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深層を目指す傀儡廻しのダンジョン探索日記  作者: 百舌巌


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第037話 俺たちの森

 ハジメは石斧を担いで草原を歩いている。見渡す限り草原で遠くに山が見えている。

 第三階層は太陽こそは出ていないが、適度な温度が保たれているようだ。


「春先っぽいけど季節が変わったりとかするのかな?」


 時間がズレているくらいだから季節もズレている可能性もあるなと考えた。

 外世界では夏に差し掛かっており、天気予報は気温の上昇を連日伝えていた。

 学校では期末テストが迫っている。少しは勉強しないといけないのだが、ハジメはダンジョンに来ていた。


「ああ、期末テストが終わると夏休みだな……」


 夏休みなど長期休みなると、ハジメの家では昼飯を食べる時には、テレビが点けられているのが常だ。

 その番組中に気象予報コーナーがあって、「気象予報士」のコーナーを家族は気に入ってた。

 なので、気象庁発表ではなく「俺たちの森」の予報を楽しみにしていたのであった。


「日本の明日を真剣に考えてくれてるのは気象庁だけだしな……」


 確かに間違ってはいないがナニかが違う気がする。


「まあ、ダンジョンに潜ってしまえば外世界の天気は関係ないけどね」


 もちろん、夏休みの間もダンジョンに潜るつもりだ。

 長期休みの時じゃないとダンジョンの深層に行けない。

 今は朝に魔石ドロップのチェックと学校から帰宅してから三時間程度の探索しか出来ていない。

 土日にもなるべく潜るようにしているが毎回では無かった。


「最下層まで行ってみたいんだがな」


 出来れば夏休みが終わる前に攻略が出来なだろうか思っていた。

 ダンジョンボスというのを見てみたかった。


(きっとスライムなんだろうけど……)


 第一や第二階層と違って第三階層のスライムは種別が違うのか大きい。

 このまま下の階層に行くと大きくなっていくだろう。


「もっとも、原初の迷宮が何層くらいまで在るのか分からないけどな」


 余り大きいと手に負えなくなるから、攻撃方法を考えないと拙いとも思っている。

 そんな事を考えながらもスライム狩りを続けていた。


「まずは第三階層のスライムを十匹刈り取ることだ」


 この階層のスライムは草の間に居るので見つけるのが大変なのだ。

 なので、少しだけ立ち止まって草が揺れている部分を目印にしている。

 ここは草原なのに風が吹いていない不思議な空間なので出来る方法だ。


「第一階層が十匹、第ニ階層が二十五匹……」


 スライムを探しながら第四階層に行く方法を考えていた。


「じゃあ、ここの階層は五十匹ぐらいかな?」


 根拠は無い。だが、この第三階層の広さを考えるとそれくらいは居そうだなと感じている。

 今回も魔獣の殲滅がトリガーなのだろうかとハジメは考えた。

 すると、五メートル先で草が揺れるのが見えた。

 草を掻き分けて辿り着くとスライムがいた。盾(?)を構えて石斧を振り下ろす。

 何回か石斧を叩き付けるとスライムは黒い霧になって霧散した。


「よしっ!これで十匹分だ」


 十匹のスライムを狩り終えたハジメは第一階層に戻っていった。

 シン・スライムプレスの魔石をアーズススライムの魔石に取り替える為だ。

 これで一回あたりの経験値の取得が0.01から0.02に増えてくれる。


「階級が上がる日は近いな」


 一人ニヤ付いていた。第一階層に戻る時も第三階層に来る時も直接転移を行った。

 どうやら一度開放されれば複数階層の転移は可能なようだ。


「これはこれで便利な機能だな」


 問題はMPの消費量がどうなったのかが確認は出来ない。

 普通に考えて倍のMPを消費しているはずだ。鑑定では目に見えて減っていなかった。

 だから、何回かの転移を実験したいのだが、第三階層の回復魔法陣が見つかっていない。


「運良く第一階層でMP切れになれる保証が無いからなあ」


 間合いの悪さなら右に出たがる者がいないハジメである。外れを引く自信はあった。


「まあ、締切がある訳じゃないからノンビリ探すさ……」


 そんな事をブツブツ言いながらハジメは草原の中を歩いていた。次の階層に行く為のヒントを探しているのだ。

 もちろん、スライム狩りも忘れない。


 目印は一際高い丘だ。高いところに登れば全体が把握出来るはずだ。

 だが、丘を登りきると困った事態に遭遇してしまった。


「ん……崖になってるじゃん……」


 崖と言っても五メートル程度の高さだ。対岸には滝が有る。少し歩かないと回り込めない。

 なので、降りる所がないかと見回している内にある事に気がついた。


「さて、第四層へ転移するイベントってなんだろうね……」


 崖から川の流れが落ち込んでいる滝壺。太陽が見えないのに虹だけは掛かっていた。

 その落下地点から少しだけ下流より、透明度が高いのか川底まで見える。


「なんて場所に有りやがるんだよ……」


 丸い円陣が4つの柱に囲まれている。ハジメが知る限り一種類しか無い。

 何らかの魔法陣が滝壺の中に存在するのだ。


「どうしろと……」


 考えるまでもなく第四階層へ転移する為のイベントなのであろう。

 滝壺を見下ろしながらハジメは途方に暮れてしまっていた。


 川底の魔法陣をそのままにしてスライムを探し回った。

 川の中に入る事も考えたが、今はシン・スライムプレスの機能向上を優先した。


「着替えを持って来ないと駄目だしね」


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