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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 中神シンジ編

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第2章 アイアンブルーな日々(中神シンジ編)中編

六郭星学園 音楽室



数日後。私は中神さんに演奏を記録したデータを聞いてもらうことになった。


中神さん自身はあまり気乗りはしておらず、生徒会の仕事に戻ろうとすると伊剣さんに止められ、渋々とデータを中神さんは聞くことになった。


中神シンジ

「早く聞かせてくれ。そして、仕事に戻らせてくれ。」


貧乏ゆすりをしながらそう言う。


真瀬志奈

「は、はい。わかりました…………。」


私は急いで演奏のデータを聞いてもらう。


データを流すと、中神さんの眉がピクリと動いた。


中神さんの貧乏ゆすりもいつの間にか止まり、じっくりと聞いていた。


真瀬志奈

「ど、どうでしょうか?」


中神シンジ

「…………真瀬。楽器を貸せ。」


真瀬志奈

「あ…………はい。」


私は中神さんに楽器を渡すと、さっき聞いていたデータを演奏する。


真瀬志奈

「す…………すごい!すごいです!!」


中神さんは楽器を置き、私に言う。


中神シンジ

「さすがだ…………。真瀬志奈。ただ、このくらいの演奏なら俺でもできる。もっと…………精進しろ。」


真瀬志奈

「でしたら…………ご協力…………お願いできますでしょうか。」


中神シンジ

「ああ…………この演奏を聞かせてもらった。放っておくわけにはいかない。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。では、早速ですが改善点を聞かせてください。」


中神シンジ

「ああ。そこだな…………まず…………。」


私は中神さんから改善点を色々と聞く。中神さんの改善点は確かにと思うくらい適格だ。そこを直し、改めて演奏をする。さっきの音楽のデータよりもかなり良くなった。中神さん、恐るべしだ。


真瀬志奈

「ふぅ…………ひとまずは…………ですね。」


中神シンジ

「ああ。…………しまった。つい熱中してしまった…………。仕事に戻る。」


真瀬志奈

「…………はい。」


中神さんは相変わらずだった。すると、そこに伊剣さんがやって来た。


伊剣タイガ

「ここにいたのか。…………すまないが、2人ともSクラスの教室に来てくれないか。」


中神シンジ

「そんな暇はない。仕事に戻らないといけない。」


伊剣タイガ

「その仕事だ…………。獣だ。」


中神シンジ

「……………………。」


伊剣タイガ

「志奈。君もだ。Sクラス教室に行くぞ。」


真瀬志奈

「…………はい。」


私たちは急いで、Sクラス教室に向かう。



六郭星学園 Sクラス教室



教室に入ると、柚木さんや笹野さんなどの委員会の人たちもおり、何故か関係のない、莉緒もいた。


真瀬志奈

「あの…………何故、莉緒がここに?」


伊剣タイガ

「姉だけ知るのも少し違うかもしれない。という訳で弟も呼んだ。」


真瀬志奈

「そうですか…………。」


伊剣さんはそう言うと、教壇の前に立つ。


伊剣タイガ

「聞いてほしい。」


その一言で、委員長たちは静かになる。さすが、生徒会長だ。


伊剣タイガ

「この数日で、獣の目撃情報が多数寄せられている。各委員会の委員長、そして生徒会はこの学園に何かあった際には連絡を教員にするように。」


真瀬志奈

「獣…………?」


私は何が何だか分からなくなった…………獣…………?


崎盾ジュン

「そうか…………志奈さんは知らないんだっけ…………。」


崎盾さんは小声でそう言った。


伊剣タイガ

「報告は以上。各自、委員会の仕事に就くように。」


伊剣さんはそう言うと教室から離れた。すると、中神さんも追いかけるように教室から出ていき、伊剣さんと何か揉めている。


笹野ユリ

「またね…………。あの2人。」


三蜂レンカ

「喧嘩してばっかり。全く…………特に中神くんよね。」


笹野ユリ

「そうね。シンジ…………特に獣を毛嫌いしているから…………。」


三蜂レンカ

「どうしてあんなにも嫌うのかしら…………?」


2人は中神さんの話をしている。


真瀬莉緒

「姉さん。」


真瀬志奈

「あ、莉緒…………。」


真瀬莉緒

「…………その様子だと、姉さんも知らなかったみたいだね。」


真瀬志奈

「うん…………。全く聞かせれてなかったわ。」


真瀬莉緒

「この学園、何かあるね…………。」


真瀬志奈

「……………………。」


私は黙り込んでしまう…………すると、崎盾さんが近くに来た。


崎盾ジュン

「志奈さん…………。」


真瀬志奈

「崎盾さん…………。生徒会は一体…………?」


崎盾ジュン

「ごめんね。…………黙っていて。嫌になったら辞めても良いからね。」


真瀬志奈

「えっ…………嫌って、そんな…………。」


崎盾ジュン

「…………怖くはないのかい?」


真瀬志奈

「はい。大丈夫です。教えてください。私も力になれたらと思います。」


崎盾ジュン

「わかった。じゃあ、タイガたちのところへ向かおう。彼らも志奈さんに教えないとって、思っているよ。」


真瀬志奈

「はい。そうしましょう。」


真瀬莉緒

「じゃあ、姉さん。頑張ってね。応援しているから。」


真瀬志奈

「ありがとう。莉緒。」


私たちは伊剣さんたちのところへ向かい、生徒会の実情を聞くことにした。



六郭星学園 音楽室



翌日の放課後、私たちは音楽室で再び、作曲の作成に取り掛かっていた。


伊剣さんからは一応の説明を受けたが、私たちは楽曲の方を優先してほしいとのことだった。


中神さんは嫌々ながらも、作曲に付き合ってくれている。


中神シンジ

「全く…………どうしてこんなことになったんだ。」


真瀬志奈

「仕方ないですよ…………。生徒会なら役割分担も必要ですよ。どうしてそこまで獣に執着するんですか?」


中神シンジ

「ふん…………関係のない話だ。」


真瀬志奈

「失礼ですね…………。」


中神シンジ

「……………………。」


真瀬志奈

「少し、離れます。しばらく音楽室にいてください。」


中神シンジ

「ああ。」


私は中庭で心を整える。

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