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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 不知火カイル編

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第1章 ミントグリーンレター(不知火カイル編)後編

六郭星学園寮



真瀬志奈

「ここが私の部屋か…………。」


パンフレットによると、部屋は広くリビングとベッドルームが2部屋あり、両方防音になっているらしいのでベッドルームからもう一つのベッドルームからは何も聞こえない。この部屋に2人1組というのがこの寮のルールらしい。


部屋のパートナーはまだ来ていない。


真瀬志奈

「そろそろ来るかな?」


しばらくすると、ドアが開く音がする。


振り向くとそこには、見覚えのある女子生徒がいた。


真瀬志奈

「あなたは…………!」


冬原マイカ

「おやぁ。どうやら一緒の部屋みたいだねぇ。」


部屋のパートナーは冬原さんだった。この人と1年間か…………。


冬原マイカ

「よろしくねぇ。」


真瀬志奈

「はい。よろしくお願いします。」


冬原マイカ

「せっかくなら、距離を近づけるために一緒にどこかに行きたいけれど、その様子だと何かあるみたいねぇ。仕方ないわね、私だけで行くわ。頑張ってねぇ。」


真瀬志奈

「あっ…………はい。」


冬原さんはどこかへ行った。私は声優さんに合った曲かつ、不知火さんでも弾ける曲を考える。


真瀬志奈

「うーん…………。こんな感じかな…………?」


私は基盤のベースを作成した。これが声優さんに合っているかどうか…………。


真瀬志奈

「…………よし。」


私は眠りに就くことにした。



六郭星学園 Dクラス教室



真瀬志奈

「ふぅ…………眠い。」


私は教室のドアを開ける。


不知火カイル

「ふぅ…………ありがたい。」


教室には不知火さんがいた。大量の手紙を読みながら、ぶつぶつと言っている。


私に気づいた、不知火さんは笑みを浮かべて挨拶する。


不知火カイル

「おはよう。志奈。元気かい?」


真瀬志奈

「おはようございます。不知火さん。今日も元気に頑張ります!」


不知火カイル

「それはなによりだね。元気があるうちは頑張れるよ。」


真瀬志奈

「はい!…………あの、お手紙読んでいたんですか?」


不知火カイル

「ああ。これね…………ラブレター。女子生徒たちからたくさんもらうんだ。」


真瀬志奈

「そうなんですね。みなさんに好かれているんですね。」


不知火カイル

「うん…………そうなんだけど…………。」


真瀬志奈

「素敵なことじゃないですか。誰からも好かれることは羨ましいです。」


不知火カイル

「そうか…………。」


真瀬志奈

「……………………。」


不知火カイル

「ねえ。もし良かったら、少し付き合ってくれないかな?外出に。」


真瀬志奈

「外出にですか?良いですよ。」


不知火カイル

「ありがとう。そうと決まれば放課後に出かけよう。よろしくね。」


真瀬志奈

「はい。よろしくお願いします。」



街中



放課後になった。こうして、莉緒以外の男性と出かけるのは久しぶりな気がする。


真瀬志奈

「それで…………何かを買いに来たんですか?」


不知火カイル

「うん。返事のお返しをするために、レターを買いにね。」


真瀬志奈

「えっ、あの量のラブレターを全部お返ししているんですか?」


不知火カイル

「うん。そうだよ。せっかくくれたもの粗末に扱うのはいけないよ。…………でも、ごめん。こんなことに誘ってしまって。」


真瀬志奈

「大丈夫ですよ。私は不知火さんのことをもっと知りたかったんですから。」


不知火カイル

「僕のことを?」


真瀬志奈

「はい。せっかくの課題のパートナーですし、何よりこれから友達になるんですから。」


不知火カイル

「そうか…………友達か。ありがとう。」


真瀬志奈

「えへへ…………。」


不知火カイル

「レターを買ったら、友達として、ジュースをプレゼントするよ。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。」


私たちは不知火さんの返信用のレターを購入して、自動販売機に向かう。


不知火カイル

「じゃあ、どれにする?好きなのを選んで良いよ。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。では、サイダーをいただきます。」


私はサイダーを選んだ。不知火さんはコーラを選んだ。


不知火カイル

「じゃあ、あそこのベンチに座って飲もうか。」


真瀬志奈

「そうですね。では、サイダー…………いただきますね。」


不知火カイル

「うん。どうぞ。…………ふぅ。」


不知火さんはコーラをとても美味しそうに飲む。


真瀬志奈

「コーラ…………好きなんですか?」


私はこんな話を振ると、思いもよらない話になった。


不知火カイル

「ああ。コーラが好きと言うよりも、この色が好きなんだ。」


真瀬志奈

「黒ですか…………?」


不知火カイル

「そう。黒色。僕は黒色が好きで、基本は物とかも黒色で統一しているんだ。落ち着いた色でもあるからね。髪色も黒色が落ち着くんだ。」


真瀬志奈

「そうなんですね。不知火さんのこと初めて知りました。」


不知火カイル

「そうだね。これからも頼むね。」


真瀬志奈

「もちろんです。よろしくお願いします。」


不知火カイル

「さてと…………。そろそろ、行こうか。」


真瀬志奈

「はい。行きましょうか。」


私たちは用事が済み、返信用のレターを持って学園に戻った。


返信用のレターは薄い緑。黄緑とも緑とも言えない、薄い緑。素敵な色だ。


ラブレターを送った、女子生徒はきっと喜ぶだろう。


私は、帰り道もそう思いながら、六郭星学園に戻った。



六郭星学園寮 志奈・マイカの部屋



真瀬志奈

「ふぅ…………。……………………あっ。そうだ。」


私は帰って来た途端に、課題の作曲で何かが閃いた。不知火さんのことも声優さんのことも考えた。そして、基本のベースが出来上がった。


真瀬志奈

「できた。…………どうしようか。」


すると、そこに冬原さんが戻って来た。


真瀬志奈

「冬原さん。お疲れ様です。」


冬原マイカ

「お疲れ様。…………作曲かい?せっかくなら聞かせてもらおうかしらぁ。」


真瀬志奈

「ああ…………良いですよ。」


私は冬原さんに演奏を聞いてもらう…………。



冬原マイカ

「なるほどねぇ…………カイルらしいわね。」


冬原さんは褒めてくれた。


真瀬志奈

「ありがとうございます。」


冬原マイカ

「そうだねぇ。カイルらしい曲になるにはもっと、知らないといけないわねぇ。」


真瀬志奈

「もっと…………ですか?それは、一体?」


冬原マイカ

「いずれわかるさ。それまでは友達として、関わってくれないかい?」


真瀬志奈

「あっ…………はい。」


冬原マイカ

「それじゃあ、私は屋上で外の空気を吸って来るよ。おやすみ。」


真瀬志奈

「はい。気をつけてください。」


冬原さんは屋上へ行った。


真瀬志奈

「不知火さんのことか…………。」


そう考えて、私はベッドにもぐりこんだ。

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