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転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~  作者: 喰寝丸太
Ver.2 魔法都市編 第11章 貴族のドラゴン

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第63話 凱旋

「ミニア行くぞ」


 俺は魔法で文字を出した。


「準備万端」


 俺とミニアは祝砲代わりに魔法が空に撃たれる中を飛んだ。

 そして、手はず通りに噴水広場にふわりと着陸した。


「あれが戦争で大活躍したドラゴンなのか。もの凄くでかいな」


 何をしているかといえば俺とミニアは王都の大通りを戦勝パレードしていた。

 煌びやかに着飾った兵士が行進しながら、沿道の住民に手を振る。

 俺も手を振った。

 群集からどよめきが起こる。


「もの凄い錬度だ。ナンバー・ワン・テイマーじゃないだろうか」

「ちげえねえ。国で一番のテイマーだ」


 群集の人間がそう言った。

 サービスしてやるか。

 俺は空に顔を向けブレスを一発。

 またもやどよめきが起こる。


「こりゃあ。あのちっこいのは爵位授かるかもな」

「そりゃそうだ。なんたって救国の英雄様だからな」

「ベヒーモス百体をやっつけたらしいぜ」


 群集があることないこと噂している。


「盛況だな」


 ザンダリルが鞍に飛び乗って来て言った。

 こいつ、筋力強化の魔法を会得してやがる。

 Sランクは伊達じゃないって事か。

 今度、何か珍しい魔法でも教えてくれないかな。


「お祭り。大好き」

「そうか、後始末が大変だぞ」

「どういう事」

「後でな」


 そう言うとザンダリルは飛び降りて颯爽と駆け出して行った。

 通りに紙吹雪や花が撒かれる。


「きゃー、ザンダリル様ぁ」

「見て私の方みて笑ったわ」


 Sランクってのはもてるんだな。

 黄色い声が鳴り止まない。


 そんなこんなでパレードは続いて、俺達は城の前に到着した。

 そこで咆哮を一発。

 俺は街の外へ飛び去った。

 今日の仕事は終わったな


 街道脇でべたっと地面に伏せて垂れた餅みたいになってミニアとくつろぐ。

 門からザンダリル、リタリー、グバート、ピッパがやってくるのが見えた。


 グバートの肩には小さい樽が一つ載っている。

 ザンダリルは葉っぱに包まれた何かを持っていた。

 リタリーは横を歩くピッパに何か食わせている。

 ピッパの野郎、完全に餌付けされたな。


 近づくと葉っぱに包まれた物が分かる。

 料理だ。

 実に上手そうな匂いがする。

 いかん涎が垂れてきた。


 街道脇の敷物を広げて上に乗っていたミニアは三人を招いた。

 四人の気分はピクニックってところか。

 花があればなぁ。

 それなら花見だったんだが。

 桜みたいな樹がどこかにないかな。

 そしたら家の周りに植えて愛でるのにと他愛のない事を考えた。


 料理が敷物の上に広げられてグバートが持って来た酒樽が開けられた。


「戦勝パレード、お疲れ。乾杯」


 ザンダリルが乾杯の音頭をとった。


「お疲れ様」

「お疲れ」

「私は元気」

「がぉ」

「ガァー」


 俺とピッパは料理を分けてもらって聞き役に徹した。

 四人は思い思いの料理を食べて酒を飲んだ。

 ミニアはジュースだったので、少し残念そうだった。


「ミニアちゃん、Bランクに昇格したんだって」


 リタリーがそうミニアに言った。


「うん」

「くそう、先を越されたか」


 酔っ払ったのか顔を赤くしてグバートが悔しそうに言った。


「こうなると、ますます良い様に使われるな」


 とザンダリル。


「適当に。手を抜く」

「現状はこう着状態だ。結局のところ死んだのはリトワースの残党と盗賊などの懲罰部隊だから」

「攻めて来る?」

「どうだろうね。野心がまだあるものの惨敗したので、二の足を踏んでいるらしいよ」


「国もケチよね。報奨金なんて雀の涙だわ」


 とリタリー。


「あれだろ、トナーク野郎は負けたのに賠償金を渋ってるって。全てそのせいなんじゃねぇか」


 とグバート。


「ベヒーモス十体の素材があるんだからもっと大盤振る舞いしたって良いんじゃない」


 憤懣やるかたなしといった風情でリタリーが言った。


「しょうがないよ。戦費の穴埋めだってしないといけないのだから」


 そうザンダリルがなだめた。

 なるほど、国は今お金がないのか。

 ミニアの褒美はどうなるかな。

 金の掛からない褒美というと勲章かな。

 この国の制度がどうなっているか知らないが、勲章だと金がついてまわりそうだ。

 案外何の実益のない爵位だったりしてな。

 俺としては魔法の知識がいいな。

 城の図書館にいれてくれないかな。

 でも、たぶん駄目だろう。


 その時、馬に乗ったヒラヒラした衣装を纏った男がこちらに向かって来るのが見えた。

 男はミニア達の前で馬から降り口上を述べ始めた。


「内示が出た。褒賞は爵位だ。ただし、ドラゴンにだがな」


 どういう事。

 俺に爵位をくれるのか。

 猫の駅長とか動物の名誉市民とか聞いた事があるけどそれと一緒か。

 せこい。

 ミニアに爵位をあげるのを嫌がった人がいるって事なのだろうな。

 断われないよな。

 ミニアに伝言魔法で承諾しろと伝えた。


「分かった」


 それを聞くと男は何も言わずに去って行った。


「酷い。ミニアちゃん、これはごねるべきよ」

「いや駄目だね。ごねるのは悪手だ」

「役人なんてぶっとばしたら良い」

「決めたから。やってこれたのは。ウィザのおかげ」


「ミニアちゃんが納得しているのなら仕方ないわね」

「かぁー、ドラゴンに様つけないといけないのか。やってらんねー。様つけなくても不敬罪とかいわないよな」

「ガゥ」

「大丈夫」


 ドラゴンを無料でこき使おうとする国の思惑が見え見えだ。

 言う事を聞かなかったら、俺をミニアから取り上げるつもりなんだろうな。

 大人しくしている俺じゃないけどな。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 国への愚痴とかがリアルに書かれてて良かったです。 [気になる点] 特にありません。 [一言] 無理しないで頑張ってください。 続き期待しています。
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