変わったわ。」


柚木アイラ

「そうですか…………。では、行きましょう。」


僕たちは図書室に向かう。



六郭星学園 図書室



図書室にやって来た僕たちは早速、掃除を始める。


柚木アイラ

「では、私はここを…………。」


すると、校内放送で柚木さんが呼ばれた。


柚木アイラ

「何かしら…………?すみません。しばらくの間、2人でやっていてください。…………すみません。」


柚木さんは図書室の外に出る。


春井リカコ

「全く。自分だけやらずに私にやらせるなんて…………。」


真瀬莉緒

「まあまあ…………しかし、こんな新しい校舎なのに、図書室の棚だけ老朽化が進んでますね。」


春井リカコ

「そうね。…………この棚とかも…………。」


春井さんが棚に触ると、なぜか棚が壊れて春井さんの方に向かって倒れていく。


春井リカコ

「えっ…………?」


真瀬莉緒

「危ない!!」


僕は春井さんを押し倒した。そして…………僕が棚の下敷きになった。


真瀬莉緒

「いっ…………!痛い…………。」


春井リカコ

「……………………!?」


真瀬莉緒

「だっ、大丈夫ですか…………?」


春井リカコ

「えっ、ええ…………。」


春井さんは棚をどかす。春井さんにも少しだけ動揺が見られた。


すると、そこに物音に気付いたのか、女子生徒が入って来た。


??

「大丈夫!?何か大きい音が聞こえたけど…………?」


真瀬莉緒

「大丈夫です…………多分…………。」


駆けつけてきてくれたのは錦戸アケミ(にしきど あけみ)さんだった。


僕は錦戸さんに経緯を説明した。


錦戸アケミ

「大丈夫なの…………!?ちょっと、保健室に行きましょう。」


真瀬莉緒

「大丈夫ですよ…………これくらい…………。」


すると…………。


ギギ……ガガ…………。


真瀬莉緒

「えっ…………。」


ギギ……ガガ…………。


耳鳴り……?くっ……苦しい……!


ギギ……ガガ…………。


真瀬莉緒

「ぐっ……ああああ…………!」


錦戸アケミ

「大丈夫!?」


急に意識が遠のいていく…………。



六郭星学園 保健室



真瀬莉緒

「うっ…………うーん…………。」


目が覚めると保健室だった。


遊馬雄三

「目が覚めたか。」


真瀬莉緒

「遊馬先生…………すみません。」


遊馬雄三

「いや、悪いのは教員の方だ。雪緒!」


近くにいた凪野雪緒(なぎの ゆきお)先生が怒鳴られている。


凪野雪緒

「ああ…………ごめんな。生徒をこんな目に遭わせてしまった。」


遊馬雄三

「しかし、教員全員で決めたことだ、図書室の担当の雪緒にだけ色々言うのは違うな…………。」


凪野雪緒

「そうか…………。」


錦戸アケミ

「遊馬先生…………。」


遊馬雄三

「ああ。すまない。手当をしてくれたのは錦戸だ。礼を言うといい。」


真瀬莉緒

「錦戸さん…………ありがとうございます。」


錦戸アケミ

「いえ…………どういたしまして。でも…………あの…………。」


真瀬莉緒

「……………………?」


錦戸アケミ

「いえ…………なんでもないわ。あの子に色々と言われそう。」


真瀬莉緒

「春井さんですか?」


錦戸アケミ

「まあね。…………仲良くやっているみたいね。頑張って。」


錦戸さんは保健室をあとにした。


真瀬莉緒

「では…………僕はもう、部屋に戻っても良いですか?」


凪野雪緒

「ああ。構わないよ。気を付けてね。」


僕は寮の部屋に戻ることにした。

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