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幸せに暮らしましたとさ  作者: シーグリーン


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慣れない事はするものじゃない

 





「チカチカさん、お腹空いた……」



 ミナリーム降臨がなんとか終わり、島の家に戻ってきた。



 ミナリーム王都で観光がてら食事をして帰りたかったのだが、混乱していると言われたのそのまま帰って来たのだ。

 みんな自分のせい。



「焼き肉食べたいです……」



 ベッドの上でボスの尻尾にくるまり、隙間にこじんまりを埋め込みながら保護者に甘えてみる。

 大きい組は首と手を埋め込んでくれた。愛おしい。



「今日もよくやったなあ……」



 帰ってきた途端疲れが一気に噴き出してきた。

 なんせ自分で黒歴史を追加してきたもんな。まあ争いを止めるためだ、しょうがない。



「キャン!」


「そうだね。助かった、ありがと」



 途中からうとうとしてたってマッチャから報告が入ってるけどね。

 あと雷に併せて勝手にちょっと唸ってたって報告も入ってるからね。



「クダヤ側に報告するのは後にするか……」



 ご飯を食べて満腹のままうとうとして寝たい。



「3人分が拠点の近くをうろついてる」


「……え?」


「朝から何度も来てる」


「まじか」



 もうすぐ夜なんですけど……。



「あー……やる事はさっさと終わらせてからごろごろするかあ……お腹空いたから出前も復活してもらおうかな……」



 申し訳ないお願いもあるし。



 のそのそと起き上がり、軽くお風呂に入りワンピースに着替える。

 今日は変な汗いっぱいかいたしね。

 ほんとは虫取り少年ファッションが楽なんだけどな。

 薄着は水の一族がいるから平気なんだろうけど、御使い的にはアウトな気がするからなあ。



「ひとまずサンリエルさんがお菓子持ってたら恵んでもらって……白フワはタツフグとお留守番しててもらおう」



 準備を終え、もふもふを引き連れて光ゲートをくぐるとあっという間に拠点に到着。



「そういやこの柵はどうしようか。まあ誰か家に遊びに来ることもあるだろうしこのままでいっか」



 撤去するのがもったいないくらいの出来栄えだし。



 マッチャに明かりをお願いしてそのまま玄関の扉を開けて外に出る。



「サンリエルさーん、いますか~?」



 少し大きめの声で呼ぶと、ボスから「来る」と教えてもらった。

 すごいよね、この召集の仕方。呼べば来るって。



 そして今日も元気いっぱいのサンリエルさんが姿を現した。



「お待たせ致しました」



 全然待ってない。

 これは待ち合わせの相手に気を遣うパターンじゃなくてマジのやつ。すぐ来たし。



「あのー……ちょっと申し訳ないお願いがありまして……とりあえずお入りください」


「はい。靴は脱いだ方がよろしいでしょうか」


「まだ床掃除をしていないので靴のままでいいですよ」


「よろしければ私が隅々まで磨き上げますが」



 ……ハウスキーパーの肩書も手に入れるつもりなのか。



 ひとまず自分の清掃能力をアピールしてくるサンリエルさんを椅子に案内する。



「今サンリエルさんって食べられる物持ってます? お腹が空いてしまって……」



 地球でこんな事してたらパワハラだな。


 私に逆らえない部下の仕事に中途半端に手を出す。その報告の前に食事を要求し、あげく起こした問題の責任は部下に丸投げする。


 ……うん、ろくでもない。



 しかしサンリエルさんはさっと懐からお菓子を取り出しこちらに渡してくれた。しかも耳がぴくぴく動いている。

 この人にとってはパワハラなんてものは存在しないんだなと実感した。



 お礼を言ってマッチャが受け取りついでに味見をしたお菓子をむしゃむしゃ食べる。あー美味しい。



「お食事をご用意致しますが」


「あ、それならついでにカセルさんとアルバートさん呼んできてもらえますか? あとお肉食べたいです、お肉」


「…………」


「……えーと、この後拝謁したふりをしてもらいたいのでお2人がいた方が良いかなと……」


「……はい」



 なんか……こっちが悪い事したみたいな空気出すのやめて欲しい。







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