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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第6部 春井リカコ編

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第1章 チェリーピンクボール(春井リカコ編)後編

六郭星学園寮



真瀬莉緒

「ここが僕の部屋か…………。」


部屋は広くリビングとベッドルームが2部屋あり、両方防音になっているらしいのでベッドルームからもう一つのベッドルームからは何も聞こえない。この部屋に2人1組というのがこの寮のルールらしい。僕と相部屋の人は…まだ来ていない。


ゆっくりするか……。そう思った時、部屋のドアが開いた。


真瀬莉緒

「あっ、あなたは…………!?」


浦川アイク

「ああ。真瀬か。よろしくな。」


浦川さんだった。この人と1年間過ごすんだ。よろしくお願いいたします。


真瀬莉緒

「よろしくお願いいたします。その…………1年間。」


浦川アイク

「ああ。好きに部屋を使ってくれ。俺は一旦、部屋を出る。またあとで。」


そう言って、浦川さんは出かけた。


好きに使っても良いと言っていたので、メルマでも見よう。


僕はメルマの配信を見る。


メルマとは、Vtuberのことである。つまり、Vtuberの動画鑑賞だ。


名前は綺羅星メルマ(きらぼし めるま)。ここ最近で登録者数が60万人を超えた、今1番勢いのある女性Vtuberだ。


綺羅星メルマ

「星々のみんな〜!みんなのアース。綺羅星メルマで〜す!」


いつものかけ声にいつもの挨拶。最近の心の拠り所だ。


綺羅星メルマ……癒されるな……。


メルマの動画をひと通り見終わると僕はすぐに寝床についた……。



六郭星学園 Gクラス教室



真瀬莉緒

「ふぅ…………おはようございます。」


春井リカコ

「あら。早いのね。」


春井さんはすでに登校していた。他には名雲さんと夏目さんがいた。


夏目ホノカ

「おはようございます。」


名雲メイ

「莉緒くん。今日は4人でボウリングに行きましょう。」


真瀬莉緒

「ボウリングですか?面白そうですね。行きましょう。」


名雲メイ

「決まりね。多数決なら文句言わないはずよね。リカコ。」


春井リカコ

「仕方ないわね…………放課後ね。」


真瀬莉緒

「はい。では放課後に行きましょう!」


次第にクラスメイトたちも登校して、柳原先生もやって来た。


授業を終えると、僕たちはボウリング場に向かう。



ボウリング場



真瀬莉緒

「ここがボウリング場か…………。」


実はボウリングは初めてで、とても楽しみだった。いつかは行きたいと思っていたからだ。


みなさんそれぞれボウリングの玉を持ってくる。


名雲メイ

「じゃあ、早速始めるわよ。」


名雲さんはボウリングの玉を投げる。ピンを全て弾き、結果はストライクだった。


真瀬莉緒

「すごいです!さすが名雲さんですね。」


名雲メイ

「ありがとう。次はリカコね。」


春井リカコ

「はいはい…………。」


春井さんも玉を投げる。結果はスペアだった。


夏目ホノカ

「なかなかですね。では次は私が…………。」


夏目さんも勢いよく玉を投げる。もちろんストライクだった。


真瀬莉緒

「みなさんすごいですね。では、僕ですね…………。」


僕は玉を投げるが…………ガターだった。


真瀬莉緒

「ガ…………ガター…………。」


気を取り直してもう1度投げる…………結局、ガターだった。


みなさんがストライクやスペアを出すが、僕はガターしか出ない。


何かを考えたのか、春井さんが声をかける。


春井リカコ

「あなた…………下手ね。」


真瀬莉緒

「すみません。やったことなくて…………。」


春井リカコ

「まず、姿勢からダメ。こうして…………。」


僕は姿勢を正される。手取り足取りと…………。正された僕は、ボールも変えた方が良いとアドバイスをもらい、桃色のボールで投げることにした。


真瀬莉緒

「えい…………!」


僕はボウリングの玉を投げると、真ん中に転がる。…………そして、ストライクが出た!


真瀬莉緒

「やった!ありがとうございます。」


春井リカコ

「このくらいできて当然よ。ただ、褒めてあげても良いわ。」


真瀬莉緒

「…………ありがとうございます。」


名雲メイ

「ふぅ…………じゃあ、そろそろ帰りましょうか。門限も近いし。」


夏目ホノカ

「はい。門限は大切ですからね。」


真瀬莉緒

「はい。本日はありがとうございました。」


春井リカコ

「ふぅ…………。終わるのね。」


僕たちは六郭星学園に戻ることにした。



六郭星学園寮 莉緒・アイクの部屋



学園の寮に戻ると、僕は声優歌唱祭の楽曲を作成していた。なんとなく、この声優さんに合った、曲調になっている。しかし、何かが足りない。一体どうすれば…………。


そう考えていると、浦川さんが戻って来た。


真瀬莉緒

「あっ、浦川さん…………。」


浦川アイク

「…………?何をしている?…………ああ、作曲か。今度の声優歌唱祭の楽曲でも作っていたんだろう。」


真瀬莉緒

「どうしてそれを?」


浦川アイク

「ああ。真瀬の姉と一緒に課題として作成することになってな。もし良ければ聞かせてくれないか?真瀬の曲を。」


真瀬莉緒

「ああ…………そうですね。…………わかりました。」


僕は浦川さんに基本ベースを聞いてもらうことにした。


真瀬莉緒

「では、聞いてください。」


僕は演奏をする…………。



演奏を終えると、浦川さんは何かを考え込んでいた。


浦川アイク

「うん…………。なるほど…………。これは、あいつの力が必要かもな…………。」


真瀬莉緒

「あいつって…………?」


浦川アイク

「春井だ。この曲にはあいつの得意な楽器が入っているだろう?」


真瀬莉緒

「はい。…………偶然ではありますが。」


浦川アイク

「春井の実力は確かだ。真瀬も聞いただろう?」


真瀬莉緒

「はい。氷のような態度の春井さんではありますが…………なんだか演奏しているときは暖かい演奏をしているような気がするんです。」


浦川アイク

「ああ、そうだな。真瀬の言うとおりだが…………けど、あいつが協力してくれるとは思えない…………。」


真瀬莉緒

「確かにそれは…………。」


僕は少しうつむいてしまう。浦川さんはそれに気づいたのか、声をかける。


浦川アイク

「真瀬の姉は声優歌唱祭の曲を課題で演奏するみたいだ。俺もできる限り協力している。課題となれば春井も協力してくれるんじゃないか?」


真瀬莉緒

「なるほど…………名案ですね。一か八かで聞いてみますか。」


浦川アイク

「その調子だ。応援しているぞ。…………じゃあ、出かける。戸締りは頼んだぞ。」


浦川さんはどこかへ出かけた。


春井さんか…………協力してもらえるのか…………。


僕はとりあえずメルマの動画を見て、眠りにつくことにした。

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