第4章 桃色の髪飾り(木沢アカリ編)中編
六郭星学園 Jクラス教室
間宮舞来
「今日は期末テスト…………です。テストの準備は良いでしょうか?」
クラスメイトたちが「はい。」と答える。
間宮舞来
「それじゃあ……開始!!」
僕はその言葉で裏返したプリントをめくる……
テスト終了のチャイムが鳴る。
僕のプリントは空白欄は無く、出来る限りの答えを出した。そして全員が提出した……
テストの結果は大広間にて貼り出される。1位から最下位まで名前が載る。貼り出されるまでの間、ドキドキが止まらない。
そして……結果発表当日。
木沢アカリ
「いよいよだね!ワクワクとドキドキでいっぱいだわ!」
真瀬莉緒
「はい…………あっ。貼り出されましたよ!」
そして、テストの順位が貼り出される……
生徒の人数は700人前後……僕たちの結果は……。
真瀬莉緒
「僕は……49位!良いところかも……!」
700人中の49位。上位にいると言っても過言ではない。
木沢さんの結果は…………?
木沢アカリ
「23位!頑張ったわね!」
真瀬莉緒
「おめでとうございます!こちらまで嬉しいです!」
僕はとても嬉しくなった。一方、冬原さんたちは…………?
冬原マイカ
「29位。…………なかなかの順位だねぇ。」
夢野マナカ
「35位…………まあまあの成績ですね。」
2人とも満足のいく順位だったようだ。
安心して、寮の部屋に戻ろうとしたとき…………。
ギギ……ガガ…………。
真瀬莉緒
「えっ…………。」
ギギ……ガガ…………。
耳鳴り……?くっ……苦しい……!
ギギ……ガガ…………。
真瀬莉緒
「ぐっ……ああああ…………!」
木沢アカリ
「莉緒くん!?」
僕は意識が遠のいていく…………。
六郭星学園寮 莉緒・タスクの部屋
目が覚めると、寮の部屋だった。
真瀬莉緒
「あっ…………そうか。僕は…………。」
ベッドルームのドアが開く。内野さんが入って来た。
内野タスク
「大丈夫でしょうか?あれから日にちはそんなに経過してはいないですが、心配しましたよ。」
真瀬莉緒
「内野さん…………すみません。」
内野タスク
「謝るなら、木沢さんにしてください。木沢さん、とても心配してましたよ。」
真瀬莉緒
「木沢さん…………また申し訳ないことを…………。」
そう言うと、木沢さんが入って来た。
木沢アカリ
「大丈夫…………?心配したわよ。莉緒くんって、身体が弱い方?」
真瀬莉緒
「い、いえ…………そんなことは無いはずです。」
木沢アカリ
「まあ…………無事なら良かったけどね!莉緒くん無理しないでね。」
真瀬莉緒
「はい。…………気をつけます。」
内野タスク
「ちなみに、木沢さんは許可取ってここに来ているんですか?」
木沢アカリ
「一応ね。でもそろそろ戻らないと、まずいかもね!…………あっ。そうだ。今度、生徒会が主催のパーティーが行われるの。莉緒くんも参加しよ!」
真瀬莉緒
「パーティーですか?…………考えます。」
木沢アカリ
「そう?まあ、任せる!待っているからね!」
そう言って、木沢さんは部屋から出て行った。
真瀬莉緒
「パーティーか…………。」
パーティーはあまり好きではない。何か嫌な予感がするからだ。
内野タスク
「…………断るんですか?」
真瀬莉緒
「えっ…………?…………どうしましょうか。」
内野タスク
「何かがあるのはわかりますが、せっかくの木沢さんのお誘いですから、行って見てはいかがでしょうか?」
真瀬莉緒
「…………そうですね。自分のことをもっと理解する必要もありますからね。行きますか。」
内野タスク
「それは良かったです。木沢さんもきっと喜びますよ。」
真瀬莉緒
「そうですね…………行くからには楽しみます。内野さんも行くんですか?」
内野タスク
「そうですね。せっかくなので行こうと思っています。」
真瀬莉緒
「では、待っていますね。一緒に行きましょう!」
内野タスク
「はい!楽しみにしています。」
そして、その日を迎えることになった。
パーティー会場
パーティー会場に来た。居心地の悪さはあるが、木沢さんがいるんだ。せっかくの機会だから楽しもうと思っている。
成瀬実
「今日はパーティーです。生徒諸君は羽目を外さないように楽しむようにお願いいたします。」
成瀬先生の挨拶でパーティーが始まる。
みなさん、パーティーをとても楽しんでいる。そんなパーティーの居心地は相変わらず悪い。
姉さんも来ているみたいだけど、姉さんの様子は…………。
真瀬志奈
「……………………ふぅ。」
どうやら姉さんもあまり気乗りしないみたいだ。
一方で、内野さんは楽しんでいる。月川さんと話をしている。
月川さんは内野さんの話に聞き入っている。興味深いのだろう。
木沢さんは三蜂さんと何かを話している。すると、木沢さんは僕のところに来た。
木沢アカリ
「莉緒くん!もし良かったら、社交ダンスをしない?ウチでよければ、踊りましょう!」
真瀬莉緒
「社交ダンスですか?良いですよ。プログラムにも書いてありましたからね。あっ、そうだ…………。」
僕はここに来る途中にあるものを買った。それは…………
真瀬莉緒
「はい。…………桃色の髪飾りです。良ければつけて踊ってもらえますか?」
木沢アカリ
「ありがとう…………!とても嬉しい!ちょっとつけてみるね。」
木沢さんは桃色の髪飾りを着けた。とても似合っている。素敵だ。
真瀬莉緒
「似合っています。良かった…………。」
木沢アカリ
「この髪飾り、大切にするわね。莉緒くんとの想い出になるわ!」
真瀬莉緒
「ありがとうございます。…………では、踊りましょうか。」
僕がそう言ったタイミングで音楽が鳴る。木沢さんの手を取り僕たちは踊りだした。
姉さんも内野さんと社交ダンスを踊る。心なしか、少し安心している。
月川タクト
「……………………。」
三蜂レンカ
「随分と寂しそうね。」
月川タクト
「何かね…………やきもちを焼いているかもね。」
美園エリカ
「ふふふ…………私で良ければ踊ってあげても?」
月川タクト
「ありがとう!…………でも、その気持ちだけで十分だよ。」
美園エリカ
「あらそう?なら良いけど。」
そんな会話が聞こえる中で、僕たちは社交ダンスを楽しみ、パーティーは幕を閉じた。
数週間後。大事な日が始まった。




