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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 綿垣キョウゴ編

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第2章 鳥の子色シュークリーム(綿垣キョウゴ編)中編

六郭星学園 音楽室



運動会から数日が経過し、私は楽器を弾いていた。…………ある人物とともに…………。


綿垣キョウゴ

「前に聴いた音楽よりもだいぶ進化しているな。」


真瀬志奈

「あ…………ありがとうございます。」


そう。綿垣さんと演奏をすることになった。課題も声優さんに許可を得て、この曲を演奏することになった。


綿垣キョウゴ

「良いのか?俺に頼んで…………?また怪我をする可能性もあるんだぞ。」


私はその言葉を聞いて、不安を抱くものの、課題は成功させるためには必要不可欠だ。拒否をすることはできない。


真瀬志奈

「不安は正直あります。けど…………課題ですから…………。」


綿垣キョウゴ

「そうか…………。まぁ…………頑張るか。」


真瀬志奈

「はい。頑張りましょう。」


私は積極的な会話をなるべく避けて、作曲の練習を繰り返していた。


綿垣さんのわからないところは、ある程度は答える。


そんなことをしているうちにあっという間に時間が過ぎ…………日が暮れる。


綿垣キョウゴ

「もうこんな時間か…………今日は切り上げようか。」


真瀬志奈

「…………はい。」


不穏な空気に解放される。そんな気分だった。私は片付けが終わるとそそくさと寮の部屋に戻る。



六郭星学園寮 志奈・アケミの部屋



真瀬志奈

「ふぅ…………」


私は部屋に戻ると、部屋の共同のソファーに座り込んだ。


真瀬志奈

「疲れた…………。」


綿垣さんとのやりとりは少し不安を抱く。やっぱりあのときの暴行の件に疑いを持っているのだろうか…………


そうこう考えていると錦戸さんが帰ってきた。


真瀬志奈

「あ…………おかえりなさい…………」


錦戸アケミ

「うぅ…………。」


真瀬志奈

「錦戸さん!?」


私は倒れそうになる錦戸さんを支える。一体何でこんなことに…………?


真瀬志奈

「ひとまず保健室に行きましょう!」


私は先生を呼んで、保健室に向かう。



六郭星学園 保健室



真瀬志奈

「先生…………。錦戸さんは大丈夫でしょうか?」


私は笛花奏(ふえばな かなで)先生に錦戸さんを診てもらった。


笛花奏

「うん…………大丈夫そうね。手当もしたし、今はここでゆっくり休んで部屋に戻りなさい。」


真瀬志奈

「わかりました…………。ありがとうございます。」


笛花奏

「そういえば…………あなたたち課題を演奏にしているのよね。私も音楽の先生だから何かあった時には頼っても良いのよ。」


真瀬志奈

「笛花先生…………!ありがとうございます!何かあったときはよろしくお願いします!」


笛花奏

「ふふ…………期待しているわよ。…………しばらく、この子を見ているからあなたは部屋に戻りなさい。」


真瀬志奈

「すみません。…………では、失礼します。」


私が保健室から離れようとすると錦戸さんが声をかけた。


錦戸アケミ

「志奈…………。」


真瀬志奈

「……………………?」


錦戸アケミ

「その…………気を付けて。」


真瀬志奈

「…………ええ。」


私は保健室のドアを開けた。



保健室の外には、莉緒がいた。


真瀬莉緒

「姉さん。アケミの様子は…………?」


真瀬志奈

「なんとか無事よ。…………でも、今は休んだ方が良いって。」


真瀬莉緒

「そうか…………。良かった…………。」


真瀬志奈

「ところで、なんでここに…………?」


真瀬莉緒

「ああ…………キョウゴとアケミが2人で言い合っているところを見てね…………。そのあとしばらくしたら、姉さんが笛花先生を呼んでいるのを見てもしかしたらと思ってね…………。保健室に入ったから、ここで様子を見たわけ。」


真瀬志奈

「そうだったんだ…………。心配させてごめんね。」


真瀬莉緒

「良いんだ。それよりもアケミだよ。またこうなっちゃったんだね…………。」


真瀬志奈

「そうね…………。」


真瀬莉緒

「……………………。」


私たちは黙り込んでしまい、そのまま部屋に戻ることにした。



六郭星学園寮 志奈・アケミの部屋



真瀬志奈

「ふぅ…………。」


私は部屋に戻るとため息をついた。どことなく疲れた気がする。


真瀬志奈

「綿垣さん…………信じて良いんですよね…………。」


私はそう呟いていた。綿垣キョウゴ…………悪い噂があるとは言っていたけれど…………。


真瀬志奈

「………………寝よう。」


私は気持ちを切り替えるために寝ることにした。



六郭星学園 Bクラス教室



まぶたが重い…………少し眠り過ぎたようだ…………。


まぶたを擦りながら、教室に入ると雪谷さんたちがいた。


真瀬志奈

「あっ…………おはようございます。」


雪谷マコト

「ああ、おはようございます。」


土原ガク

「おっはよー!!」


土原さんは相変わらず元気だ。そう感じていると、雪谷さんから、ある話が出てきた。


雪谷マコト

「何か、イベントが行われるみたいです。僕も何も聞かされていないので、何が起こるのかわかりませんが…………。」


雪谷さんはそう言いながら不安を抱いている。イベント…………?


土原ガク

「一体なんだろうね!」


土原さんは興味津々だ。次第に、クラスメイトたちも集まり、綿垣さんも席に着いた。


チャイムが鳴るとともに凪野先生が入ってきた。


凪野雪緒

「みんな、おはよう!今日はイベント行事について話がある!」


凪野先生はそう言うと、クラスメイトがざわつく。


凪野雪緒

「今から、シュークリーム作りをやることになった!みんなで共同作業をして、頑張ろう!」


すると、凪野先生はダンボールから人数分の割烹着を出した。


凪野雪緒

「今からこれを着てシュークリームを作るぞ!今日は授業はなしだ!シュークリーム作りを楽しもう!」


そう言うとクラスメイトたちは嬉しそうに割烹着を着だした。


雪谷マコト

「シュークリーム作りか…………何か楽しそうですね!」


土原ガク

「いやっほー!授業がないのは良いねー!!」


綿垣キョウゴ

「シュークリームか…………。」


2人は楽しそうな様子だけど、綿垣さんの様子は暗いままだ。


真瀬志奈

「綿垣さん。楽しみましょう。今日はイベント行事ですから。」


綿垣キョウゴ

「そうか…………そうだな。」


綿垣さんも割烹着を着る。


私も割烹着に着替えて廊下に出ると、他クラスの生徒も割烹着を着ていた。どうやら全体での学校行事だ。


凪野雪緒

「よーし、みんな着替えたな!大講堂で説明をするから、みんな移動をしてくれ!!」


凪野先生は大きな声で生徒を誘導させる。シュークリーム作りが段々と楽しみになってきた。

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