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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第2部 浅越ハルト編

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第3章 セピア色の手紙(浅越ハルト編)中編

六郭星学園 保健室



真瀬志奈

「うーん…………。」


目を覚ますとそこは保健室だった。私はいつの間にか運ばれたのか、保健室のベッドの上に横たわっていた。


木沢アカリ

「あ!目を覚ましたんだね!良かった良かった!!」


真瀬志奈

「あ、木沢さん…………。」


保健室のソファーには木沢さんが座っていた。


木沢アカリ

「その様子だともう大丈夫ね!」


真瀬志奈

「あの……どうしてここに?」


木沢アカリ

「さっき男子たちが来てね。男子が女子を見るのはどうかと男子たちが思って、たまたまウチがここを通った時にお願いされたわけ!ウチも暇だったし、断る理由もないからさ!」


真瀬志奈

「そうだったんですか……ありがとうございます。」


木沢アカリ

「どういたしまして!…………で、歩ける?」


真瀬志奈

「大丈夫です。お世話になりました。」


木沢アカリ

「それなら良かった!元気でね!」


真瀬志奈

「あ、はい。…………木沢さんはいつも元気ですね。」


木沢アカリ

「あ、うん…………。そうだね!」


あれ…………?少し戸惑っている?…………悪いことを聞いたかな?


木沢アカリ

「それじゃあね!元気でね!」


真瀬志奈

「ありがとうございます。」


廊下に出ると、雪谷さんがいた。


雪谷マコト

「あ、お疲れ様です!大丈夫でしたか?」


真瀬志奈

「あ、雪谷さん……大丈夫ですよ。」


雪谷マコト

「良かったです。いやあ、木沢さんから保健室の見張りを頼まれましてね…………。」


真瀬志奈

「真面目ですね…………。断っても良かったんですよ。」


雪谷マコト

「真面目ですか…………真面目にやらないといけないんですよ。」


真瀬志奈

「…………?」


雪谷マコト

「何でもありません。ではお気をつけて……。」


真瀬志奈

「あ、はい…………失礼します…………。」


私はそう言い、保健室を後にした。



六郭星学園 中庭



教室に戻る前に私は中庭へ外の空気を吸いに来た。


真瀬志奈

「ふぅ…………風が気持ち良い…………。」


さあ戻るかと思ったそのとき、辺りが眩く光る。


真瀬志奈

「な、何!?」


光が弱まると、1人の男性が現れた。


真瀬志奈

「あ、あなたは…………?」


??

「真瀬志奈さんだね。僕は虹谷サイ(にじや さい)。よろしくね。」


真瀬志奈

「どうして私の名前を…………?」


虹谷サイ

「詳しくは言えないけれど、僕はある人物を追いかけてここに来たんだ。」


真瀬志奈

「ある人物…………?それは一体?」


虹谷サイ

「その人は浅越ハルト。彼には容疑がかかっているんだ。」


真瀬志奈

「浅越さん!?一体なぜですか!」


虹谷サイ

「それは…………言えない。君が後悔するだけだ。というわけで彼を連れていくよ。」


真瀬志奈

「やめてください!」


私は浅越さんのところへ行こうとする虹谷と言う人の腕を掴んだ。


虹谷サイ

「なぜ止めるんだい?」


真瀬志奈

「私は何をやったかは知りませんが、浅越さんは何もやっていません。それに今の浅越さんの状態で連れていくのは私が許しません!」


虹谷サイ

「……………………。そこまで言うのなら身を引こう。後悔はしないことだね!」


そう言うと再び眩い光が辺りを包み、虹谷という人はいなくなっていた。


真瀬志奈

「何だったんだろう…………?」


私は不思議に思いながらも自分の教室に戻ることにした。



六郭星学園 Cクラス教室



教室に戻ると、風亥さんと小鳥遊さんが待っていた。


風亥ノクア

「ああ、真瀬さん。大丈夫だったんだね。」


真瀬志奈

「はい。ご心配をおかけしました。」


小鳥遊カルマ

「構わないが…………無理はするなよ。」


真瀬志奈

「はい。」


小鳥遊カルマ

「しかし、浅越のやつ、どうすれば…………。」


風亥ノクア

「……………………。」


真瀬志奈

「……………………。」


私たちはすごく悩んだが結局、何も思い浮かばずその日は解散となった。



六郭星学園寮 志奈・シオンの部屋



櫻井シオン

「おかえり。」


真瀬志奈

「ただいま。」


寮に戻ると、シオンがいた。


櫻井シオン

「志奈。お願いがあるの。」


私が部屋に入るとシオンはそう言った。


真瀬志奈

「お願い…………?」


櫻井シオン

「お願いと言うか…………ちょっと勝負しない?」


真瀬志奈

「勝負?…………それってまさか?」


櫻井シオン

「ええ、リズム暗記勝負。私たちのいた、学校の伝統の勝負よ。」


真瀬志奈

「……………………。」


櫻井シオン

「私に勇気をつけて欲しいの。私にはまだ秘密がある…………その秘密を言うためには、勇気が必要なの。お願い。」


真瀬志奈

「それで勇気が出るかはわからないけれど…………シオンがそこまで言うのなら。良いわ。勝負しましょう!」


櫻井シオン

「ありがとう!それじゃあ、音楽室に行きましょう!」



六郭星学園 音楽室



真瀬志奈

「準備できたわね。」


櫻井シオン

「ええ、勝負よ!」


シオンとの勝負…………負けられない!



勝負の結果、勝ったのは私だった。


真瀬志奈

「私の勝ちね。」


櫻井シオン

「ええ…………。でも…………おかげで勇気が持てたわ。」


真瀬志奈

「そう。良かった。でも勇気を出す必要って?」


櫻井シオン

「それは…………ハルトに対して、ある行動をするための勇気なの。」


真瀬志奈

「浅越さんに?それって一体?」


櫻井シオン

「それは、言えないけれどことが来たら話すわ。」


真瀬志奈

「わかったわ。シオン。頼むわよ。」


櫻井シオン

「ええ!」


そう言って、私たちは音楽室をあとにした。


…………翌日。



六郭星学園 Cクラス教室



教室に入ると、浅越さんがいた。



真瀬志奈

「浅越さん。おはようございます。」


浅越ハルト

「おはよう。」


真瀬志奈

「……………………。」


浅越ハルト

「どうした?何かあったのか?」


真瀬志奈

「い、いえ。ただ…………。……………………。」


私は黙り込んでしまった。それを見かねたのか、浅越さんはこんなことを話した。


浅越ハルト

「放課後。2人でどこかにいかないか?」


真瀬志奈

「放課後ですか?」


浅越ハルト

「ああ…………話したいことが色々あるんだろ?」


真瀬志奈

「…………わかりました。行きましょう。」


私たちは放課後に会う約束をした。

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