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転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~  作者: 喰寝丸太
第10章 一騎当千のドラゴン

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第59話 魔獣の兵隊

 俺は陣地の後方で腕組みしながら戦況を見据えた。

 敵兵の姿がかき消すようにない。


 そして、ゴブリンの大軍が隊列を成してやってきた。

 ストーンウォールで押しつぶすのは駄目だな。

 ゴブリンは人間並みの動きをしている。

 きっとテイマーがいて操っているに違いない。

 ウォールは回りこまれたらお終いだからな。


 現状はこちら側からの魔法と矢でゴブリンは一方的に葬り去られている。

 だが、魔力切れが近い。

 一人三発しか魔法を撃てない。

 多い人でも十発だ。

 数に頼られるとジリ貧だ。

 きっとこの後騎兵がこちら側を蹂躙しにやってくるのだろう。


「ミニア君。出番だ。ドラゴンを動かしたまえ」


 戦況を俺の側で見ていた指揮官がミニアに言った。


「ウィザ。お願い」


 ゴブリンの大軍が初陣だと締まらないが仕方ないだろう。

 ピッパに後ろで見ていろと言ってから、俺は軽く飛翔して塹壕の前方に着陸。

 ゴブリンを踏み潰しながら足元にブレスを吐く。

 俺の活躍もあってゴブリンは瞬く間に数を減らした。


 むっ、新手がきた。

 今度はフォレストウルフの大軍だ。

 猪口才な事にブレスを避けるためにバラバラで攻めてくる。

 俺はピッパを呼んだ。

 ドラゴンの手でも借りたい。



 俺とピッパはブレスで攻撃し始めるが如何せん数が多いのとまとまっていないのがうっとうしい事この上ない。


 仕方ない魔法で対処するか。

 十もの誘導弾の魔法を一斉に放つ。

 魔法のイメージはこうだ。


void magic_move_multi(MAGIC **mp,char **orbit,int orbit_size,int multi_size)

{

 int i,j; /*カウンター*/

 for(i=0;i<orbit_size;i++){ /*軌道データの数だけループ*/

  for(j=0;j<multi_size;j++){ /*対象の数だけループ*/

   vector_add(mp[j],*(&orbit[j][i])); /*一個分の速度を設定*/

  }

  time_wait(1);

 }

}


void main(int argc,char *argv[])

{

 MAGIC *mp[10]; /*魔法十個の定義*/

 orbit[10][10]; /*軌道データ*/

 int i,j; /*カウンター*/

 if(argc!=11){ /*対象が十個ないときはエラー 魔法自身も対象に含まれるため十一になる*/

  exit(EXIT_FAILURE); /*強制終了*/

 }

 for(i=0;i<10;i++){

  m[i]=fire_ball_make(5); /*魔力五で火の玉を生成*/

 }

 for(i=0;i<1000;i++){

  for(j=0;j<10;j++){

   magic_direct(mp[j],orbit[j],10,argv[j+1]); /*目標に向かい軌道データ生成*/

  }

  magic_move_multi(mp,orbit,10,10); /*十個の火の玉を10センチ動かす*/

 }

}


 放たれた魔法はフォレストウルフに当たり徐々にその数を減らす。

 まだるっこしいが、散開している敵を一網打尽って訳にはいかない。

 敵のテイマーを始末しない事には話が終わらない気がする。

 魔法を討ちながらテイマーを探すがどこにも居ない。

 そうか、幻影盗賊団は認識阻害を使っていたんだっけな。


 俺はこの場に見える生き物の情報を取得した。

 がぁ、フォレストウルフ一頭一頭に魔法名がありやがる。


 だがドラゴンの頭は情報の中に魔法名『リナキチスシ』を見つけた。

 こいつはピッパを隷属させた奴だ。

 俺はこいつの認識阻害を解除した。


 居た。

 弓を持った上半身だけボディビルダーの奴だ。

 認識阻害が解かれたと俺の視線で察知した男は例の薬を投げつけてきた。

 心が沸き立つようで不協和音があるようなむかつく臭いが辺りに満ちる。

 ふふふっ。

 前の俺じゃないのだよ。

 もらった魔法にこんなのがあった。


char smell[100]; /*臭い百立方センチ*/

void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 mp=magic_make(smell,sizeof(smell),IMAGEUNDEFINED); /*臭いを魔法として登録*/

 magic_delete(mp); /*臭いを消去*/

}


 十分間必死に耐える。

 でないと男の魔力が薬から抜けないからな。

 ピッパはどうなったかみると混乱している。

 そりゃ赤ん坊だし、チョメチョメできないからな。

 男は固まった俺を見て薬が効いたと勘違いした男は隷属魔法の詠唱を始めた。


「前のマスターを振り落としなさい」


 男は動かない俺に命令してきた。

 俺はミニアに大丈夫だから、何もするなと伝言魔法した。


「言葉が分からないのですか。こうだよ。こうするんだ」


 男は身体を盛んに振ってジェスチャーする。

 俺は当然動かない。


「察しの悪いドラゴンですね。赤ん坊のドラゴンはもっとましだったんですが。何でも良い。とにかく動けよ。動けったら、動け」


 俺は微動だにしない。

 男は動かない俺に次々に命令しては身振り手振りで意味を伝える。

 時間切れだよ。ジ・エンドだ。


 魔法を実行する。

 あたり一面の臭いがなくなった

 どんなもんだ。


 フォレストウルフに撃っていた誘導弾十発をこいつに向かって撃つ。


「テイマーは凄腕魔法使いだったのですか。油断しました」


 流石に誘導弾はかわせなかったらしく火の玉を次々に浴びてダメージを受ける。

 瀕死の状態なのに弓を引き絞りミニアに向かって撃った。

 矢は力が及ばず俺のウロコに当たり力なく落ちる。

 そして、男が崩れ落ちる。


「姫様。すみません。約束は果たせなかったよう……」


 そう言ったのが聞き取れた。

 男は事切れたようだ。


 俺が一声吠えるとフォレストウルフは散っていった。

 これで打ち止めか。

 何か定期連絡でもしてたのだろう男が死んだのを合図にベヒーモス十体が戦場に姿を現した。

 やっぱり、そうは問屋が卸さないか。


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